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リアル異世界  作者: 紘希


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20/87

今の俺の役割。

 今回は、俺の今の役割を自分なりに考えて綴ってみようと思う。

 まず一つは、俺が生まれた時の記憶を持っておく事だろう。第4回『俺の話。』で綴った俺が生まれるきっかけになった出来事。それに関する(なごみ)の記憶は曖昧だ。本人曰く、「授業でお手紙を書いて、なんかわかんないけど怒られて、書き直させられた。」だそうだ。あの日何を言われ何を思ったのか、和の記憶には具体的なものはない。あっても、「書き直すのが嫌だった。」程度である。和の記憶の中で曖昧な部分は、今は俺の記憶となっている。この記憶は、和には渡したくないと俺は思っている。とは言っても、何故俺が生まれたのか、俺が持ってる記憶は何か、それについては気になるようでこのエッセイに綴った範囲の事は和も知っている。それ以上の事は、まだ伝えていない。それを知ったら和は耐えられるのか、耐えられたとして俺は統合してしまうのか、不安要素がまだ多いからだ。それに、和の記憶に残っていないのは『何を言われたか』だけである。その日の出来事全てを覚えていない訳ではない。ならば、あんな悪意の塊のような言葉たちをわざわざ思い出す必要などあるのだろうか。俺はその必要性を見いだせていない。

 二つ目は、和の代わりにその場を黙って乗り切る事。何か身の回りで問題が起きた時、和は納得するまで引き下がれない。もしくは思考停止してフリーズする。そんな時が俺の出番だ。何か言いたい事があるけど言えない時やキャパオーバーしてフリーズした時、俺は代わりにその場をやり過ごす。

 三つ目は、和が疲れた時に代わりに表の事をこなす役割だ。今までの二つは俺が生まれた時からの役割だが、ここからは表に出るようになってからの役割だ。

 何か和の精神に負荷がかかったり、あるいは何もないけど疲れた時、俺に交代する。要は、和の休息タイムのサポートである。サポートと言っても、俺は表に出ている間は好きに過ごしている。最近はもっぱらこのエッセイの執筆をしているし、好きなコーヒーも飲む。そうやって和が休んでいる時間を活用して俺の人生を謳歌しているので、和の為と言いつつ自分の為だったりする。

 四つ目は、常に和の傍にいる事。和の中に俺は存在しているので当たり前と言えば当たり前なのだが、和にとっては重要なようだ。和は一人を怖がる。そんな時、俺が居る事で「二人」になる。どうやらこれが和にとっては安心材料になるようで、少しの間であれば留守番も出来るようになりつつある。(長時間の留守番時は俺が出る事もある。)

 以上が今の俺の役割だ。しかし「役割」なんて大層な物言いをしているが、実際の感覚はただ「俺」として生きているだけだ。それが和にとっての助けになっているなら、俺としてはとても嬉しい事だ。

 こうやって俺たちは今後も共存していくのだろう。

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