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リアル異世界  作者: 紘希


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家族揃って過ごした正月。

 今回は、家族揃って過ごした正月のある日について綴ろうと思う。

 その日は朝から(みぎわ)が家に帰ってくるので、母が迎えに行く事になっていた。(なごみ)は前日から「明日は朝から起きる!」と意気込んでいたが、朝起きたのは俺だった。どちらが起きるかは俺たちにもコントロール出来ないので、こればかりは仕方ない。俺はこの日は早めに交代しようと決め、とりあえずは出ている事にした。

 お気に入りのコーヒー豆を切らしていたので、希釈で作るアイスコーヒーを和から貰ったボトルに母に淹れてもらった。そして母を見送ると、コーヒーを飲みながら読書をして過ごした。1時間半程でボトルに入れてもらっていたコーヒーは飲み干してしまった。

 丁度そんな時に母が汀を連れて帰ってきた。新年という事で、お年玉としてコーヒー店のプリペイドカードとお気に入りのコーヒー豆を買ってきてくれた。その上、アイスコーヒーを持ってきてくれた。家にあった牛乳を加えて、この日2杯目のコーヒーを堪能する。

 姉たちと他愛ない会話や心理テストをして昼まで過ごすと、和に交代をした。和は朝起きられなかったことを悔やみながらも、汀に新年の挨拶をしていた。汀から和にもプレゼントがあり、タンブラーと和の好きなキャラクターのカプセルトイを貰っていた。タンブラーは代理購入を頼んでいたのだが、「お年玉代わりにする」と言ってくれたようだ。

 昼過ぎからは(あおい)と和がゲームをし、母と汀が出かけた。葵と和は普段RPGを一緒にやる事が多いが、この日はパーティーゲームをしていた。約1時間半かけて1ステージ戦った。結果は和の勝ちだった。その後は少しミニゲームで遊び、ゲームは終了となった。葵とゲームをする和はとても楽しそうだった。

 夕方になり、汀たちが帰ってきた。しかしその頃には、交代の予兆が表れ始めていた。姉たちが揃い、少々はしゃぎすぎたのかもしれない。それでも和は表に出続けようとした。「主人格でいなければ」という気持ちからのようだった。『時間のバランス』の中でも書いたが、和が出続ける事が今の交代サイクルの目的ではない。勿論ゆくゆくはそうなるのが理想だが、まずは「和が選べる事」が大切なのだ。その事を改めて伝えると、和は交代して休む事を決めた。

 交代してすぐ、俺はその日3杯目のコーヒーを淹れた。俺にとって、表に出る一番の楽しみはコーヒーを飲む事だ。カフェインレス(ディカフェ)コーヒーをずっと飲んでいる。ただ、豆から落とすのは1日1回。それ以外は、希釈コーヒーやインスタントコーヒーを飲んでいる。今日の2杯目は汀からの土産なので例外だ。

 夕食は汀のリクエストメニューだった。俺の好物でもあるそれを美味しく食べた。食事中に話の流れで、俺が和の真似をした。するとそれがかなり似ていたらしく、葵と汀は大笑いしていた。葵に至っては笑いすぎて泣いていた程だ。そういえば、俺の存在を打ち明けてから2人の前で和の真似をするのは初めてだった。和の身近な人物に真似を褒められるのは、素直に嬉しかった。DIDを抱えて生きるには、基本人格/主人格の真似を出来るに越した事はないからだ。

 食事の後は、エッセイの執筆をして過ごした。

 そうこうしている間に、汀が帰る時間になった。その頃には、俺のコーヒーは残り半分を切っていた。あるきっかけで予期不安が起こっていたのもあり、送迎について行きいつものコーヒー店に連れて行ってもらう事にした。

 夜に外に出る機会はなかなかないので、なんだかワクワクした。母の運転で近くのショッピングモールに行き、いつものコーヒーを頼んだ。この日、4杯目のコーヒー。やはり同じ豆を使っても、店で買うのとは味が違うのだ。美味しいコーヒーに俺は満足だった。その後は汀を家に送り、俺たちも帰宅した。

 家に帰ると、コーヒーが飲み終わるまで、またエッセイの執筆をした。この日俺が飲んだコーヒーは約2ℓ。和には飲みすぎと言われるかもしれないなと思った。


 翌日からはB型事業所の仕事が再開する。俺にとって初めての正月は、賑やかで楽しいものだった。こうして俺たちの冬休みは幕を下ろしたのだった。

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