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リアル異世界  作者: 紘希
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今の生活。-事業所編-

 前回は、俺たちの内界の話を中心に綴ったが、今回は俺たちの実際の生活について綴っていこうと思う。

 実際に俺が表に出て生活するようになったのは、ここ2か月ちょっとの事だ。正確には、俺が生まれた時や(なごみ)がストレスに晒された時に俺が表に出てはいたのだが、俺が生まれ現在の生活に至るまでの事は、追々書いていくつもりだ。

 さて話は戻って、現在の俺たちの日々は二人の過ごした時間を合計して1日が成り立っている状態だ。つまり交代人格と言えど、俺は毎日表に出ているのだ。俺たちの理想的な形は1日の半分は和が表で過ごし、もう半分を俺が過ごすといったものだ。とは言ったものの、実際には俺の方が長い時間表にいる日が多い傾向にある。

 現在俺たちは、就労継続支援B型事業所という所を利用している。就労継続支援B型事業所とは、就Bとも呼ばれる施設で雇用契約を結んでの就労が困難な障害や難病、精神疾患を持った人が通う就労系障害福祉サービスの事業所だ。障害者手帳の所持は必須ではない事もあり、実に様々な人が利用している。つまり、通所すれば多くの人と同じ空間で過ごすことになるのだ。そして利用日数も多い。制度上、該当月の日数から8日を引いた日数利用する事が出来る。例えば31日まである月は、23日利用可能となる。その為、俺たちは大体週5日の頻度で利用しているが、上限日数利用する事が和のこだわりなので、週に6日という事もある。俺たちの通っている事業所には在宅ワークも存在するが、月の半分ほどは通所をしている。そうなってくると必然的に和の心身への負担は大きくなる。

 和はもともと体力があまりなく、それに加えて体の筋緊張によってもエネルギーを消費するようだ。そして人の多い場所では気疲れをしてしまったり、聴覚過敏から周りの話声などにも疲れてしまうようだ。その上、和が事業所でしているのは動画編集で、作業には頭をフル回転させる必要がある。そうなってくると、通所を終える頃には疲れ果ててしまう。そうして俺に交代してしまうのだ。だから、事業所がたまたま空いていて静かな日や在宅の日は、帰宅後も比較的元気に和が過ごすこともある。しかし、丸1日和が出ているということはほとんどない。

 利用している事業所には既にDIDをカミングアウトしている。その為、俺が通所をしたり在宅で仕事をする事もある。事業所で付ける名札を裏表にしたり、それぞれの名前を両面に書いたカードを母が用意してくれたので、表に出ている方の名前を机の上に置いておくなどして見分けてもらってはいるが、人によっては声で判断してくれていたりもする。

 俺はどんな事をしているのかと言うと、和が動画編集をしているので最初はそれを手伝っていたのだが、たまたま動画のサムネイル作成をした日があった。そこからデザインの楽しさに目覚め、俺はサムネイル作成を担当している。和のほうはサムネイル作成に苦手意識があるようで、丁度いい具合に分担ができているのだ。ほかにも過去に事業所で行われたオンライン講座のアーカイブで学習をしたり、課題に取り組んだりしている。

 大体の日の俺たちの過ごし方はこんな感じだ。休日の過ごし方は、また今度書いていこうと思う。

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