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リアル異世界  作者: 紘希


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人格ごとの感覚の違い。

 今回は、人格によって変わる感覚の違いについて綴ろうと思う。

 俺たちは発達障害の特性で感覚過敏がある。しかしその症状の度合いは人格によって異なるのだ。

 例えば、(なごみ)は聴覚過敏の症状が強い。遠くの音などもよく聞こえたりするが、その場で鳴る音のすべてが同じ大きさで聞こえてくるので、音の取捨選択が難しい。その上、すべての音が俺よりも大きく聞こえているのだ。その為、人混みを怖がる傾向にある。

 その違いに初めて気づいたのは、俺が初めて大型ショッピングモールに行った時だ。その日は朝から俺が表に出ていた。初めて行く休日のショッピングモールの人の多さに驚いた。しかし俺にとって、雑踏や多くの話し声は怖がる程のものではなかった。だが、買い物の途中で和に交代してすぐ、和が怖がる理由がわかった。交代し内界に戻った途端、人々の足音や話し声が大きく聞こえてきたからだ。表に出ている時は全く気にならなかった音が耳に入ってくるようになった。その時、俺は初めて中と外で聞こえる音を比べる事ができた。直前まで自分が聞いていた音と内界で聞こえる音はまるで違った。

 内界ではその時表に出ている人格の視界が映るが、どうやら聞こえている音もそのまま聞こえるらしい。つまり、内界においては和の聴覚が完全再現されるということだ。それまで違いに気が付かなかったのは、表に出るまで俺にとっては内界で聞こえる和の聴覚が全てだったからだろう。その上、和が人混みに行く事はほとんどない。だから、長年内界で過ごした俺でさえ、人混みで和が何を聞いているのか知らなかった。初めて気付いた音の違いに、和が怖がる理由もわかる気がした。

 逆に俺の方が過敏な感覚もある。嗅覚だ。例えば、以前回転ずしに行ったエピソードを書いたが、そこでも差があった。和はマグロやはまち、サーモンなどを美味しく食べたのに対し、俺は味自体は美味しいのだが魚介特有の匂いが苦手だった。その為、俺が美味しく食べれたのは匂いの少ないボイルエビだった。

 ついでに言うと、味覚も違う。以前書いた通り、俺はコーヒーがとても好きだ。ブラックでも飲む。一番好みなのは無糖で少しミルクを加えたものか、ミルクなしの微糖だ。しかし和は基本的にコーヒーは飲まず、飲むとしたらミルクと砂糖をたっぷり入れたカフェオレだけ。飲み物一つとっても好みはかなり違う。

 他にも、和は口の中で味が混ざるのが苦手で一品ずつしか食べない。(白米とおかずなどは比較的大丈夫)しかし俺は、いわゆる三角食べができる。俺は口の中で味が混ざるという感覚はあまりないのだ。

 このように、人格が変わると様々な感覚が変わる。似ている部分も存在するが、やはり違う部分も確かに存在する。何故そうなるのかは、「人格が違うから」としか説明が出来ない。こういった点も、この疾患の解明されいない不思議な所だろう。

 次回は人格ごとの身体機能の違いについて綴ろうと思う。

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