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桃田太郎の奇妙な一日  作者: アキラ
6/14

6!一日目完結

前回までのあらすじ!


「一緒に森へ帰ろぉ  トトロぉ」

ぼっちキャンプは嫌との友人の悲痛な願いに引きずられキャンプ地へと旅立った桃田太郎

川で遊ぶ子供を見つけると注意深いハンターのようにその水位が小学生の足首までであると見極め、果敢に攻める!

しかし残念!

下にマンホールでもあったの?というくらい全身ザボンとダイブする!

あれよあれよどんぶらこ、と異世界へ

そこで助けられ、出会いましたは魅力的な美男子ヌイ、シャル、キイチ

彼らの優しさで不安な心を癒していた太郎であったが思春期のジャックナイフが無情にも安寧を引き裂いた

(「━━━━━━━━ねぇ、ぼくらとキスできる?」)


訳「敵意がないことをぼくらに示せる?━━ああ、もしかしてこの国の挨拶の作法がわからない?スパイなの?」


              タロウはこの疑惑をどう乗り切るのか!!

___________________________________________


確かに!確かに不審者の自覚はあるさ!でも仕方がないじゃないか!


僕、異世界から来ました


なんて言えないんだから!

僕はスパイじゃないのに、皮肉にも今求められているのは一流スパイのごまかしテクニック!

スパイ業界ってのはジャガイモの食べ方ひとつでクビになる厳しい世界なのに!プロフェッショナルなのにぃぃ!


しかしちょっと追い詰められたくらいで聞かれてもない身の上話をして逮捕フラグを立ててたまるか!

要は正解のキスにたどり着けばいいだけだ!考えろ!


男同士でも挨拶のキスする地域って過去が物騒だったから恭順の意を示すために頬にちゅっちゅしたり唇にぶちゅーっとするんでしょ

おじさん同士でも。むしろおじさん同士だからこそ、後ろめたいことがないと証明しなきゃいけないわけだ…

これ頬にする場合ってどちらから行うかで上下関係とかあるの?

一対一の名刺交換では目下から行うよ!なのに複数での交換だと目上からだよ!マナーっていうのはひっかけ問題ばかりだ!


僕が挑発を受けて立つとは思っていなかったのか、呆気にとられたように空気がそわりと緩む。

何故だかとてもそわそわした雰囲気だ。

シャルの緩くなった拘束をほどき、するりと丸椅子の上で体を反転させ向かい合う。


嘘をつくとき男は相手から目をそらし、女は逆に目をとらえる。

うろ覚えの知識だが、この逆を行えばいいわけだ!


「あのですね、実は僕、普段はメガネなんです。川で溺れたときにメガネが流されてしまったようで…」

    

 僕はシャルの目をじっと見ながら噓を紡ぐ


「距離感がつかみにくいので、シャルさんからキスしていただけませんか?」


ぎゅっと目を閉じる。

完璧だ!

じゃあ仕方がないよねってなるやつ!

マナーは正しくできてる人をカンニングして覚えることが多々ある。大人の処世術ってやつだ。

さぁシャル!正解を教えてくれ!全力で前から知ってましたって顔して返すから!できれば口はやめて!

ほっぺ!ほっぺ!

目をつぶりながらほっぺコールを繰り返すも……遅くない?目を開けるの怖いんだけど、このままはもっと怖いよ?


うす目を開けたのと、シャルが顔を近づけてきたタイミングが重なり至近距離でうっかり目が合う

あっやべ

そう思った瞬間すぃっとシャルの顔が正面から逸れ 頬に一瞬柔らかいものが羽の軽さで触れ ばっと離れた。

背後で失笑めいた鼻を鳴らす音が聞こえた。

正面のシャルは真っ赤な顔を隠すように離れると「僕もう帰るけどちゃんとご飯食べさせてもらいなよ!!!!」


早口でまくし立てるとものすごい速さで玄関のドアから出ていった。スリッパのまま…。

バァーンと開け広げられた扉にキイチ先生がガラスが割れたらどうするんですか!開閉は丁寧に!とお小言をこぼす。


あーーー、半目を至近距離じゃ笑うよな~ごめんシャル。


目の前で美少年に変顔を爆笑されたら流石にへこむから、挨拶を返せなかったけれどシャルの気遣いに感謝しかない。

この世界の挨拶は頬にキス。知ってたけど?何か?よし!


「俺も戻る。明日また来る」

「あっはい!今日は本当にありがとうございました!」

背後にいたヌイさんがキイチ先生の隣からゆったり近づいてくる。

先ほどまでの殺伐とした雰囲気は僕が挨拶のキスを問題なく行ったことで疑惑が晴れたのか、霧散していた。

さあ!今こそ完璧なマナーを披露するのだ!

きっと、このタイミングで頬にキスだろ!スマートだね!

立とうとした僕の両肩にヌイさんのごっつい手が置かれる。意図が理解できず片方眺めているとその手が顔に迫ってきた。

僕の顔はまん丸に大きいと思ってたけど、ヌイさんの手が大きいから今だけ小顔に見えるかも。

バスケット選手の手の中ではボールが小さく見える現象だね。

ふふっと笑ったタイミングで上を向かされ


     ガブッ


口をかまれた


「なーーーーーーーーーーーー!!!に!を!!!!!」


絶叫とともに銀色に光る何かが飛ばされたのが目の端に映る。

ヒュンっと空気を切り裂くそれがなんであったかは…

「おやすみ」

悪役然と笑いながら、ひらりと振ったヌイさんの手の中でもてあそばれるダガーナイフで明らかになる。


恐ろしく似合う


しかしそれを平然と投げた犯人は僕の傍に残るのだ。おおお、恐ろしい。

インテリ眼鏡だと油断していた。忘れちゃいけない、ここの人たちバトル漫画みたいな身体能力なのだ。

そりゃ口だよ!唇にぶちゅーどころか、がぶーだよ!されるがまま絶対服従を示すよ!現在進行形で物騒な世界なんだから!

敵だったら殺せの倫理観!

僕は敵じゃない!

僕はスパイじゃない!

注意深く生き抜け僕!

失敗は許されない!


幸いなことに僕は鈍感じゃない。他人の心の機微に疎くては、この体形で17年いじめと無縁でいられるわけがない



「信じられない!野蛮人!品がないにもほどがある!」ヌイさんへの文句を延々と吐き出しながら玄関周りを整えているキイチ先生。

あっ塩撒いた。

こういう情報もとても大事だ。


ふむ、さっきのは先生のマナー的に不正解なのか?結局何が正解なの?

あ、挨拶だけど医者的には衛生面が気になって個人的に嫌とか?口の中って菌がすごいらしいからね。

「あの…、先生にはしない方がいいですか…?」

小さく手を挙げながら質問してみると、本当に面白いほどぴたりと文句が止まり動きも止まる。

ギギギ…っと音が聞こえそうな動作で先生が所在無げに立っていた僕の傍に来て、膝をついた。


「わた、私は……あのような振る舞いは感心できません。タロウには安心して生活して頂きたいと考えており…嫌だったら嫌と言える環境を用意するのが真っ当な紳士の姿であると」


誠実さが伝わってくる生真面目さに、彼だったら伝えてもいいだろうかと

僕も真摯に心の内を明かす


「良かった。挨拶のキスってどういうタイミングでするのか、よくわからなくて」

会った時と別れる時ですかね?

へへっと自分の無知さを照れ笑いでごまかしながら訊いてみる


「そんなのすべての挨拶時に決まってるじゃないですか。挨拶することは大人のマナー。当然のことです。背の高いものから行い、それに返す。それ以外ありません。タロウが自分からしてはいけませんし、ねだってもいけません。二人だけの時に行うのが望ましいですね。ああ、このあと夕食にしますから、いただきますの挨拶があります。まずはこの家に迎え入れた、ようこその挨拶からはじめましょうか」



早口で挨拶の重要性、大切さを説かれ 両頬にキスが贈られた






攻め視点でそれぞれの一日をやってから二日目にいきたいな。

打つのめっちゃ時間かかった!楽しかったけど小説書くのって難しいね!

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