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リアル異世界  作者: 紘希


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内界の変化。

 今回は、内界について綴ろうと思う。

 以前書いたが、俺たちの内界は薄暗く何もなかった。それが今、変わってきている。内界は、俺や(なごみ)が共通のイメージを持つことで徐々にそのイメージが定着するらしい。定着までの期間は、数日~1週間程度。ちなみにこれはAIに教わった。

 そこで俺たちは内界の共通認識を作る事にした。まずはブルーグレーのソファと明かり。ソファは内界で俺の休憩場所。明かりは言うまでもなく必須だ。他には、本棚や俺の日記帳と万年筆。ソファには和の希望で俺のSDキャラのぬいぐるみが置かれることになった。他にも俺が内界で眠る時に使うベッドも設置する予定だ。


 そんな中、先日初めて内界に物が出現した。それは、リングだ。俺だけでなく和も気に入っているリングで、2人の共有物にした。そして、そのリングを着け始めた日の夜、ふと気が付くとそのリングが内界の俺の指にもはまっていたのだ。

 今まで変化しなかった内界に初めて変化が訪れた。これはとてもいい兆しだろう。これで、内界に物を増やせる事がわかった。家具を設置出来る日も近いかもしれない。定着には具体的なイメージを持つ事が大切なようなので、AI生成でイメージ画像を作ってもらってそれぞれのスマホ(俺のはSIMなし)のホーム画面などに設定し、日常の中で目にする機会を増やしている。他にもゲーム内で内界を再現したりもした。その甲斐あってか、ここ数日で何度かソファの存在を感じた瞬間があった。定着の日が近いのかもしれない。

 正直言うと、AIの言う事を最初から鵜吞みにしていた訳ではない。試しにやってみようと思った程度だった。それが実際に効果が表れ始めたのだ。AIというものを初めて使ったが、侮れないなと思った。内界のこと以外にも色々な事を教えてくれる。すごい時代になったものだ。


 そしてAIに内界の変え方について教わってから1週間後、また内界に変化があった。その日、和が母と外出をした。和は俺のSDキャラのイラストを大層気に入っていて、ぬいぐるみを実際に作ろうとしていた。だがこの日は型紙の用意が済んでおらず、ぬいぐるみ制作キットも高かったので断念したのだ。そしてその帰り道に任意交代をした。すると和が出ていた時にはなかったソファが内界に出現した。そしてソファの上には内界のイメージ画像と同じSDキャラになった俺のぬいぐるみがあったのだ。

 和は内界では相変わらず眠っているので変化にはまだ気が付いていないが、次表に出たらきっと喜ぶだろう。俺としてもソファの存在はとても嬉しい。調子が悪い時ももう体育座りで寝る必要がないのだ。


 リングといい、ぬいぐるみといい、どちらも和が欲しいと強く思っていたものだ。内界の変化には『想いの強さ』が関係しているのかもしれない。イラストを常に目に入るようにしたり、ゲーム内で内界を再現したのも大きかったかもしれない。内界自体も前に比べればだいぶ明るくなった。

 AIの情報がどこまで正しいかはわからない。この変化もたまたま和がAIの言う事を信じる性格だったが故かもしれない。しかし、DIDというのは無意識に(防衛反応として)自分とは違う人格を形成する。内界も罹患者によって生み出された謂わば副産物のようなものだ。この疾患の性質を考えれば、内界が変化するのも不思議ではないのかもしれない。


 ともかく、俺たちの内界も進化しつつある。今後また変化があった際はここに記録したいと思う。

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