発音の仕方の話。
今回は、俺たちの発音の仕方について綴ろうと思う。
以前、話し方(抑揚の付け方)や声のトーンが人格によって変わる事は書いたが、その後に発音の仕方に関しては変わらないという指摘を受けた。
和には脳性麻痺という障害がある。その影響で、口周りにも多少の麻痺があるのだ。ただ、言語障害(構音障害)の診断を受ける程ではない。少し発音が甘かったりするのだ。
和が小さい頃は言葉を聞き取ってもらえない事も多かったが、成長するにつれ発音もうまくなっていった。それでも、少しこもりがちになるらしい。その結果、1音1音がはっきりしなくなってしまう。家族や親しい人に聞き返される事はほとんどなくなったが、初対面の相手などには聞き返される事もたまにある。
その麻痺は俺が出ても変わらないようで、発音の仕方だけは似ているらしい。自分でも録音した自分の声を聞いて、発音の不明瞭さに驚いた。自分が思っている音になっていないのだ。しかし和曰く、内界での俺の発音に不明瞭さはないらしい。となると、その原因はやはり麻痺ということになるだろう。
一方で、声量などは変わるらしい。和より俺の方が大きな声が出たりする。あとは会話中の息継ぎの具合も変わるらしい。慢性呼吸不全の影響もあってこの体は肺活量が少ない。そのせいか和は、話の途中で一呼吸おく癖ある。だが不思議な事に俺が出るとその癖はなくなるのだ。肺活量を計測したことはないが、笛の音は俺の方が大きく出せた。
発音だけ変わらない理由はわからないが、機能の限界値がそこなのかもしれない。要は、俺が出ている時に出来る事が増えても歩けないのと同じ原理かもしれないという事だ。
こう考えてみると、当事者の俺でもDIDとは不思議な疾患だなと思う。




