brother
「兄さん、お帰り。あれ、その人は?」
家に帰ると2つ下の弟が迎えてくれた。
「ノアっていうんだ。今日、待ちでたまたま会った子だよ。彼女、怪我をしてしまって僕の部屋に救急箱を持っていってくれるかい。」
「任せて、兄さん。」
僕の部屋にノアを運ぶと
「あなた、弟がいたのか」
「ああ。」
「あまり似てないのね。」
「よく言われる。すごく良い子だよ。ルークって言うんだ。」
ドアをノックする音が、聞こえ、扉を開けるとルークが扉の前に救急箱を持って立っていた。
「はい、兄さん。しっかり手当してあげてね。ノアさん、お大事にしてください。」
「あぁ。ありがとう」
「弟くん、優しそうな子ね。」
「うん、自慢の弟だ。」
ルークが持ってきた救急箱を渡して、彼女方を見ていると
「いつまでこっちを見てるんの。そんなに見られていると、傷の手当てをしづらいんだけど」
僕は顔が熱くなった。彼女が怪我をしたのは腹部で決してやましい気持ちなどはないが、自分が手当をする気でいた。
「ごご、ごめん。配慮が足りなかったね。」
彼女と僕は背あわせの状態で話を続けた。
「それで、あなた時の一族の末裔だったんだな。あのとき、キヨは私を助けるために時を止めたのであってる?」
「うん。僕は時の一族の血を引いている。けど、僕の力はまだ発展途上だから、時間を止めれてもせいぜい5秒程度なんだ。」
「その5秒に私の命は救われたんだよ。ありがとう。」
「そんな、お礼を言われるほどのことじゃないよ。そういえば、あのラストっていう子とノアは知り合いなの?」
少しノアに動揺が見られた。
「どうしてそう思ったんの。」
「彼女、僕の名前をすごく聞いてきたけど。君の名前は聞かなかった。だから、もしかして知り合いなのかなって。」
少し間が空いた後に、
「昔、少しね‥‥」
と彼女はつぶやいた。これ以上、ラストとの関係について聞かれたくないのが伝わってきた。
「それはそうと、門の破壊のことなんだけど、どうする?あそこにまた行っても、あの子がいるんじゃ、門は破壊できないよ。」
「きっと大丈夫よ。彼女はもうあそこにはいないはず。捜し物は見つけたようだから。」
少しうつむきながら彼女はそう答えた。捜し物、、あそこにそんなものはあっただろうか。ものではなく、人?もしそうだったら、僕のことなのだろうか‥‥確かに僕は、時の一族の末裔で門を開ける資格がある。だけど、門を開けるには強い力が必要だ。僕にそんな力はない。そして、ラストの目的は門を開けることなのか。門が開いたのは数千年前のことで実際に門が開くと何が起こるのか僕にも分からない。僕が悶々と考えているとそれを遮るかのように
「明日、もう一度、門の元へ行こう。今度こそ、あれを壊す。」
とノアが告げた。




