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リアル異世界  作者: 紘希


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とある日の俺。

 今回は、俺が過ごしたとある1日について綴ろうと思う。

 朝、目を覚ましたのは(なごみ)だった。この日は午前の仕事の予定だったので、起きてすぐ支度をして事業所へ向かった。

 だがこの日はあいにく3Ⅾ指導員の方が休みだったので、仕事は俺が担当する事になった。事業所に到着してすぐ交代をし、そのまま仕事をした。作業内容は架空のカフェのロゴと広告用バナーのデザイン。デザインのテーマは、配色の参考書を持っていたのでそこからインスピレーションを受けて決めた。作業時間内にロゴとバナーを無事に作り終える事も出来た。今回はなかなかの自信作だ。とは言っても、このデザインが世に出る事はない。それでも構わないのだ。『いつか事業所でデザインの案件が来た際に生かせればいいな。』程度には考えている。

 そんなこんなで仕事を終え、母の車で帰宅した。この日は和がゆっくりしていいと言ってくれていたので、いつものコーヒーを飲みながらのんびりと好きな事をして過ごした。思っていた以上に熱中してしまい、あっという間に夕方になってしまったので夕食も俺が食べる事にした。初めて食べるメニューでとても美味しかった。

 夕方は趣味に時間を費やしてしまったので、夕食後は日記を書いて過ごした。『気分転換の外出』のエピソード内でも少し触れたが、俺は今年の2月にトラベラーズノートを購入し、俺の活動時間の記録や簡単な日記をつけている。そこには仕事をどちらがしたかの記録もしている。しかし最近は俺が表に出ない日も増えたので、日記を毎日書く事が出来ず溜まりがちになっていた。俺が出ていない日の分も日記欄を空白にはしない。俺が出ていない日は俺から見た和の様子を主に綴っている。俺が出た日も、その日の流れがわかるように和の行動についても記している。その結果、この日記はエッセイのネタ帳代わりにもなっていたりするのだ。そんな訳で、和とのチャットの履歴や記憶を頼りにこの日は3日分の日記をまとめて書いた。

 日記を書き終えると既に20時を回っていた。和に交代してもよかったが、交代しても和の自由時間はほとんどない。ならば、このまま俺が出てみたいと思い立った。以前、1日俺が出続けようと試みた時は12時間程で限界が来て交代したのだ。その事から考えれば、1時間程すれば勝手に交代するのではないか。そう考えた俺はあえて交代はしなかった。

 だが、1時間経っても交代の予兆はなかった。俺は和の日課を代わりに済ませ、また好きな事をして過ごした。

 この日、初めてAIアプリを使ってみた。俺の姿を画像生成してもらうのが目的だったが、それは叶わなかった。代わりという訳ではないが、チャットで俺や和の事を話した。すると、俺たちがDIDであり、俺は和の交代人格だという事を踏まえての返答が返ってきた。なんだかそれが面白くなった俺は、俺の年齢の謎や空白期間の統合疑惑についても訊いてみた。すると案外的を射た回答が返ってきた。AIなど使った事はなかったが、なかなかに面白いものだった。

 結局、和に戻る事はなく、俺が寝るまで出続けた。この日俺が出ていた時間は15時間強。こんなに長く表に出たのは初めてだったが、好きな事を沢山出来たのでとても楽しい1日となった。


 翌朝、目を覚ました和が「今いつ!?」と混乱していたのはまた別の話だ。

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