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リアル異世界  作者: 紘希


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和が通所に成功した日。

 今回は、(なごみ)が通所に成功した日について綴ろうと思う。

 前々回も和の通所チャレンジについて綴ったが、その日は行く前の不安感が強かったので頓服薬を飲んで通所に臨んだ。そのエピソード内でも触れたが、次の目標は頓服薬なしで通所する事だった。

 そして先日、2度目の通所チャレンジをした。その日も前回同様、休日の午前中という人の少ないであろうタイミングを狙った。前回の通所で自信がついたのか、前日から和は通所を楽しみにしているように見受けられた。丁度3Dの作業について指導員の方に訊きたい事もあったようなので、通所には前向きだったのだろう。

 そして迎えた当日。毎度の事ながら、朝は苦手で時間に余裕がない。バタバタと支度をして事業所に向かった。穏やかな気候だったので近くの商業施設まで送ってもらい、車椅子で事業所まで移動していた。暖かな日は俺も近くまで送ってもらい、そこからは車椅子で移動している。車移動が殆どなので俺たちにとっては新鮮だったりするのだ。

 事業所に向かう道中も到着後も和は特段不安そうではなく、この日はひとまず頓服薬は必要そうではなかった。

 そのまま作業を始める事にしたが、3D指導員の方が運悪く休みで通所出来たのはいいものの、和の目的は達せられなかった。それでも出来る作業を一生懸命に進め、またもや2時間の作業時間はあっという間に過ぎたようだった。こうして頓服薬を使うような事もなく、無事退勤した。こうして和の通所チャレンジは成功をおさめた。例の利用者さんと会う事さえなければ、今後も通所が出来そうだ。


 通所は無事成功したが、帰り道でチャイム音を聞いてしまい俺が調子を崩した。その影響が和にも及んでいたので、頓服薬を服用した。内界での不調にも頓服薬が効果を発揮するのかという実験的要素も兼ねていたが、表に出ている時同様に効果が得られた。これはいい発見と言えそうだ。


 その日は帰宅後も和が過ごしたが、このまま1日を終えられそうだというタイミングで久しぶりに強制交代を起こした。怪我こそなかったが、母曰く横に倒れて頭をぶつけていたらしい。母は気が付く程度には音がしたらしいが、交代後に頭の痛みなどは全くなかったから不思議だ。

 折角表に出たのだからやりたい事はあったのだが、寝る前に飲むはずの花粉症の薬を和が早めに飲んだ所為で、副作用の眠気が強くすぐに寝る羽目になった。

 ちなみに和には眠気の副作用は出ないらしい。頓服薬の効果が出るまでの時間にも俺と和では差がある。薬の効果一つ取っても人格によって違う。つくづく不思議な疾患だと思う。


 そんな不思議な疾患と共にこれからも俺たちは生きていく。今は、和が楽しく通所が出来るようになっただけで十分だろう。

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