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ボーンライフ  作者: ユキ
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真態

 次の日、毎回料理を作ってもらってばかりでは悪いと思い、ルカが起きる前に簡単な朝食を作る事にした。


 キッチンに向かい、どんな食材があるかと冷蔵庫を開けたのだがそこであり得ない体験をする。


 冷蔵庫の中は真っ暗で何も見えないのだが、開けた瞬間頭の中に、冷蔵庫の中に何が入っているのかイメージが入って来たのだ。

 しかも使い方まで理解させてくれるオマケ付きだ。


 どうやらこの冷蔵庫は空間拡張と時を止める魔法がかかっており、体育館ぐらいの物が入れた時の状態で保存出来るようだ。


 冷蔵庫一つにどんだけハイスペックな魔法使っているんだよとツッコミつつ、先程使い方もわかったので試しに卵二つと思い描いて手を入れてみると何かを掴んだ感触があり、取り出すちゃんと卵が二つ持った状態で出て来た。


 感心しつつも、ルカが起きる前に料理の支度をしてしまいたいので、他に必要な食材を取り出し料理の準備をする。


 食材も準備が出来たので調理する為にコンロを使用しようすると何故だが体内から魔力が吸われる感覚があった。


 また、トースターを使用する際も同じく魔力を吸われる感覚がある事から、どうやらこの世界の調理器具使用者の魔力を使用し動かすようだ。


 ちなみに冷蔵庫は魔力を保管する機能もあるので毎回入れる必要はないようだ。

 冷蔵庫だけハイスペックすぎない!?


 とりあえずどの調理器具も使用するのに何ら問題はなかったので、二十分程で全ての調理が済んだ。

 今日はスクランブルエッグにベーコン、サラダやトーストと洋風スタイルだ。


「う〜ん……あっ、クリス、おはよう。……何か良い匂いがすね」


 ちょうどその時ルカが眠そうな目を擦りながら起きて来た。


「おはようルカ。朝食出来てるから顔洗ったら食べよう」


「えっ、本当に!? クリスが作ってくれたの!? やったぁ! すぐに準備するから待ってて」


 先程まで凄く眠そうだったのに、俺の言葉で一気に元気になり、そのまま洗面所のある脱衣所へとかけていくルカ。数十秒後に急いでいたのだろう、まだ少し顔が濡れた状態で戻って来た。


「うわぁ、美味しそう!」


 出来上がった料理を机に並べて行くとそんな嬉しい声が漏れてくる。


「簡単な物しか出来なくてごめんね。ルカの料理程美味しくはないけど、不味くもないと思うんだ」


「そんな事ないよ! 凄く美味しそう! ねえ、食べて良い?」


 待ちきれないのだろう、少しテーブルに身を乗り出した状態で待っている。


「そうだね、それじゃ食べようか。頂きます」


「うん! 頂きます! ……う〜ん! 美味しい!」


 幸せそうに食べるルカ。

 大した物じゃないけれど、人に作った料理を美味しそうに食べてもらえるのは凄く嬉しいなぁ。


「そう言えば、あの冷蔵庫は凄いね。普通の冷やす機能だけじゃなくて空間拡張に時間停止と魔力の保存機能まで付いてるなんて高性能すぎない? しかも冷蔵庫なのに温調機能も付いてて、入れた物毎に最適な温度を設定してくれるから、冷えた食べ残しも次出す時はホカホカの美味しい状態で取り出せるし」


「……ん? もぐもぐ……ゴクン。うん、凄いでしょ! あれはグラスが賢者サイトウに頂いた物なの」


 いや、めっちゃほうばってるな。リスみたいで可愛いけど……ん?


「えっ? 賢者サイトウって五百年前に召喚されたアノ!? 魔族ってそんなにも長生きするものなの?」


「う〜ん、種族によるけど寿命は百〜二百年位かな」


「人間に比べたら長寿だけど、それでも五百年は長生き過ぎるな。グラス様って一体……」


「ふふふ、それも今日の午後のグラスとの面会でわかるよ。きっと驚くよ」


 イタズラっぽく笑うルカ。

 驚くって何だろう……まさかグラス様が賢者サイトウ!?


 いやいや、ルカが今、冷蔵庫はグラス様が賢者サイトウに頂いたって言ってたし、召喚されたって事は賢者は人間の筈だから、同一人物な訳ない。ならグラス様って……。


 いずれにしてもルカの事だから、きっとこちらには不利益は無く、俺が純粋にビックリするだけだから考えてもしょうがない。当たって砕けろだ。砕けたら死んじゃうけど。


「ご馳走様でした。凄く美味しかったよ。作ってくれてありがとう。後片付けは私がやるから、クリスはゆっくりしててね」


 物思いにふけっていると俺に遅れて食べ終わったルカが、食器を片付けてくれ、エプロンを付けるとキッチンで洗い物を始めた。


「そうそう、午前中は特に仕事もないから、お昼までまた魔法の練習しよっか」


 キッチンで洗い物をしながらそう声をかけられた。

 昨日は結局、身体倍加を覚えられなかったのでありがたい誘いだ。


「うん、わかった。ご指導よろしくお願いします」


「先生に任せておいて!」


 満遍の笑みで答えるルカ。今日もいい事ありそうだ。



  *****



 結局午前中の練習でも身体倍加は覚える事が出来かった。

 昨日よりも掴みは上手く出来るようになってきたのだが、それを飛散させずにバランス良く維持し続けるのが難しい。


 昨日今日とやってわかったが、これは実戦で使うどころか、習得するまでかなり時間がかかりそうだ。



 そして、お昼を済ませ、現在はグラスと話し合う為仕事場の方で待機している。


 ルカは着崩した和装に昨日と同じ赤いマフラーといった格好だ。


 ちなみに俺は全裸である。骸骨なので。

 決してそんな趣味がある訳ではないと、断固として言っておきたい! 絶対だ!


 トントン


「グラスです。ただいま参りました」


 そんなアホな事を考えていると、部屋をノックする音とグラス様のついた事を知らせる声が聞こえた。


 ルカを見る。するとルカもこちらを見ており、一度頷いてから入るよう返事をした。


「失礼します」


 扉を開け入って来たグラスを見るととても嬉しそうな笑顔と共に、気品溢れる動きで中に入って来た。


「昨日ぶりですねルカレット様。相変わらず神々しい程お美しく、ルカレット様とお話する機会を頂き、このグラス、とても光栄です」


「もう……そういうのは良いから。今日は人前ではないのだか、普通に話して。その見た目もね」


 溜め息を吐き呆れながら話すルカ。

 しかし、はて……その見た目とは?


 するとルカの言葉に反応してグラスが一瞬光ると、そこに先程までの黒いローブを被った老人はおらず、代わりに金髪に耳の尖った超絶美青年が淡い水色のローブを着て立っていた。


「これで良いかい、ルカ」


「うん、大丈夫」


 突然の変化に唖然とする俺。すると隣のルカがこちらをチラッと見てイタズラが成功した子供のように笑った。


 これが驚くと言っていた事か。

 確かにあの老人の正体がまさかこんな美青年だとは誰も思わないだろう。


「しかし、こうしてルカと会えて僕は嬉しいよ。せっかくの二人っきりなんだから、向こうの家でゆっくりお茶でも飲みながら話そうじゃないか」


「絶対イヤ。向かうの家に連れてくと趣味じゃない洋服を着させようとしたり、一緒にお風呂に入ろうってうるさく迫ったり、最後は必ず泊まってくって言って帰らないでしょ」


「それりゃルカの着飾った綺麗な姿も見たいし、どのくらい大きくなったのか裸の付き合いも必要だし、一人じゃ心配だから一緒に寝たいと思うのはしょうがないじゃないか。なんなら僕はずっとルカの側から離れたくないくらいだよ!」


 話には聞いてたが、本当にこんな事言ってたのか……そりゃ嫌がられますよ、グラス様……。

 見た目や話し方が変わっても中身はやっぱ変態なんですね。


「そうそう、洋服と言えば、昨日からその赤いマフラーを付けているけど……どうしたんだい?」


 先程までの軽い感じがなくなり、急に真剣な表情で尋ねるグラス様。これは、やっぱり怒ってるんじゃないか?


「それは今日呼んだ理由も関係してるの。クリス」


 ルカに呼ばれ一歩前に出る


「グラス様、何度かお目にかかっておりますが、骸骨兵のクリス十六世と申します。どうぞよろしくお願い致します」


 挨拶と共にお辞儀をしてからグラス様の様子を伺う。


「……ルカ、骸骨兵に自己紹介の真似事なんてさせて何の意味があるの?」


 やはり急に骸骨兵が自己紹介をしても意思があるなんて思わないだろう。

 さてどう説明したものか……。


「グラス、クリスは命令されてやってるんじゃなくて、驚く事に自分の意思があって、自ら判断して喋っているの」


「成程……にわかには信じられないけど、ルカが言うのならそうなんだろうね! クリス君、改めまして副官のグラスだよ。見てわかる通りエルフ族さ。よろしくね」


 えっ、信じるの? 信じてもらえるようにいろいろ考えて来たのに、俺が何も説明する前にルカの言葉一つで簡単に納得しちゃたんだけど。

 俺の心配や悩んでた時間は一体……。


 いや! 信じてもらえるならそれに越した事はない! べ、別に、泣いてなんかないんだからね!


 てか、エルフ!? 異世界だし、ルカは吸血鬼だし、居るとは思ってたけど、あの有名なエルフが目の前に……スラッと伸びた手足と高身長に長く横に伸び尖った耳、そして超絶美男子は小説に出てくるエルフそのものだ。


 エルフと言えば長寿で有名だし、賢者サイトウとも知り合いと言うのも頷ける。


「それじゃ、信じてもらえた事だし、本題に入るね。クリスは見ての通り骸骨兵に生前の魂が残っているとても珍しい個体なの。でも骸骨兵に魂が宿っているなんて過去に前例が無いから普通は信じないし、信じてもらえても下手をしたら実験体として追われる身になってしまうじゃない? それだと普通の生活をするのにも不便だし、出来れば私は友達のクリスに生前の姿を取り戻してあげたいの」


「友達ね……成程成程。そうなると考えられる方法は伝説上の死者蘇生魔法か、賢者が作った死者をも蘇らせたと言われる賢者の石か、だね……それでルカから命令を受けて調べている僕が魔王軍でも一番詳しいから、クリス君に説明して欲しくて紹介されたんだね」


 何この人、スゲー有能なんですけど!

 軽い口調と変態的な思考からとても仕事が出来るとは思えないのに、さすがルカが部下は有能だと話していただけの事はある。


「そうなの! だからお願い! クリスの力になってあげて!」


「ルカのお願いならもちろんだよ! っと、言いたい所だけど……その前に確認しとかないといけない事が一つあるから、彼と二人っきりで話をさせてくれないかな?」


 先程までの軽い感じが再び消え、再度真剣な表情へと変わるグラス様。

 それを見て心配になったのか、不安な表情でルカがこちらを見て来たので、頷いておく。


 きっとどこの馬の骨……いや人の骨だけど、そんな素性のわからないヤツが小さな頃から大切に育てたルカの友達として急に現れたので警戒しているのだろう。

 だから俺はルカの友達として、この方としっかりと話して信頼してもらわなくちゃいけない!


「それじゃ私は少し外すから、終わったら呼んで」


 俺の同意を確認したルカはそう言い残し隣の部屋へと向かった。



「さて、それじゃ確認なんだけど……ルカに赤いマフラーをつけさせたのはクリス君、キミかい?」


 あれ? まず聞くのそれ?


 でも淡々と質問するグラス様の目がマジで怖いです。


 再度質問するあたり、どうやらマフラーをつけさせた事をかなり怒っているようだ。

 これは信頼して貰う前にその怒りを何とか鎮めないといけない。じゃないと協力してもらうどころか殺されかねない。


 でも、いったいどうやって? 今も俺を見つめるその目はどんな嘘も見破られてしまいそうな程鋭く、厳しい。

 ここで嘘をついた所ですぐにバレてしまうので一先ず素直に真実を話すしかない。

 そのうえで何とか許してもらおう。

 信頼うんぬんはその後だ。


「は、はい……私がルカに勧めました」


「そうか……キミがアレを。……キミはなんて……なんて、天才なんだッ!!!」


 ん?


「僕は今までただ、肌は露出してればしてるだけ良いと思っていた! だからルカにはアレやコレやと理由をつけて露出の高いを服を進めてきたし、何なら裸こそ至高であると思っていた! けれど、あのマフラーをつけたルカを見て……僕は、衝撃を受けたよ。……ただ肌を露出させるだけではなく……隠す事で生まれる、妄想と言う名のスパイスが加わり醸し出される、エロスがある事に!」


 あっ、やっぱりこの人ただの変態だ。


 ……いや、ただの変態じゃないな。真正の変態だ。長いのでこれからは真態と呼ぼう。


「そんな素晴らしい出会いに気付かせてくれたキミを、是非師匠と呼ばせて欲しい!」


 えっ? 何故そうなる。真態に師匠呼ばわりされるとか普通にイヤなんですけど。


「えぇと……出来れば普通に呼んで頂きたいので「さっきから大きな声出してるみたいだけど、大丈夫?」」


「あっ、ルカ。うん、大丈夫だよ! ちょうど師匠との話が終わった所さ。そうそう、さっきのお願い、喜んで受けさせてもらうよ!」


 あの……話を聞いていただきたいのですが……。


「本当に!? 良かったぁ、それに師匠だなんて、すっかり仲良しになったんだね!」


「あぁ! 師匠は僕に新しい世界との出会いをくれた方だからね! 敬愛しているし、師匠の為なら協力を惜しまないよ!」


 どうしてこうなった! 娘と変わらない程大切なルカに友達が出来て心配してたんじゃなかったのかよ! それよりも自分の性癖優先って、ブレなさ過ぎだろこの真態!


 ……まぁでも、協力はしてもらえるようだし、とりあえずは良かった……のか?



  *****



 その後、何故か目の前でルカがご機嫌で俺の良いところを列挙し、グラス様が話を促すと言う謎の羞恥プレイをしばらく受けるハメにあった。


「ふぅー、だいぶ話がそれちゃったね。でも楽しかった!」


「そうだね! また続きを聞かせて欲しいな」


 ……頼むので、もう勘弁して下さい。


「うん! また教えてあげるね! それじゃ当初の目的通り賢者の石についてクリスに教えてあげて」


「了解。それじゃ、ついでにダンジョンについての報告も進展があったから一緒に報告するね。まず賢者の石の説明はルカからどの程度聞いてるかな?」


 ふぅー、やっとまともな話に戻った。賢者の石についてって言うとルカが昨日説明してくれたやつだな。


「どんな願いでも叶え、死者でも蘇らせる力があり、勇者召喚に必要だと聞いてます」


 賢者の石と言うだけありぶっ飛んだ性能だ。


「世間的にはその認識であってるね。でも実際はいくつか違うかな。どんな願いを叶える訳じゃないし、勇者を召喚するのも本来の目的とは違う」


「そうなんですか? では、賢者の石とは一体?」


「賢者の石とは五百年前の賢者サイトウが人造ダンジョンの核として作り出した魔力生産貯蔵兼、ダンジョン管理装置だよ」


 人造ダンジョン……それってまさか!?


「気付いたみたいだね。そう、このローレンの街のダンジョン、白髭危機一髪の核には賢者の石が使用されている」


 そうだったのか……だからルカ達魔王軍はこの街を真っ先に占領してダンジョンを調べていたんだな。


「賢者の石……やっぱりこの街のダンジョンで利用されていたんだね」


「うん、ルカの予想通りね。でも安心していいよ。調べた所ここの賢者の石は試作品みたいで、召喚の機能なんかの主要なものは付いてなかったから」


「そっかぁ、それなら一安心だね。でも、そうなるとやっぱり完成している本物の賢者の石は王都、かな」


「おそらくはね。あとは王都に潜入している()()()()()()に任せよう。ただこちらの試作賢者の石も未知の知識が詰まってる事には変わりないから、引き続き解析と人間達に悪用されないように守護するのも大事だと思う」


「わかった。それじゃ解析の方は引き続きグラスに一任するね」


 魔王軍の四天王が既に王都にまで潜入しているのか。

 しかし、今でも未知の知識と言われている物を五百年も前に作ったなんて、賢者サイトウってめちゃくちゃ凄い方だったんだな。


「話がそれちゃったね。五百年前の賢者サイトウは人造ダンジョンを作る研究をしていて、その為に作り出されたのが賢者の石なんだけど、周りの魔素を集めて魔力に変換し貯蔵する以外に三つの主要な機能があるんだ。それは、一つ目が()()。各種条件を指定して魔力を元に生き物から無機質まで何でも作り出したり呼び出す機能だよ。二つ目が()()()()。これは内蔵されたデータや世界を観測する魔法を元に人工知能があらゆる質問に答えて、サポートしてくれる機能さ。そして最後が()()。どんな怪我や病気も癒し、死者さえ復活させる機能だよ。師匠の体を戻せるとしたらこの機能になるね」


 なるほど、何でも願いを叶えるなんて噂されるだけあり、どの能力もぶっ飛んだ性能だな。


「本来これらの機能は人造ダンジョンを造り出し、運用する為の機能だから、世間一般的に言われている何だも願いを叶えるとか、人族が行っている勇者召喚はあくまでもその機能に目をつけ利用して得た副産物でしかないんだ」


「ちなみに人族が勇者召喚に利用しているのは召喚と人工知能を併用した特殊な召喚だね。本来なら召喚は魔力を元にダンジョンに必要な道具やトラップ、魔物なんかを作り出したり、この世界の物を召喚する為の物で、人工知能はダンジョン運営のサポートやオート管理の為のものなんだけど、その能力がオーバースペックだから、人工知能で異世界から条件にあった人物を探しだし、賢者の石に内蔵された膨大な魔力を使い無理やりこちらの世界に召喚するなんて事も出来るんだ。ただ、それを行う為に必要な魔力もかなりのもので、賢者の石と言えども、数十年間魔力を貯めてやっと出来るってレベルなんだけどね」


「そして、さっきもチラッと話したけど、この街のダンジョンに使われていた試作賢者の石だけど……残念ながら付いていたのは()()のみで回復は付いてなかったよ。ちなみこの生成は召喚の劣化版で、データにある物だけを作り出す機能でこの街のダンジョンで無限に魔物が生まれ続けていたのはこの機能のお陰だね」


「つまりは私の体を元に戻すには王都にあるであろう完成品の賢者の石が必要と言う事ですか?」


「そうだね。今のところ他には賢者の石は確認されていたないから人族達から奪う他ないね」


「心配しないで! 賢者の石は私たち魔王軍が必ず見つけ出して確保するし。クリスの体を治すのに賢者の石を使わしてもらえるように私の方から魔王様にお願いするから!」


「ありがとう。ルカと友達になれて俺は本当に幸せ者だよ」


「えへへ、私の方こそクリスとお友達になれて幸せ者だよ」


「ずるいなぁ、僕だって師匠と師弟関係になれて幸せ者だよ」


 最後真態が何故か入ってきたが面倒なのでスルーしておく。


「あっ、そうだ! 王都での賢者の石の行方を調査している報告も聞けるだろうし、一週間後の魔王軍会議にクリスを連れて行ってあげたらどうかな? 四天王は一人臣下を連れて行けるけど、僕は試作賢者の石の調査で忙しくなるから、凄く残念だけど、ほんとーに! 凄く残念だけど、いけないし」


 めっちゃ悔しそうだな。どんだけルカの事好きなんだよ。

 しかし、魔王軍会議……きっとルカと同じく四天王や下手をしたら魔王様まで参加してそうで正直行きたくない。


「それ良いね! それなら面倒な四天王の面々と会うのも、憂鬱な会議も嫌だけど、クリスが一緒なら楽しくなりそう! 上手くいけば魔王様に会って賢者の石の件お願い出来るかもしれないし。クリス、一緒に行こう!」


 断る前に前のめり気味のルカに押されて思わず頷いてしまった。ルカもどんだけ他人と話すの嫌なんだよ。


「それじゃ一週間後の会議は僕の代わりにクリスが行くって事で決まりだね。あとはルカの事だからクリスに魔法を教えて欲しいとかだろうけど、それもしばらく調査で忙しくて無理だから、以前暇つぶしで描いた僕直書の魔法全集をあげるから、これを見て勉強して」


 そう言って突然グラス様の目の前に分厚い本が現れると、それを手渡された。


「流石グラス、話が早くて助かるよ。明日からはこれを見て一緒に魔法の勉強しようね。」


 嬉しそうにしているルカ。いや、話が早いっていうか、何も説明してないのにそこまでよむとか、グラス様有能過ぎやしませんか!? ただ、それがルカの事だからって考えるとストーカーみたいで怖いと思うのは俺だけだろうか。


 そんな感じで話し合いは終わり、一週間後の魔王軍会議への出席が決まってしまった。


 余談だけど、グラス様は試作賢者の石の調査でこれからルカとなかなか会えなくなるからルカエネルギーを一緒に寝てチャージしたいと駄々をこねてなかなか帰らなかった為、最後はしつこいと怒ったルカに魔法で部屋から吹っ飛ばされてました。

 真態マジヤベー。

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