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リアル異世界  作者: 紘希


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久々の通所と絵本コーナー。

 今回は、久しぶりに通所した日の出来事を綴ろうと思う。

 何度か書いているが、俺たちは障害などにより就労が困難な人が通う就労継続支援B型というサービスを利用している。以前は事業所への通所もしていたが、事業所での事件をきっかけに在宅ワーク中心に切り替えた。これについては過去のエピソードを読んでもらいたい。

 ともかく今は、利用日の殆どを在宅ワークにしている状態だ。通所するのは原則月に1度。工賃を受け取る日だけだ。今月は例外で、月末講座を受ける為に1度通所する予定だ。これについては後日書きたいと思っている。

 

 先日、俺は工賃の受け取りの為に通所をした。事件以降は俺が通所をするようにしているのだが、12月末以降は在宅にしていたので俺にとっても久しぶりの通所だった。月の中旬は工賃の受け渡しで毎月混むのだが、この日は運よくそこまで混雑してはいなかった。通所してすぐに工賃の受け渡しがあり、諸々の書類にサインなどをして工賃を受け取った。そしてせっかく通所をしたので、事業所で仕事をする事になっていた。俺たちは主に動画制作の仕事をしていて、(なごみ)が動画編集で俺はサムネイル作成をしている。丁度前日までに和の編集作業は終わっていて、この日は俺がサムネイルを作る番だった。お気に入りのコーヒーをブラックで持参していたので、それを飲みながら作業をする。在宅ならではの気楽さはないが、事業所では大きな画面で作業が出来る上にPCの処理速度も速い。自宅から事業所のPCに繋げて作業するよりも作業効率はいいかもしれない。

 しかしそこを差し引いても、在宅の方がいいと俺は思っている。通所の移動時間を自由時間に充てられる事や一番の安全地帯とも言える自宅に居られる事は大きなメリットだ。

 それでも和は、いつか通所を再開したいようだ。理由は、さっき挙げた事業所の機材の使いやすさと工賃の違いだろう。細かな作業をする時大きな画面で出来るのは大きい。その上動画編集などの作業がスムーズにできる点は確かに利点だ。そして工賃の違い。日給制なのでさほど大きな差ではないのだが、和にとっては重要なようだ。

 だが、一度恐怖心を抱いてしまうとそれはなかなか消えない。現に和は余程の理由がない限り通所はしたがらない。今の状態で通所するには頓服薬が必須だろう。主治医からも、「恐怖や不安を感じる場所には近づかないように」と言われている。俺たちの在宅ワークはまだまだ続きそうだ。


 無事に仕事を終え、母の迎えで帰宅する。俺たちが通所している間、母は大抵近場で時間を潰してくれている。この日は買い物をしていたようで、車の後ろには何やら家具が積まれていた。これは何かと母に訊くと、和の絵本を仕舞うブックシェルフだそうだ。

 和は絵本が好きでいくつか絵本を持っている。その絵本を飾って収納出来るようにと購入したらしい。

 家に帰り、母がブックシェルフを組み立てる。ブックシェルフはリビングでいつも俺たちが座るスペースの壁際に設置した。下に収納スペースがあるので、本棚に入りきらなかった仕事用の参考書や和の小物をそこに仕舞った。あえて俺が出ているうちにやったのは、和が片付けや掃除に対して強い恐怖心を抱くからだ。ただ絵本の並べ方には恐らく拘りがあるので、和に任せる事にした。和は片付けは苦手だが、陳列となると怖さもなくむしろ楽しいようだ。

 和に交代すると、ブックシェルフに気付き大層喜んでいた。引き出しに眠っていた好きなイラストレーターさんの絵本も取り出し、キレイに並べていた。こうして、俺たちの家には絵本コーナーが完成した。

 俺がこうして執筆をする時も、後ろには絵本が並んでいる。

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