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プロローグ
「はぁっはぁっはぁっ」
母さんの荒い息が聞こえる。一体何が起こっているんだ。出血しているからか、全身が冷たくなっていくのを感じる。そんな僕を死なせまいと母さんは治癒魔法をかけている。もういいんだ、母さん、僕は大丈夫だから、、、
「か、あさん。もうにげ、て、」
もうだめだ、自分は助からないことは分かってる。だから、せめて母さんだけでも。母さんは優しく微笑んだ。次の瞬間、まばゆい光が僕の目の前に広がり僕は意識を失った。
そして、目が覚めると全てが終わっていた。僕の腕の中に、冷えた母さんの体が横たわっていた。