俺が眠ってしまった日。
今回は、俺が眠ってしまった日の事を綴ろうと思う。
その日は午前に在宅で仕事があり、和が出ていた。午前の仕事を終え、母と買い物と役所に行く事になった。この時は、まだ俺も普通に起きていた。
事の発端は、役所に行った時丁度13時に館内で学校のチャイム音が鳴ってしまった事だ。学校のチャイム音は俺にとっては地雷のようなもので、フラッシュバックのトリガーなのだ。そこから俺はフラッシュバックを起こし、動悸や過呼吸になった。そしてそのまま眠りについた。
眠っている間の記憶は全くないので、ここから先は俺が目覚めてから和と母から聞いた話である。
俺が眠った後の和は、俺が眠っているおかげか顔つきも声も混ざっていない和だったという。(和が出ていても俺が微かに混ざる事が多い)それは本来、和にとっても違和感がなく、活動しやすい筈だ。実際俺は和が眠っている間、混ざる事はほぼない。おかげで俺は俺として安定していられる。だからこそ、好きな事をし自分の時間を謳歌しているのだ。
しかし、和は終始元気がなかったそうだ。俺の体調不良に引っ張られてしまったのだろう。加えて、この日は俺が目覚めるまで時間がかかった。いつもなら2~3時間で目を覚ますのだが、この日は6時間半もの間眠っていたようだ。それが和の不安を煽ってしまったらしい。きっと和はこのまま俺が目覚めなかったら、と不安になったのだろう。
そんな事とは露知らず、6時間半ぐっすり眠った俺は20時半に目を覚ました。「和、起きたぞ~」と声をかけた時の彼女の喜びようは俺の予想を超えていた。そして、「紘希起きた!よかったぁ!」と恐らく満面の笑みで母に報告をしていた。俺はそんなに長く眠っていたとも思っていなかったし、和がそこまで心配し不安がっているとも思わなかった。なんなら、俺のように自分の時間を楽しんでいるだろうと思っていたのだ。しかし母は、「紘希が起きてやっと和の笑顔が戻った。」と言っていた。和にも「起きないから心配したんだからね!」と言われてしまった。それでも和は「でも紘希が元気になってよかった」と続けた。
その日は和が出続け、14時間活動した。最長記録だ。しかしそれは俺が眠っていたからかもしれない。俺が起きた状態での活動時間は7時間半。いつも通りである。もしかすると、和が1日出続けられないのは頭の中で俺が活動しているからかもしれない。そんな推察をした。
3ヶ月前まで、和にとっては俺が居ないのが当たり前だった。その筈が、この3ヶ月で俺の存在は大きくなっていたようだ。それが治療上いい事なのかはわからない。それでも俺の存在が和の希望や安心に繋がっているのなら、俺にとってはやはりとても嬉しい事だった。




