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Pastime  作者: ash
4/12

introduction

強い。この眼帯の女は強い。

「もう誰も来ないから。待ちくたびれたじゃないの。あなたは私の待ち人かしら?」

やけに友好的に話しかけている眼帯の女に反して、ノアからは緊張した空気が伝わってくる。話す余地はない、ここで戦うといった様子だ。

「おまえと話すことはない。今すぐここを立ち去れ。」

「つれないこといわないの。怒るとかわいいお顔が台無しよ。」

その瞬間、ノアの目の前に眼帯の女が剣を抜いて迫っていた。ノアも剣を抜き、その攻撃を防いだ様に見えた。が、赤い血しぶきが僕の目の前を塞いだ。

「ノアッ」

「大丈夫よ。少し油断したけど、浅い傷だから。」

急所にはなっていないようだが。それでもノアの腹部から血は流れ出ている。このまま、長期戦になったらこちらに分が悪い。

「あなたが連れている、僕のことは私には紹介してくれないのかしら。」

「誰があなたに紹介するもんですか。この人は、私をここまで案内してくれただけよ。」

「冷たい子。まぁいいわ。あなたを殺してから、自分で聞くわ。私の名前はラストっていうの。そこの僕、よろしくね。」

そういいながら、ラストは眼帯に手をかけ、隠していた眼をあらわにした。隠していた左目は、右目の黒い瞳とは異なり、赤く光っていた。その瞳が、ノアを見た瞬間、ノアの動きが止まった。ラストは刀を片手に、ゆっくりとノアに近づいていく。

「ノア、逃げろ。このままじゃ殺されるぞ。」

ノアに呼びかけても反応がない。あの瞳なんだ。あの眼にみられてから、ノアの動きがおかしくなった。理由は分からない、けど、このままじゃ目の前でノアが死んでしまう。友達と言って良いのか分からない。今日であっただけの、ほんの少しの付き合いだけど、彼女を失いたくない。僕の身体は自然とノアを助けようと彼女方へと駆け寄っていた。ラストがノアに剣を振りかざそうしている。

「やめろーっ」

そう叫ぶと、僕の視界は光に包まれ、間に合わないと思われた僕の手はノアの身体へと届き、ノアの身体に新たな傷がつくことはなかった。

「あなた、時の一族の末裔ね。なるほど、そういうことね。」

ラストがそうつぶやいた。ノアも僕の方を見て、少し驚いたような顔をしている。

「今日のところはこれでいいわ。いいことが知れたし。あの人に言うとおり、待ち人にも会えた。そこの僕、今度あった時は名前、聞かせてね。」

そう言い残すと、ラストはどこかへ言ってしまった。


「あなた、時の一族の末裔なの。」

ノアが詳しく聞かせろと言わん顔で尋ねてくる。

「そのことは、いずれ話そうと思っていた。その前に、君の傷の手当てをしよう」

ノアに肩を貸し、手当をするために僕の家へと歩き始めた。


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