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リアル異世界  作者: 紘希


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和の通所チャレンジ。

 今回は、(なごみ)が通所にチャレンジした日の事を綴ろうと思う。

 先月末に相談支援事業所との契約の為に母と通所した日を除けば、和がB型事業所に通所したのは去年の12月が最後だ。仕事の為の通所は約3ヶ月していない事になる。

 そんな中、先日遂に和が通所にチャレンジする事が出来た。元々は俺が通所予定だったのだが、その日は事業所が午前のみの営業だと前日になって気が付いた。加えて暦上は休日なので、そういった日は利用者が少ない傾向がある。そこから例の利用者さんは来る可能性が低いと推察した俺たちは、その人が居たら交代するという前提条件付きで和が通所チャレンジをしようと結論付けた。

 最近の和は仕事でやっていた事業所の3DCG入門の課題を終え、趣味で前からやっているキャラクターのモデリング作業を仕事の時間にも進めるようになった。ただ、まだ3Dを初めて2週間やそこらなので参考書だけではわからない事も当然あるようだった。それが理由で和自身も通所して指導員の方から直接教わる事を望んでいた。ならばこれはいい機会かもしれない。モチベーションもある状態ならば、通所のハードルも少しは下がるし、1度でも行ければ自信に繋がるからだ。


 そうして迎えた通所日。事業所が近づくとやはり不安になるようで少し動悸もあったようだ。それでも行きたいというので、頓服を飲んで通所をした。薬が効いてしまえば精神も安定し、幸いな事に例の利用者さんも居なかった事も相まって和は楽しそうに作業をしていた。家でうまくいかなかった部分も、3D指導員の方に教わって無事解決したようだった。その後もその指導員の方は度々様子を見にきてくれたので、和も質問しやすいようだった。そして例の如く物凄い集中力を発揮し、和にとってはあっという間に作業時間が終了したようだった。

 和の通所に対する不安感もなくなり全てが順調に進んでいると思われた矢先、予想外の出来事が起こった。終業時の報告を書いている最中に、例の利用者さんがやってきてしまったのだ。どうやら午後も開所していると勘違いして来てしまったようだった。もう少しで終礼のタイミングだったので和は我慢しようとも思ったようだったが、声を聞くとダメなようで結局交代することになった。

 終礼に間に合うように急いで交代しようと、不完全な状態で目を開けてしまった事もあり、少し混ざり気味だった。

 ともかく一応交代を済ませた俺は、和のやり残した作業を代わりに済ませて終礼に参加した。そのまま帰宅したが、帰り道でも和は混ざったままだった。まだまだ作業したりなかったのもあるだろうが、きっと最後まで自分が出て通所を終えたかったのだと思う。


 想定外の出来事により最後の最後で交代はしてしまったが、ほぼ1日(と言っても午前だけではあるが)和が通所する事が出来た。これは大きな一歩だろう。和が望むようであれば、この調子で徐々に通所を復活させたい。そして次は、頓服薬の事前服用をせずに行ければよりいいなと俺は考えている。

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