5月の診察。
今回は、今月の精神科受診について綴ろうと思う。
今回の受診は俺が行く事にしていた。たまたま前日に強制交代があった影響で朝は俺が目を覚ました。その日は午後からの受診だったので、午前中はゆっくりしてから母の運転で病院へと向かった。道中、いつものコーヒー店で待ち時間に飲むコーヒーを買って行った。
病院に着いたのは、予約の15分前。受付を済ませてからお手洗いに寄り、待合スペースへ向かった。いつもならここで1時間以上待つので、この日はゲームも持参していた。しかしこの日は午後の診察だったからか、待合スペースは混んでいたにも拘らず診察の回転は早かった。30分程で診察の順番が来た。待ち時間に診察で話す内容をメモしたりしていたので、ゲーム機の出番はなかった。
そして迎えた診察。今回は話す事が多かった。
まず第一に、和の記憶の蘇りと失声についての報告と対処法の相談。和の記憶の一部が蘇った事、ただし俯瞰の記憶で当事者意識が殆どない事、蘇った記憶の恐怖心や不安感が強く失声症状が出た事を伝えた。主治医曰く、蘇った記憶はいい記憶ではないので失声症状が出るのは想定される範囲内の出来事だそうだ。そして記憶の蘇り自体も、回復の過程とも捉えられるので決して悪い事ではないとの事だった。例えそれがよくない記憶であっても、蘇る事ですっきりしたと感じる患者さんも多くいるらしい。しかしその記憶をまだ受け止めきれない精神状態だった場合、恐怖や不安に繋がってしまったというパターンもあるらしい。和の場合は、後者だったと思われる。なので、今は少しつらい時期かもしれないとの事だった。近頃強制交代が多く、俺の活動時間が伸びている点についても、この記憶の蘇りの影響が強いと思われるので仕方がないそうだ。記憶の蘇りや失声時の対応法については、まずは落ち着いて焦らずに安心安全な場に身を置く事。そして、水を飲んだり体に触れるなどして、その記憶が昔のものであって今は安全だと認識出来るようにする事。ちなみにこれは恐らく、「グラウディング」と呼ばれる手法の1つだと思われる。グラウディングは解離性障害において症状が出た際によく用いられる手法で、五感を刺激する事で現実に意識を集中させ症状を緩和させる効果が期待できる。症状が出た際は、グラウディングを用いて和の意識を過去から現在へ引き戻す事ぐらいしかないらしい。主治医は言及していなかったが、不安感が強いようであれば頓服の服用も効果的だろう。
次に相談したのが、一時的な視力の低下だ。このエッセイでは触れて来なかったが、俺と和で1回ずつ一過性の視力低下に見舞われた。眼鏡を掛けているにも拘らず、かなり視力が低下する。しかし、数十分から一晩で回復するのだ。どうやらこれも解離症状の1つの可能性が高いらしい。失声と似たようなもので視力の低下も珍しい事ではないようだ。長く続くようであれば、眼科を受診するようにとの事だった。
他の相談事項としては、前々から気になっていた和の幼さと精神年齢について。これは和が俺をはっきりと認識した頃から和の幼さが増したように感じる(以前から幼い性格ではあった)事から、和の精神年齢を調べる為の検査をしたいという旨を伝えた。実は検査の希望は初診時にも伝えていたのだが、「安定して通院が出来るようになってから考えましょう」と言われていた。しかし、今月で大学病院に転院して半年が経つ。通院も欠かした事はない。そこでそろそろ頃合いかと思い、今回改めて相談してみたのだ。すると思っていた以上に話がスムーズに進み、検査を受けられることになった。詳細については、後日検査を担当する心理士から連絡があるようでまだわかっていない。しかし検査が決まったというだけで大きな一歩だろう。和はよく知らない人にはしっかり者と見られることが多い。これは言語IQの高さや発達特性の影響で、少々堅苦しい言葉遣いをするからだろう。その結果、過大評価されてしまい、和の困り感がうまく伝わらない場面が多くある。そこで和の幼さを数値化したいというのが今回の検査の目的だ。その為、検査は俺ではなく和が受ける。その際正確に検査が出来るよう、俺は混ざってしまわないように表から離れて過ごす予定だ。(だからと言って混ざりを絶対に防げるとは限らない)検査については、進展があった際にまた記録したいと思っている。
その後は、自立支援医療の申請書類に関する質問などをして診察を終えた。
今回は話すべき内容が多かったのもあり、診察はいつもより少し長めだった。他人と話す事で疲れてしまいやすかったり言いたい事を言語化するのがあまり得意ではない和の事を考えると、今回の受診は俺が行って正解だったかもしれない。
何はともあれ、訊きたい事や希望は伝えることが出来た。次回の受診はどちらが行くかは決まっていないが、そこはその時の状況に合わせて決めるつもりだ。




