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リアル異世界  作者: 紘希


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1年を振り返る。

本エピソードには、自然災害に関する記述がございます。

フラッシュバックなどされやすい方は、ご自身の体調を第一にして頂きますようお願い致します。

 いよいよ今日は大晦日。という事で今回は、簡単に今年1年を振り返っていこうと思う。

 まずは1月1日。元日は俺が約5年ぶりに目覚めた日だ。きっかけは、その日発生した能登半島地震。(なごみ)は被災地に居たわけではないが、地震発生によりパニック状態(強い恐怖・動悸・フリーズ)に陥っていた。

 和は東日本大震災以降、地震に強い恐怖心がある。こちらも直接的に被災した訳ではないが、初めて経験する大きな揺れ、長引く余震や連日流れるTVの映像などがトラウマとなっているのだ。実際、当時学校で避難した際は途中から俺が表に出ていた。それ以来、小さな地震さえ怖がるようになった。だが、元日の時点では母に守られている安心感からか、俺に交代する事はなかった。

 その数日後、和は意識消失を起こした。目覚めた後も、一時発声困難の症状が出ていた。実は意識消失は人生上2度目であり、(のち)に前主治医から解離症状と診断された。和が意識を失っている間の記憶は俺にもない。俺が目覚めているにも拘らず、交代が起こらなかったのかは未だ不明である。

 それから数ヶ月、和は地震の恐怖から引きこもりがちになっていた。それでも時々買い物に出かけたりはしていたので、そんな時は和と会話ができた。(和には別人格と話しているという認識はない)

 しかし薬の調整の甲斐あって、春頃には就労継続支援B型の事業所を探し始めるまでに回復し、いくつかの事業所に問い合わせや見学を行っていた。そして初夏、今利用している事業所に辿り着き、契約に至った。

 丁度その頃の和は、MOSというMicrosoftの資格取得にも力を入れていて、家ではずっと試験勉強をしていた。

 そして本格的に事業所の利用を始めた頃から、俺が混ざるようになった。それでも和は利用できる日は全て通所していた。薬の調整も難航していたのもあり、混ざりの症状は薬の副作用と思われていたからだ。そしてまだ誰も俺の存在に気が付いていなかった。

 薬の調整が大方落ち着いた秋頃、初めて自宅で俺に交代をした。そこから先は皆さんご存知の通り。俺は和にメールを残した。それにより俺の存在が発覚し、解離性障害の専門医に診てもらう事を決めた。それから大学病院に転院し、DIDの診断を受けたのは秋の終わりの事だ。

 冬にあった事と言えば、事業所に通えなくなった事と姉たちへのカミングアウトだろう。事業所は来年からほぼ在宅ワークにしているので和への負担は最小限で済むし、姉たちも温かく俺を家族に迎え入れてくれている。


 毎日のように交代し、1日を2人で生きる生活ももう3ヶ月以上になる。時々小さな事件は起こるが、概ね平和に生活が出来ているのはとても喜ばしい事だ。来年もこの穏やかな日々が続く事を願っている。

今年の更新はこれが最後となります。

お読みくださった皆様、ありがとうございました。


毎日更新を目標に約1ヶ月更新を続けてきましたが、来年からは不定期更新とさせて頂きたいと思います。

センセーショナルな描かれ方をしがちな解離性同一性障害。

症状が千差万別な疾患ですので、実際俺たちのような状態の当事者の方がどの位いらっしゃるのかはわかりません。

だからこそ、『穏やかに共存している俺たちの姿を知ってもらいたい』と言う気持ちでこのエッセイを書き始めました。

その想いは今も変わっていません。

ただ穏やかな日々ゆえに、書ける事も少ないのです。


そしてこのエッセイは、「俺が存在した証」です。

なので今後も無理なく、和との日々を綴っていきたいと思います。

今後とも本作を宜しくお願い致します。


皆様、よいお年をお迎えください。


紘希

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