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ボーンライフ  作者: ユキ
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召喚

 目を覚ますと光で埋め尽くされたどこかの空間に立っていた。


 地面には模様が描かれていて光はその模様から発せられているようだが、空間を埋め尽くす程の強烈な光なのに不思議と眩しさを感じない。実に不思議だ。


 ここは…どこだで、何故俺はこんな所にいるんだ?そもそも俺は……誰だ?


 意識をなくす前の事を思い出そうとしてみるが、自分が誰で何をしていたのか、どうしてこんな所に居るのか思い出す事が出来ない。


 まぁ、わからない事を考えていてもしょうがない。

それよりまずは状況確認を……あれ?首が、動かない?


 現状を把握しようと周りの様子を確認する為に首が動かそうとするが微動だにしない。


と言うか首だけでなく全身どこを動かそうとしても全く動かす事が出来ない。


 これが金縛りってヤツか、初めてなったけど今のこの状況では勘弁して欲しいなぁ。何も確認出来ないよ。

 まぁ、記憶がないから初めてかわからないけどね

 てか、立ったまま金縛りとかレアじゃね?


 理解出来ない状態にむしろ冷静な思考でそんな事を考えていると視界に変化が訪れた。


 黒い影が一つ、また一つと現れ始めたのだ。


 それは次第に増えていくと共に一つ一つが人の形へと姿を変えていった。


 そして影は次第に消えていき、代わりに影の中から人の骸骨が姿を現した。


 黒い影だったものはサイズは違えど全て骸骨へと変わり、周りよりも頭2つ分は高いオレの目線だと全ての骸骨が同じ方向を見ながら均等に並んでいると言う異様な光景を目に入った。


 そして変化はこの光に満たされていた空間にも起こる。


 徐々に地面の模様から発せられる光が薄れてったのだ。


 やがて光が完全に止む事でようやく自分の立っている場所を確認する事が出来た。


 壁や地面は石をくり抜いて出来た洞窟のような場所


 壁には松明が等間隔で設置されていて薄暗いこの空間を唯一照らす灯りになっている。


 この空間がどの程度広いのかわからないが、少なくとも自分の位置から見える範囲だけでも体育館程の広さはありそうだ。


 そして前方の壁際は一段高くなっていて、そこには同じ黒いローブを着て祈るようなポーズをとった老人達が等間隔で並んでいた。


 更に丁度自分の正面の壁には5m程の高さにテラスがあり、そこには周りの老人と同じ格好だが豪華な装飾品を付け、明らかに身分の高いであろう老人がやはり祈るようなポーズで立っている。


 ヤバイ宗教団体に拉致られたのかもしれないなぁ。


 ここまでいろんな事が立て続けにおこったせいで現実逃避から人事のように考えていると、テラスの老人が祈るポーズを解き横にずれながら後ろに向かって頭を下げると、奥から1人の女性が現れた。


その女性はルビーのような綺麗な瞳と、薄らと赤みの入った銀の長髪が目を引く、芸術品のような整った顔の美女だ。


黒をベースに赤いラインの入った着物を着崩して着ているせいで、体のラインをしっかり出ており、その引き締まったウエストと豊満なバスト、肉付きの良いお尻を強調していて目が釘付けになる。


その絶世の美女が話し出すと、20〜30mは離れているのにまるで目の前で話されているように話を聞くことが出来た。


「魂なき死体、骸骨兵達よ。私は召喚の契約により今日よりお前たちの主人となった魔王軍四天王が1人、【ルカレット】だ。これからお前達には私の命令を第一とし、後ろの副官【グラス】を第二位、下に居る部下の魔術師達を第三位として命令に従ってもらう」


 いや、この子今いろいろ気になる事言ったよね?

 骸骨兵?召喚?この周りにいるのが骸骨だし、これを召喚?したのがこのヤバイ集団って事?

 ―なら従わなくちゃいけないか―


 んで魔王軍?四天王?何その厨二病ワード⁉︎

 ―俺も今日から勇敢なる魔王軍の一員だ―


 ん?なんだこれ!明らかにおかしな事なのに、何故がそれが正しい事のように思えてくる?……いやおかしくないか?


 何故か、ルカレット様の言葉を否定していた筈がすんなり受け入れている自分が居る事に混乱していると部下の魔術師様のおひとりが指示を出し、右側の骸骨達から1列で一斉に後方の出口へと動きだした。


そう、動きだしたのだ!


 明らかに動かす為の筋肉など無い骨だけに見えるのにあたかもそれが普通なようにカシャカシャと音を立てながら綺麗な行進で視界の後ろへと消えていく。


 そしてその列がはけると隣の列が後に続き遂に自分の列になった時それは起きた。


 それまでどれだけ動かそうとしてもうんともすんとも言わなかった体が回れ右をし、他の骸骨達に合わせて動きだしたのだ。


 更に混乱する頭に衝撃の事実を追加される。


 行進に合わせて動かされた自分の腕が視界に幾度となく入るのだけど、それは人の腕ではなく、どう見ても周りの骸骨と同じ骨だけの腕なのだ。


 もう頭の中はパニック状態だが、そんな状態でも体は勝手に動き、どこかの別の場所へ向かって行く。


 洞窟の出口から前の骸骨に続き2人が並んで歩ける程の石畳の通路を歩いているが、そこであるものを見つけてしまった。

 今歩いている場所から数メートル先の曲がり角に鏡が設置されているのだ。


 現実を理解したくないので今すぐにでも歩みを止めたいのだけど、無情にも命令に従い勝手に鏡の方へと向かう体。


 目を瞑る事も出来ずに遂に鏡の前へと来るとそこには最悪の結果が待っていた。


 そう、そこに映っていたのは周りの骸骨兵と同じく、骨だけの体で行進をする骸骨の姿だったのだ。

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