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リアル異世界  作者: 紘希


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2つの個性。

 今回は、俺たち2人で挑戦したキャンバスアートについて綴ろうと思う。

 事のきっかけは、姉である(みぎわ)の趣味だった。汀は絵を描くのが好きで、画材を買っては様々なキャンバスアートを制作してきた。その画材を俺たちにも分けてくれた。今までにも(なごみ)や俺にキャンバスと絵具、それからミラーイフェクトというものを持ってきて、作品を作らせてくれた事があった。という訳で、今回は俺たちにとって2度目のキャンバスアートになる。

 ちなみにミラーイフェクトというのは、箔押しのような加工のできるもの。専用の糊で模様などを描き、糊が透明になったらフレーク状のミラーイフェクトをまぶしてスポンジなどで軽く擦ると糊付けした部分にフレークが付き箔押し加工ができる。

 そして今回、汀からの提案で今までより大きなキャンバスを二分割して和と俺で半分ずつ制作してみてはどうかという事になった。俺も和もキャンバスアートは気に入っていたので、やらしてもらう事になった。

 先日丸々一日休みの日があったので、その日に作業をすることにした。先に和がやりたいと言うので作業は和からに決まり、昼頃から作業を始めて約3時間ぶっ続けで作業をしていた。

 作業工程としては、

 色塗り→乾燥→糊付け→乾燥→ミラーイフェクト→ニス塗り→乾燥→完成

 という流れだ。乾燥が所々で必要になるが、ストーブやドライヤーを使うと時間短縮になった。

 和が毎度時間かかるのが色塗りだ。大抵誰でも色塗りは時間がかかるが、和は慎重派な事もありかなり悩みながらやるので時間がかかる。

 汀は色彩感覚が豊かで色使いが上手い。いつも様々な色を使ってキレイなグラデーションや色の混ぜ方をする。そんな汀への憧れもあり、今回は和も複数の色を使ってグラデーションで描こうとしていた。紫・青・ピンクの系統の絵具をいくつか使い、描く事にしたようだった。

 だが結局は納得のいくようには描けなかったらしく、上から調合したピンクを重ねて塗り直していた。そして全面ピンク色にした後、ゴールドの絵具で模様を付け色塗りは完成した。

 そして前回はミラーイフェクトの下地となる糊付けもかなり悩んでいたが、今回は比較的悩まずに作業をしていた。糊の乾燥はストーブの前に放置する事で時間短縮が出来たので、さほど時間がかからずにミラーイフェクトの作業は終了した。


 和の作業が終わったら俺の番だ。絵具の浸食を防ぐ為のラップとマスキングテープ貼りを母に頼み、その間に俺は和に言って使いたい絵具を用意してもらった。

 俺が選んだのは、茶色・ブロンズ・黄色・オレンジ・紫・青系×2・緑系×2の計9色。前回はブルーとグリーンで纏めたので、今回は幅広い色使いに挑戦してみようと思った。

 俺は和とは逆で、作業は基本感覚でやるタイプだ。「何となくこの色使いたい」「何となくこの色重ねたらキレイになりそう」そんな何となくで作業をする。故に盛大に失敗する事もあるが、上から色を重ねていい感じに見えるようにカバーする。今回は普段の仕事のデザインでも使わない数の色を使ったので、俺も少々悩み時間がかかった気がする。しかし、最初の色塗りはそこまで長時間かかったわけではない。

 だが色塗りを終えて乾燥してる間に、今回汀が新しい凹凸の出る不思議な絵具を置いて行ってくれたのを思い出した。それは水性アクリル絵具を混ぜて使うと表面に凹凸を残せるものだ。使ったことはなかったが、面白そうなので使わせてもらう事にした。

 試しに使ってみると、独特な凹凸が面白くどんどん塗っていった。ただ無計画に塗り始めたので、納得のいくまで作業するとかなり時間がかかった。それでも何とか納得のいく仕上がりになったので、俺はミラーイフェクトはせずに制作を終えた。

 ニス塗りは完全に絵具が乾いてからになるので、ニス塗り前の作品を写真に撮って汀に報告も兼ねたお礼をした。汀とのやり取りを終えても絵具が乾ききらないままだった。そこそこの時間になってしまったので、ニス塗りは翌日にしようと思い和に交代した。


 完成した作品を見て、和は驚いていた。俺も思ったが、2人の作品の雰囲気が全くもって違うのだ。和はあまり色を重ねない。一方俺は思いつくままに色を重ねていく。俺としてはなるべくキレイになるようにしているが、混沌としてしまっていないか少々不安になったりもする。だが、母や和は「色がキレイに混ざってすごい」とほめてくれる。それがとても嬉しかった。

 和の作品も俺は好きで、ピンクとゴールドで構成されているが濃淡もあり、何より和らしい雰囲気に仕上がっている。

 ちなみに夜になり絵具は完全に乾いたらしく、和がニス塗りをしてくれた。


 完成した作品はリビングの壁に飾っている。2人の個性が並んだ作品は見ていて面白い。異なる個性が一つのキャンバスに収まっている様子は、まるで俺たちそのものを表しているようで、俺は時折その絵を見上げている。

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