俺たちの食事事情と風呂事情。
今回は、俺たちの食事事情と風呂事情について綴ろうと思う。
俺たちが交代可能になって何気に課題となるのが、食事量のコントロールと風呂だ。
まずは食事について話していこう。和は味覚過敏により偏食ではあるが、食に興味がない訳ではない。それは俺も同じで、お互いに食べられる物が限られているだけで食べる事自体は比較的好きだった。そして厄介なことに、満腹感の感じ方も人格ごとに変わるのだ。和が満腹だからと言って、俺がそうとは限らないのである。その為、出てきたばかりの頃は目新しい食べ物が沢山あるのが楽しくて、よく色々な物を食べた。だが、和は和で食べているのである。
そうなってくると当然問題となるのが、体型維持が出来なくなる事だ。和は元々標準より軽い部類には入っていたが、肢体不自由者にとって少しでも体重が増える事はQOLの低下に繋がる。体が重くなる事で、動きづらくなってしまうのだ。その上、健常者のように運動ができない。簡単に「運動すればいい」とは言えないのである。
そこで俺たちはルールを作った。「一方が食べたら、もう一方は食べない」というものだ。こうする事で、1日の食事量を1人分に抑える事が出来る。加えて、お互いに間食を減らすように心がけている。
そしてもう一つ、「なるべく車椅子を漕ぐ事」。俺たちは普段電動車椅子で生活しているが、手動の車椅子も持っている。運動不足の原因として、通所を始めて電動車椅子の利用頻度が激増した事も要因の一つだと俺たちは考えているのだ。通所を始める前は母と一緒に頻繁に買い物に行って多少は車椅子を漕いでいたようで、そこでの日々の積み重ねが実は大切だったのではないか、と。姿勢保持などの理由から事業所に行くときは必ず電動で行くが、買い物などの時は手動で行く事で少しでも運動の機会を増やそうと頑張っている。手動は座っているだけでも、体力を消費する。そこに車椅子を漕ぐという運動を加える作戦だ。とは言え、実をいうと買い物の移動中に俺はコーヒーを飲んでいる事が多いので、運動してくれているのはほとんど和だ。和が運動好きなのが救いではあるが、今後は俺ももう少し協力していこうと思っている。
続いて入浴事情についてだ。これは異性人格の居るDID患者のあるあるかもしれないが、「異性人格が出ている時の入浴をどうするか」という問題だ。
人格によっては身体違和が強く、風呂に入る事で体調を崩す事もあるという。幸いな事に、俺はそこまで身体違和がないタイプのようだ。和の事を小さい頃から見ているからかもしれない。
ただ一つ俺の中で気になっていたのは、この体の入浴には母の介助が必要不可欠と言う点だ。俺が体を見られるのはトイレ介助でもよくある事なので構わないが、逆が問題なのだ。なので、始めのうちは俺は風呂だけは絶対和に任せていた。でもそう上手くいかないのがDIDの難しいところだ。何故か和はリラックスをすると交代しやすくなるらしく、風呂は強制交代が起こりやすい事がわかった。そうして俺が出てしまうことが度々あるのだ。しかしありがたい事に、母は俺が出ていても嫌ではないと言ってくれた。俺も完全に「母親」として見ているので嫌ではない。その確認が取れてからは、極力和に入るようにしてもらい交代してしまったらその時はその時だ、と思うようになった。
どうやら俺が入る利点もあるようで、俺の方が長湯が出来るので体がしっかり温まる事、和より入浴に使う体力が少ないので風呂に入っても疲れない事などがわかった。それからは、和が疲れている時は安心して休んでもらうようにしている。
俺たちの食事事情と風呂事情はこんな感じだ。
次回は、俺が表に出るようになる前後の心境の変化について綴ろうと思う。




