表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
リアル異世界  作者: 紘希


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

54/87

2月の診察。

 今回は、2月の診察の様子について綴ろうと思う。

 今までの診察や大学病院に転院に至る経緯などについては、過去のエピソードを読んでほしい。

 先日、4週間に1回の精神科への通院があった。先月に続いて(なごみ)が診察を受けると言うので、和が表に出た状態で病院に向かった。その日は駐車場についた時点で障害者スペースが満車な程、病院は混雑していた。そして案の定、精神科の待合スペースは混んでいた。診察の予約は昼前に取っていたが、診察は1時間程押した。待機中、人が多かった事もあり疲れが溜まったのか交代しそうになる事が何度かあった。しかし交代が起こる直前に診察の順番が回ってきたので、どうにか交代せずに済んだ。

 診察では決まって最初にされる質問がある。それが「この1か月どうでしたか?」というものだ。実はこの質問は和が苦手な質問なのだ。質問が抽象的なので『どうってどう?』と答え方に迷ってしまうのだ。そして母の助言もあって、今回は思い切って「わかりません。」と答えていた。すると主治医は、「わかりました。じゃあ、特に変わった事はなかったという事で大丈夫ですか?」と優しく訊き返してきた。そこで和は、「大きくはないですが、気になった事は書いてきました。」と用意していたメモを渡していた。

 俺たちは日々の生活の中で、主治医に訊きたい事をワープロソフトで記録している。それを診察の前日までに印刷をして診察に持参している。このメモを渡すタイミングも和は難しいようで、いつも少し戸惑っている。

 今回伝えた要件は2つ。1つは、以前エッセイにも書いた呼吸機能の差について。これは報告のようなものだ。もう1つは、診察日の1週間程前に和に動悸の症状が出た話だ。その時は特段フラッシュバックなどがあった訳でもないのだが、安静時で脈拍が140~150を超えていたのだ。その時は他の事に意識が向いていたのもあってか自覚症状はあまりなく、普段から着用しているスマートウォッチのアラームで発覚した。ただ言われてみれば動悸がするといった感覚のようだった。流石に150近い数値は心配なので、試しに抗不安薬の頓服を飲む事になった。パニック発作の動悸には効くので心因性のものなら効くかもしれないと思ったからだ。頓服の効果もあってか120~130までは下がったが、それ以上下がる事はなかった。呼吸苦などはなかったのでそのまま生活し、俺に交代すると100~110になっていた。元々頻脈傾向のあるこの体にとっては、特別高い数値ではなかった。その事を伝えると、140~150という数値は何かしらの恐怖を感じた時に出る数値だと言われた。心当たりを訊かれたが、和は特にないようだった。ただ交代すると落ち着いている事からも、何かしら過去の記憶などに繋がっていた可能性が高いとの事だった。無意識のうちに何かを思い出していたのか、そのフラッシュバックの記憶が解離してしまったのかはわからない。とにかくまたそのような症状があった場合は、頓服や交代で凌ぐしかないようだ。

 一通り話を終え、薬の変更は特になく先月と同様の処方がなされ診察は終了した。これは恐らく、治療経過としては悪くないのではないかと俺は解釈している。依存しやすいという抗不安薬も今の所飲み切ってしまう事もなく過ごせているし、俺の活動時間も4時間前後で安定し通院し始めた頃よりも和の活動時間は伸びている。新たな薬や治療を始めずとも生活が回っているのは一見改善がないようにも見えるが、治療が長期化するDIDにおいては良好な状態と言えるのではないだろうか。まして統合をせず共存を治療方針とする俺たちにとっては、大きな変化がないというのはいい事だろう。この調子で安定した生活が続くよう、焦らず俺たちのペースで過ごしていきたい。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ