Lost
僕が門の探索をし、その間にノアが門を破壊していく。確かに合理的な作戦だ。
「キヨはここにいるからいいけど、ルークにはもう護衛はつけてあるの?」
ノアがアラミスの方を見ながら問いかける。
「ええ、既に1名にはなりますが。ルークの見守りとしてつけてあります。」
「そう、けどキヨもルークにもまだ1人で扉を開ける力はないはず。まだ使えない鍵を敵は手元に置きたがるかしら。」
「万が一ということがあります。それに、何かしらの方法ですぐに開ける方法があるかもしれませんしね。」
アラミスはノアの方を微笑みながらも、少し鋭い目つきで見ている。この2人仲が悪いのか。ここは僕がなんとかしないと。
「とりあえず、今後の方針としては門の破壊と探索だね。今日はもう遅いし、詳しい話は明日にしよう!」
僕はこの緊張感の走る空気をなんとかしたくて、手を叩きながらそういった。
「そうしましょう。」
おやすみなさいとアラミスが先に部屋を後にした。僕も部屋へ向かおうと椅子から立ち上がろうとすると
「1年よ。」
ノアがそうつぶやく。僕は意味が分からなくて、首をかしげた。
「多く見積もってあと1年。1年経てば、あなたもルークも門を自由に開けることができるようになるはず。なんならルークの方が早くできるようになるかも。」
あと1年、できたら僕らがその力を手にするよりも前に門を全部破壊し、的を未来に送り返したいところだ。
「わかった、ありがとう。僕、頑張るよ。」
「忠告しただけよ、おやすみ。」
「うん、おやすみ。」
僕は布団に入り、少し考え事をしていた。今まで誰も破壊することができなかった門を突然現れた女の子が破壊してくれた。けど、彼女はなぜ破壊できるのだろうか。確かにノアの力は強い、だけど‥‥‥考えていても仕方がない彼女は門を壊せる。その事実だけを受け止めることにした僕は考える事をやめた。そして静かに眠りについた。
「大変だよー!!」
何事だ。その大きな声で僕は目覚めた。
部屋を出るとアラミスにしがみついている女性がいる。格好からしてゲートキーパーか?
「どうしたの?」
僕がそう尋ねると彼女は眼を潤ませながら振り向いた。
「あなたがキヨ?本当にごめんなさい!」
突然謝られて困惑している僕にアラミスが状況を説明してくれた。
「キヨ、朝から騒がしくしてしまい申し訳ありません。彼女はオリヴィエ。ルークの護衛についてもらっていた者です。」
この人が、、泣きそうな姿をしているからかとても護衛をしている姿が想像つかない。
「オリヴィエ、何があったか落ち着いて話して。」
「えっとね‥‥‥」
オリヴィエはルークの護衛として外から家を見張っていたらしい。今朝はルークがポストから手紙を取り出し、読む姿は確認できたようだ。しかし、オリヴィエに近づいてきた野良猫に気を取られ一瞬眼を離すと、家の中からルークの姿が消えていた。時間的に家から出ることは不可能と考えたオリヴィエは、家の中に入りくまなく探したがルークは見当たらなかったとのことだった。
「本当に、本当にごめんなさいー!」
「謝っていても仕方がない。すぐにルークを探しに行こう。」
「でも、どこに?家からでてはないんだよ。」
アラミスがルークの行方を考えている。
その時、僕は思い出した。
「地下通路‥‥」
「キヨ、なんといいましたか?」
「地下通路かもしれない。万が一のために家には地下通路を使って外へ向かったんじゃないのかな。」
「しかし、なんのために。それでは後をつけられないようにしているとしか。」
「とりあえず、僕の家へってみよう。」
僕はアラミス、オリヴィエと共に自宅へと向かった。




