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ボーンライフ  作者: ユキ
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決意

「たく、本当に強情なヤツだな。お前じゃ俺に勝てないんだがら、いい加減諦めて、大人しく俺の女になれって言ってるだろ」


 そういう勇者は下品な笑い方でルカの全身を舐め回す。


 勇者の手によりボロボロにされたルカの姿は大事な部分以外の衣服は破けており、勇者があえてそうなるように仕向けて戦ったようにしか思えない状態だった。


 その後ろには勇者の仲間であろう、嫌な笑みを浮かべてルカを見ている魔女っ子の格好をした女性と、興味なさげに頭の後ろで腕を組み、足で地面をイジっている挌闘着姿の女性、そして怒ったような表情で勇者を睨む僧侶の服を着た女性の三人が勇者の後ろに控えている。


「……グッ、誰が……お前なんかの……女になる、ものか」


 そんな勇者の言葉に今にも痛みで気を失いそうなルカだが、頑なに拒否する。


 その瞬間先程まで隣に居た筈のグラスが消えた。


 それと共に急にルカを蹴り飛ばした勇者は、突然勇者の目の前に現れたグラスの斬撃を腰の剣を引き抜き防いだ。


 蹴り飛ばされたルカはそのまま行き良いよく吹き飛び、何度か地面をバウンドしたのち、転がって止まった。


 肩で息をしている事から生きてはいる筈だが、その後起き上がる様子はない。



「キミ……何をしているの……かなッ!!」


 ルカの様子が気になるが、今は勇者達を何とかしないといけない。


 幸いな事に俺ははたから見たら唯の骸骨兵だ。

 しかもグラスが突っ込んで行ってしまったので、今は命令するものもおらず、ただ突っ立ってるだけの骸骨兵にしか見えないだろう。


 最初の一瞬こそ突然現れたグラスと入り口に居る俺を見て気にした勇者の仲間達も、今は目の前で繰り広げられているグラスと勇者の戦いに集中し、魔法を打ったり攻撃をしたりして何とか応戦しようとしている。


 ただそのどの攻撃も二人には全く当たる気配はなく、それどころか二人の動きをまともに目で捉える事も出来ずに魔法の光や戦闘音と思われる爆音が響くだけで、二人の戦いが自分達とは全く別次元の強さからくる戦いなのだと理解させられた。



 その戦闘を見ながら、吹き飛ばされたルカを助けに行きたい気持ちを抑えているが、相変わらず動かないルカに今にも飛び出して行きたい気持ちが募る。


 が、ルカの元へ向かった所で俺に何かが出来る訳もないし、逆にここでただ立っている今の自分の状態はもしかしたらどこかでこの戦いの好機になるかもしれない。


 今はただ、グラス達の戦闘を見守りつつ、ここぞと言う時に助太刀出来るように待つしかない。




「ははは、お前凄いな! この俺の攻撃をここまで凌いだヤツなんて初めてだよ。今まで倒した四天王とか言うヤツらよりよっぽど強いんじゃない? もしかし、魔王だったりする?」


「ははは、冗談はやめてくれるかな。魔王様は僕なんかよりよっぽど強いよ。僕はただの四天王ルカレット様の副官のエルフさ」


 戦闘を続けながらも二人は会話をしている。

 まだまだお互い余力が残っていると言う事だろうか。


 しかし、その考えは二人が離れ一息ついた時に吹っ飛ぶ。



 かたや、全身切り傷だらけで至る所から出血をし、左手は魔法を受けたのだろう、黒焦げになって最早動かす事は困難な程の怪我を負っているグラス。


 かたや、全くの無傷などころか汗一つかかずに涼しげに佇む勇者。


 どちらが劣勢かなど、一目でわかる程だった。



 どうやら勇者の会話は本当の余裕から来るものなら、グラスは意地で対応していただけのようだ。


 ただその間も勇者の仲間の魔術師が魔法をグラスに打っているが全て途中で見えない何かにかき消されている。


 俺もここで勇者を狙って魔法を打ったところで効かないだろう。


 他の仲間の僧侶はただ二人の様子を固唾を飲んで見守っているが、武道家の方は既に介入を諦めたのか、体育座りでボーッと見ているようで見ていない表情で見学している。



「お前良いなぁ、強いしエルフだし、男じゃなければ俺のハーレムに入れたいくらいだよ。……実は女の子でしたとかじゃないよね? 違う? 違うかぁ……マジで、惜しいなぁ。何よりエルフだし……性転換の魔法とかないかなぁ」


 ヤバい、真態が変態に狙われている。


 エルフを二回言う辺り、相当エルフに憧れがあるのだろう。


 ただ、相手は例え女性と見間違えてもおかしくない程の美形でも、正真正銘の男だ。


 別にそっちの趣味は否定しないが、グラスは変態の中の変態、真態だ。


 そんな真態をも狙う勇者とは……勇者は強さだけでなく、真態をも超える変態なのか!?


「ハァ、ハァ、ハハ……冗談じゃない、よ」


「ははは、冗談だよ。そんな魔法あるか知らないし、それならこれから世界中周ってエルフの女の子探した方が早いでしょ。だからお前はサクッと殺してあげる」


 この言葉から察するに、性転換の魔法があり、世界中を周ってエルフを探すのが大変ならやっていたんですね。


 グラスが変態の中の変態、真態なら、勇者は真態の中の真態、神態だ。

 同じ読みだが、その中身は全くの別物。

 ゴット・オブ・クズである!


 これからは畏怖の念を込めて神態と呼ぼう。


 睨み合う真態と神態。


 ん? 漢字が違くても読み方が一緒だとややこしいな。


 せめてシリアスな時はグラスと勇者に戻そう!



 俺が余計な事を考えている内に再び勇者が消え、先程まで苦しそうに肩で息をしていたグラスも同じように消えると再度戦いが始まった。


 ヤバいこのままだとあのグラスでさえ勇者には敵わない。


 何かないか!?


 何か!!




 ……そうか!


 俺は思い付いた作戦をすぐに実行する。


 無詠唱でのファイヤーボール三連発


 卑怯だって気にしない、相手にこれで少しでも隙が生まれるなら!


 俺は即座に発動したファイヤーボールを打ち放った。


 打ち放たれたファイヤーボールは狙い通り寸分違わない場所へと飛んでいく。


 勇者……の、三人の仲間に向かって。


 ドンッ!!!

「なっ!?」「うわ!?」「きゃ!?」


 俺の放ったファイヤーボールは見事に三つ共勇者の仲間達へと当たると、ファイヤーボールとしては考えられない位高威力だとルカに褒められた通り盛大な爆発を起こした。


「ッ!? ポリー!! コクー!! ルナーレ!! グハッ!?」


 そう、勇者に魔法を打っても無駄だと悟った俺は、ルカを自分の女にしようとしたり、グラスが女性だったらハーレムの仲間に入れられたのにと嘆いていた事から、こいつは典型的な俺つえーのハーレム勇者だと考え、それならば勇者の仲間を攻撃すれば隙が生まれるのでは? と実行したのだ。


 そして案の定、勇者に出来た隙にすかさず魔法をぶち込んだグラスは、すぐにルカの元へと飛んで行って治療を始めた。



 これでルカは大丈夫だな。


 だが、流石勇者だ、吹き飛ばされた先で直ぐに立ち上がると、今だに爆煙が立ち上る仲間がいるであろう元へと一瞬で移動して安否を確認する為風魔法で爆煙を吹き飛ばした。


 すぐにこちらへ反撃されると思い、魔剣クレットを構え待っていた俺だったが、勇者のその行動に一瞬気が抜けたが、ルカの治療の時間を少しでも稼ぐ事が出来たのでラッキーだと考え、またいつでも勇者が来ても良いように別の覚悟もしつつ構え続けた。


 こんな時の勇者の反応なんて大概決まってるからな……。



 爆煙が吹き飛ばされたその場には黒焦げでピクリとも動かない魔法使いと、体のところどころが焦げ、肩で息をしている武道家、直前に気付き防いだのだろう、額に汗をかいているが無傷の僧侶がいた。


 そして勇者はすぐに状況を確認すると魔法使いの元へ走り生存を確認する。

 僧侶もまたそちらへ向かうと、すぐに勇者に何か伝え回復の呪文を詠唱しだした。


 勇者が近くにいた武道家を抱えて来たことから回復の為運ぶように伝えたようだ。


 魔法使いが一番重症なのは直前まで自分の攻撃に夢中でこちらの魔法に全く気付かずまともに直撃を受けたからだろう。

 勇者がグラスに言いよっててかなりご立腹みたいだったからなぁ。



 そして黒焦げになり治療魔法をかけられているがピクリともしない魔法使いを見た俺は、とりあえず頭の片隅に追いやり考えないようにしていた現実を突きつけられた。



 戦場で沢山の命を奪ったこの手の感触と死んでいく最後の相手の表情。


 あの時はまだ命令され、勝手に体が動いてやった事だからまだ……マシだ。


 だが今回は、誰かに命令されたのではなく……自らの意思で魔法を放ち……その結果……人を傷付けた。



 いや、現実から逃げてもしょうがない。



 あの状態で生きてる方が難しいだろう。



 そう、人を自らの意思で。



 殺したのだ。



 その事実に嘔吐しそうになる錯覚に襲われたが、そんな事が出来る訳ない。

 何故なら俺は、骸骨兵なのだから。



 それに俺はもう決めたんだ。


 俺たちを守る為に、勝てないとわかっていても勇者と戦い、こんなに傷ついてもなお挑み戦ってくれたルカの友達として、例えそれが同じ人を殺す事になっても……卑怯だろうと罵られようとも、俺は何があってもルカを守ると。



 ……この命に変えても。



 だってそうだろ。



 仲間が傷付いた時の勇者の反応と言ったら、急激なパワーアップと相場が決まってる。



 すると先程まで僧侶の後ろで治療を見守っていた勇者がこちらを振り返ると、怨念の籠った目でこちらを睨み叫んだ。


「骸骨兵如きが、俺の女達に何してくれてんだぁ!!」


 そこは女じゃなくてせめて仲間と言っとけよ。


 俺のそんなツッコミも虚しく、その瞬間爆発的に膨れ上がった魔力は、本来見えない筈の魔力を可視化させ、オーラのように勇者の周りを荒く弾け回る。


 そして次の瞬間、一瞬で消えたかと思うと目の前に現れた勇者は振りかぶったその右手で俺の胸に殴りかかってくる。



 俺もいつでも戦えるようにと魔剣クレットを構え、身体強化で目を強化していたので、咄嗟にその拳に合わせて刃を入れる事が出来た。


 いくら勇者と言えど、生身の腕にこのルカの自称「多少は斬れ味も良くなってる」で明らかなオーバースペックな切れ味を待たされた魔剣クレットの前では紙屑も同然だろう……と思った時が俺にも少しだけありました。



 あろう事か、勇者はその生身で放った拳が斬られるどころか、魔剣クレットを拳で砕くとそのまま俺の右肩を粉々に粉砕したのだ。


 その剣圧で吹っ飛ぶ俺の体。


 宙を舞い、地面に当たるとゴロゴロと転がり上も下もわからなくなる。


 そのまま転がり続けてようやく止まったが、転がっている時に四肢の骨はその勢いで粉々になり、その四肢を捨て、何とか魔力強化で守り残された体と、少し離れた場所に転がった頭蓋骨もかろうじで残っているだけでどこもボロボロだ。


 また先ほどの勇者の拳は魔剣クレットのお陰で、勇者を斬れはしなかったまでも、何とか胸への攻撃の軌道を変える事が出来たので致命傷にはならなかった……が、コアへのダメージは無傷とはいかず、徐々に魔力が流れ出て行くのを感じる。


 どうやら俺の命もここまでのようだ。


 勇者はと言うと、先程鍛冶場の馬鹿力的な攻撃をしたせいか、地面に膝を付き、肩で息をしていて直ぐには動けなそうだ。


「ハッ……ざまーみろ」


 ルカの報いを受けさせられたと感じた俺は、自然とそんか言葉が漏れ出て来た。


 しかし、その言葉に反応したのか勇者は突然立ち上がった。


 ヤベー、調子こいたせいで更に怒らせたか!?


 でも俺にとどめを刺す為に勇者がこっちに気を取られれば取られるだけ、ルカの回復が出来る筈だ。


 そう思いグラスが向かったルカの方を見る。




 しかし、俺の思いとは裏腹に、そこには額に汗を滲ませ必死にルカへ治癒魔法をかけるグラスの姿と、いっこうに体の傷が治る気配の無いルカの姿があった。


 どうしてだ?


 どうしてルカの傷が治らない?


 そもそもルカは魔力により不死身の如し治癒力を持っている吸血鬼だ。


 以前魔術師達が話しているのを聞いた事があるが、ルカはその治癒力の高い吸血鬼でも始祖と呼ばれる存在で、その能力は普通の吸血鬼とは別格で重傷を負った次の瞬間には完全回復している程だと言っていた。


 なのにどうしてルカは俺たちが来た時傷を負ったままだった?


 疑問と不安が次々と湧き上がって来るが、先程まで突然立ち上がったがそのまま動かなかった勇者が、何か独り言を言っていたようで、その声は段々と大きくなりこちらまで聞こえる程になっていた。


「……りを……せば………だ。


 …わりを…がせば……んだ。


 かわりをさがせばいいんだ。


 代わりを探せば良いんだ!


 そうだ、そうだよ! 僕は、いや俺はこの世界を救う最強の勇者様だ! この世界には代わりの女なんていくらでもいる! 取り巻きの一人や二人死んだところで、代わりを探せば良いんだ!」


 ヤベー、怒ったんじゃなくてイッちゃってたんだ。


 でも、コイツの言っている事も一部事実だからタチが悪い。


 おそらくコイツに勝てる可能性があるとすれば魔王様位だ。


 そう最強と言っても過言ではないのだ。



 そんな狂った俺つえーハーレム勇者はある程度自分に独り言で言い聞かせる事で落ち着いたのか、突然独り言をやめると今も頑張ってルカを治療するグラスの方を見て喋り出した。


「まだやってたんだ。無駄だよ。勇者である僕の攻撃には聖なる魔力が宿っている。聖なる魔力は魔族の治癒魔法を阻害する。更にそこの四天王は吸血鬼だよね。吸血鬼は治癒力がずば抜けてるけど、聖なる攻撃によりその治癒力は阻害されて殆ど機能しなくなるって教会の一番偉いジジイが言ってたぜ。だからそこの死にかけの女吸血鬼を治したければ人族の僧侶だけが扱える回復魔法で治すしかないって事」


 そうだったのか。


 通りでルカの傷がいつまで経っても塞がらない筈だ。


「だがら、大人しくその女吸血鬼、こっちに渡してくれるかな? 悪いようにはしないよ? 丁度俺のハーレムの一人が、もうどれだがわからなくなったけど、そこら辺に転がってる骸骨兵に殺されちゃった所だからね」


 なっ!? 証拠にもなくコイツは……これだけルカを痛め付けておいて、まだルカを自分のハーレムに入れようとしてたのかッ!!



 ルカを執拗に狙う勇者への怒りで、この時の俺には勇者の魔法使いが死んだ事実が頭に入って来なかった。


 もし気付いていたら、また覚悟が揺らいでたろうから良かったと思う。



 ヤバい、コイツに対面してまだ数十分しか経ってないけど、俺の中の嫌いな奴、堂々の一番になりました。


 コイツは絶対いつか殺す!


 だから俺はこんな所で死んでなんていられなくなった!


 この薄ら笑いを浮かべているクソ勇者の鼻をなんとかもう一度、今度は涙目になるくらいあかせないだろうか。


 その間にも徐々にルカ達の元へと歩み寄る勇者。


 しかしそんな勇者にグラスは反応する事なく、ひたすら治癒を続けている。


 クソッ! 動け俺の体! 何でこんな時に腕も足も一気に全部無くなるんだよッ!!


 手も足もない状況で何とか体を動かそうとするが、その場でジタバタするだけでまともに動く事が出来ない。


 そうだ! 骸骨兵の体は取れてもくっつく筈だ!


 そう考えた俺は取れた骨達を呼びよせるイメージでひたすら念じる。


 こい〜、こい〜、俺の手よこい〜。


 こい〜、こい〜、俺の足よこい〜。


 こい〜、こい〜、骨よこい〜。


 しかしその間にもルカの元へと向かう勇者。


 クソッ! いや、ダメだ! 焦るな! 念じるんだ! より強く、より深く! 魔力を乗せて!


 こい! こい! 骨よこい!


 こい! こい! 骨よこい!


 すると、俺の念が伝わったのか、周りの骨の破片がパラパラと揺れ始め、徐々にだがこちらへ向かって来た。


 よし! よし! もう一息だ!


 あれ? でも、俺の骨にしては大分量が多いような……。


 い、今は考えるな! とりあえず体を治す事だけを考えるんだ!


 こい! こい! 骨よこい!


 こい! こい! 骨よこい!


 徐々に近づいて来る骨達、少しずつだが失われた部分が戻っていくのを感じる。


 しかし、今のスピードでは治るまでに勇者がルカを回収してそのままこの場を立ち去ってしまう。


 もっとだ!


 もっと早く!


 何としても俺がルカを……。



 その時ある光景が頭の中に浮かんだ。


『ごめんね、クリス。辛いよね……今解放してあげるからね。……でもね、例え命令でお友達になってくれたのだとしても、クリスとお友達として居られた時間は、とっても幸せだったよ』


 これは……さっきルカが、俺を解放してくれた時の記憶。


 涙ながらに話すルカにただ放心する俺。


 そうだ、ルカは例え偽りの友達わかっていても、俺と居た時間を幸せだったと言ってくれた……。


 意を決した表情になるルカ。


『骸骨兵クリス十六世よ。契約者ルカレット・エレンシアが命じる。これまでの全ての命令を破棄し、以降は骸骨兵クリス十六世、自らを主とし行動する事を命じる』


 ルカの命令により一瞬ビクッと跳ねた俺の体はそのまま床へと倒れ込む。


 そんな俺を優しく抱き止めるルカ。


 しかし意識を失った体はバラバラになり、頭だけがルカの膝の上に乗る形になった。


 そっとルカの手により撫でられる頬。


 優しく微笑むルカ。


『ごめんね。クリス……。



 でも、クリスは絶対



 私が命に変えても



 守るから!!!    』



 そう言い残すと、覚悟を決めた表情で俺の頭をそっと床に置いたルカは駆け出しそのまま部屋を飛び出して行った。


 するとだんだんその記憶から遠ざかり、現実へと引き戻されていく。


 その状況を感じながら、俺は一人言葉を漏れ出て来る。



 は、は、は……。



 はは、は……。



 ハハハハハハハハハハハハハハハァ。



 そうだよ、最初からわかってた事じゃないか!



 ルカは誰かの為に命を張れる子だ。



 俺だけの為? 違う。俺も含めた大切な仲間の為だ!



 そんなルカを守ると決めた時から、俺は人知れず訓練も続けてきた!



 内緒で森に入って魔物を狩ったりもした。



 それは命令でルカの友達になったからじゃない!



 俺がルカを……ルカだけを守りたいと自ら考え決断したからだ!!



 でも、俺がルカを守るって事は、ルカが守りたい者も俺が守るって事だ!



 それなのに……。



 一番守りたいルカを今守れないで……。



 どうするんだぁぁああ!!!


 次の瞬間、俺の体は突然光出した。

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