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“蛇に睨まれた蛙” は私はこの男から、逃げたくても逃げられない!

作者: 七瀬








私はとんでもない男に目を付けられる!

ことわざで、“蛇に睨まれた蛙”私はこの男から逃げたくても逃げられない!

私は完全にこの男の囚われの身となった。




『“俺はどんな事があっても、お前を手放す気はないからな!”

そんな事、言葉にして言わなくてもお前なら分かるよな。』

『・・・ううん、』

『お前は頭がいい! 俺がいちいち説明しなくても、よーく理解して

いると俺は想っているんだよ。』

『ううん、』

『お前は俺から、絶対に離れられない! 俺の言ってる事が分かるだろう?』

『うん、』

『お前はずっと俺の傍に居る! 俺の傍から片時も離れる事はないと

俺は信じてるよ!』

『・・・・・・』

『どうした、返事は?』

『ううん、』






呪文のように毎日、私はこの男からそう言われ続けている。

最初は、何を言っているのか正直私にはよく分からなかった。

その時の私は、いつでもこの男から離れられると信じていたからだ!



・・・でも? “それが不可能だと心底この男に思い知らされる!”



『お前さ、何俺から逃げてんの? 逃げれる訳ないでしょ!』

『なんでよ、私は他に好きな男性が居るのよ。』

『ああ~あの男ね! 俺が懲らしめてやったら、もうお前に会いに来る

事はないとあの男は俺に誓ったよ!』

『・・・な、何を言っているの?』

『因みに、お前の両親にも俺が勝手に会いに行って俺がお前をどんだけ大事に

してるかを熱く語ったら? 泣いて喜んでたぜー!』

『な、なんてことを、、、!』

『“お前は俺だけのモノだ! 誰にも渡さない!”』

『なんでこんな事をするの?』

『“なんでって、俺はお前を愛してるからだよ!”』

『“こんなの愛じゃない!”』

『愛にはいろんな形があるだろう、俺の愛は歪んだカタチをしているだけだ。』

『私は貴方の事なんか、好きでも何でもない!』

『・・・今はな、今はそれでもいい! でも直ぐにお前は俺の事を好きに

なるよ! 何の心配もない!』

『もうやめて! 私を自由にさせて!』

『“籠の鳥が何を言うんだ? 俺がお前を支配する!”』

『もう、やめてーーーー!!!』

『俺が唯一! お前を自由にできる男だとお前は心底知らされる日が来るよ!』

『・・・・・・』

『さあ、はじめるぞ!』

『えぇ!?』

『この部屋が、今日からお前の部屋だ!』

『・・・・・・』








彼が今日から私の部屋と言って閉じ込めた部屋は、、、?

ごく普通のワンルームマンション下に地下があり、その部屋は4畳半の

小さな部屋だった。

私はその部屋に一日中、監禁される!

狭い部屋に布団と折り畳み式の簡易トイレが置かれていた。

ご飯は一日2食、朝はパンとミルクのみで晩はハンバーグやカレー

など、この男の機嫌がいい時はステーキやすき焼きも出てきた。

ただ最悪なのは、この男の仕事が休みの日だ!

一日中、この狭い4畳半の部屋に二人で過ごす。

この男は嫌がる私の体を触れ、そのまま押し倒しコトを済ませる。

“私は一体? 何時になったらこの男から解放されるのだろうか?”









・・・私は死ぬまでこの男とずっと一緒なのかもしれない!
















 *













『“僕の彼女がこの男に攫われて! お願いです、直ぐに探してください!”』

『君は彼女のなんなんですか?』

『“いずれ彼女と結婚をしようねって約束し合った男です!”』

『この男は、今何処に、、、?』

『彼女が居なくなる前に、この男の住んでるマンションを教えてもらって

います! 今すぐにでもその場所に行って彼女を、』

『君の言いたい事は分かった! でも計画を立てて彼女を救わないと、

彼女の身の危険もある!』

『・・・あぁ、そ、そうですね、』

『“大丈夫! 我々警察に任せておけば、彼女を無事に助け出しますよ!”』

『ありがとうございます、』

『先ずは、この男の行動を調べないと。』

『はい!』


 





・・・こうして、“彼のおかげで私はあの狭い部屋から半年ぶりに外の

世界に出られる事になった!”



『ありがとう。』

『あぁ、君が無事で良かった。』

『正直、心も体も疲れ切ってしまった! だから今は実家に帰って

ゆっくりするつもり。』

『そっか、家族の元なら安心だね!』

『うん。』

『じゃあ、また!』

『ううん、じゃあまた!』







・・・彼と会うのは、あれっきりになった。

あの男とも、あれから一度も会ってはいない!


最後まで読んでいただいてありがとうございます。

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