表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ボーンライフ  作者: ユキ
2/196

現状確認と転送

 あれから体感で数日はたったと思う。


 最初は混乱していた頭もだいぶ冷静に考えられるようになり、今は自分の現状を確認中だ。


 あの後移動した先は最初の場所より更に広大で東京ドーム程はありそうな洞窟だった。


 そこには既に奥から何千もの骸骨兵が並んでいて、俺もそこに直立不動で並ばされている。


 ここで過ごす間に何度か新しい骸骨達が増え、今はこの広大な洞窟が骸骨でいっぱいになっている。


 体は動かそうと頑張っているが相変わらず一ミリも動かす事が出来ない。


 幸いなのは骸骨だからか、お腹が空く事もなく眠くもならない事だ。


 もし生身の体だったら今頃餓死しているだろうし、ずっと立っているのに疲れを感じない。


 ただ、鏡に映る姿は完全な骸骨なのに、筋肉も無いのにここまで体は歩いていたし、目や鼻、耳も無いのに視覚、嗅覚、聴覚はしっかり感じる。

 更に肌に感じる空気の流れや、地面の感触から触覚もちゃんと感じられるようだ。


 普通ではありえない体の状態からも自分が人外になってしまったのだと再確認し、また少し落ち込む。




 相変わらず自分が誰なのか思い出せないし、どうしてこんな姿になったのか、ここがどこなのかはわからない。


 でも本能で自分は骸骨ではなく生身の人間だったと確信しているし、生前?の知識で物の名前や使い方などはわかる。


 まあ、思い出せないものはしょうがないから考えるのはよそう!

 きっとこんな体にした不思議連中なら戻す方法もわかる筈!

 まずはこの体を自由に動かす事が先決だ!


 とりあえず、体よ動けえぇぇぇ!





 ……そんな感じで全く言う事を聞かない体を何とかしようと数時間頑張ってみたが、やはり一ミリも動かす事が出来ない。


 そんな時、突然地面が輝き出した。



 よく見ると地面に何かが描かれておりそれが光っているようだ。


 その光は次第に強くなり視界全体を覆っていく。


 そして数秒後、光が今度は次第に弱まり、ようやく周りを確認出来るようになるとその光景に愕然とした。


 先程までは広大な洞窟に居た筈なのに、今は目の前に広がる青い空と白い雲、青々と茂った草原、その先にはアニメで出て来るような石造りの塀で覆われた中世ヨーロッパ風の街が見えるのだ。




 ……いや、一つ見たくない重大な情報が抜けている。


 目の前には草原や街だけでなく、街と俺達の間に重装備で武装した数千人の兵士?達がこちらと向かい合っている。


 しかも突然現れたであろう俺たちに戸惑い立ち止まった為か、各々が剣を構えたり振りかぶり、今正に戦闘が始まり突撃する途中でしたといった格好て固まっているのだ。


 何で急に視界が変わったんだ!?プロジェクションマッピング?でもこのリアルと変わらない映像や、草の匂い、温度の変化は明らかに現実だし……てか、この状況はヤバいんじゃないか!?


 状況に混乱していると、後ろから何かを唱える数名の声がし、突然目の前の何もない空間に魔法陣のような物が光りながら浮かび上がり、そこから剣と盾が出現した。


 「勇敢なる骸骨兵達よ!武器を取り目の前の人間共を蹂躙するのだ」


 ルカレット様の命令で剣と盾を持つと目の前の武装した人間達に向かい歩き出す骸骨兵達、もちろん俺の体も同じく前進していく。


 先程までの混乱が嘘のようにただ目の前の人間を蹂躙する為に。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ