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超能力者の魔法世界紀行  作者: 富悠
98/103

ー98ー 飛空艇 ー3ー






「ど、どうして二人が!?」



 頼りにしてた二人が気絶した状態でソラに引き摺られているのを見て動揺してる。ソラに絶対勝てるとか言ってたし仕方ないのかも。



「ぐあっ!!」



 後ろでフィルが相対していたヤツを叩き伏せている。念のため後ろを警戒していたから時間がかかっただけで、ソラが来たからさっさと倒してしまったみたいだ。



「その様子だとそっちも無事のようだな」


「うん、大して手古摺ることもなかったかな」


「馬鹿な!? 二人が手傷を与えることすらできず負けるだと!?」



 こんなに取り乱すなんてそんなにこの二人は強いのかな? ソラは特に苦戦した様子はないんだけど。



「もしかしてこの二人の異能を知ってる? 僕には効果が無かったからなんとなくでしか分からないんだよね」


「効果が無い!? 防御系の異能持ちにも通用した二人の異能が!?」



 さっきから驚いてばっかりでうるさいな。ってあれ? なんか声が小さくなった。



「ソラ、なにかした?」


「ちょっとうるさかったから僕らに届く声の大きさを調節した」


「そんなことよりこいつら連れて部屋に入るぞ。人払いでもしたのか今は大丈夫だが、いつ他の乗客が通りかかるかわからん」



 フィルが倒した男を部屋に引き摺りこんでいる。私も壁に頭をぶつけて気絶している二人を連れ込みながら、まだ騒いでいる残りの一人をどうしようかと目を向けると宙に浮いていた。ソラが浮かべて運んでいるみたいだ。


 全員を連れこみ部屋の扉を閉める。流石にこの人数を連れ込むと部屋が手狭になる。少しでもスペースを広げるため起きている一人以外、部屋の隅に積み重ねてよけておく。



「さて、そっちはどうだったんだ? その二人のどちらかが私達を監視していたのか?」


「いや、こいつらじゃなかったよ。監視してたやつは別にいる」


「そいつはどうした?」



 こいつらで全員じゃなくてまだ他にも仲間がいるみたい。


「監視してた部屋で寝てるよ」


「なんで連れてこなかったの?」


「富裕層の階の部屋にいたからね。部屋まで行くのは少し面倒だったから監視の異能を逆算して、遠隔で攻撃して気絶させた」


「とりあえずは一段落ということか。ソラを狙った二人がこいつらの中で一番の手練れみたいだったがどんな感じだったんだ?」


「ああ、えっとね」






――――――――――――――――――――――――――――――――――






「弱体」


 

 後ろで待機していた女が僕に人差し指を向けている。


 何か起きるかと警戒するが何も起きない。とりあえず迫ってくる剣先を横に避ける。



「へぇ~、避けられるなんて運がいいな」



 男が攻撃を躱したことをまぐれかのように言ってくる。たいした速度でもなかった割には妙に自信満々に行ってくる。やっぱりさっきの女の動作は異能で僕を狙っていたってことかな。



「大概の奴は弱体による身体能力の低下でまともに動けなくなるんだけどな。まあ、どっちにしろ次で終わりだ。さあて、お前は今どれくらい弱ってるんだ?」



 さっきから何言ってるんだ? もしかして異能の影響が出てると勘違いしてる? 弱体とか言ってたからデバフ系の何かかな?



「うおっ!? 凄えな。こんだけ強化されるなんて元はどんだけだよ」



 男が体の調子を確かめるように素振りをして驚いている。なんか急に動きが早くなったな。強化系の異能か? 驚いているってことは強化幅が一定じゃないのか?



「んじゃあま、この力を確かめてみますかね」



 調子を確かめ終わったのか僕に向き直ってくる。強化具合がお気に召したのか表情のにやつきが抑えられていない。


 左右にステップを踏んだ後、勢いよくバネのように飛び込んできた。先程とは速度がまるで違う。姿勢を半身にして相手から狙われる面積を減らす。突き出される剣先を丁寧に手の甲で逸らしていく。何度かの応酬をした後、一足飛びに女の傍まで下がっていった。



「はあ? 本当にこれで弱ってるのかよ」 


「しっかりかけてるわよ。あなただって強化に興奮してたじゃない」


「だったらなんであんなに動けてるんだよ」


「さあ? むしろどうしてそれだけ強化されてるのに仕留めきれないのよ」


「うるせえな。動きに淀みが無くて普通に対応してくるんだよ」



 なにやら二人で言い合ってる。言い争うような険悪な感じでもないけど。



「ちっ!! 伊達に前の襲撃を退けたわけじゃないってことか」



 今度はフェイントも織り交ぜて左右にかく乱しながら迫ってきたけど、感知で十分追いきれる。あえて若干反応が遅れているフリをしてわざと隙を作る。


 背後から伸びてきた剣を右脇の下に通し左手で剣の持ち手を掴んで引き寄せる。



「なにっ!?」



 伸びきった腕を固定して膝を叩き込む。鈍い音を立てて骨が折れた感触がする。



「ぐあっ!!」



 男が腕を抑えて蹲る。その隙に男の顔面に拳を振り下ろす。



「ソリアッ!!」



 男が声も無く倒れるのを見て叫ぶ女に接近し意識を刈り取る。


 監視していた奴の位置も戦闘中に把握しておいた。できればこいつも捕まえておきたいが位置が悪い。だからってそのまま放置しておくと妙なことをされそうだし気絶くらいはさせておこうか。


 監視しているヤツの後頭部に遠隔で衝撃をぶつける。上手く当てられたようでその一発だけで気絶させられた。


 あっちも戦闘してるみたいだしこいつら連れて二人と合流しようか。






―――――――――――――――――――――――――――――――――――――



 



「こんな感じかな」


「聞いていた限りだとそこまでの手練れという感じはしないな。異能がよほど強力なものなのか」



 フィルやマキナちゃんの話だとこの二人が僕を倒せるって確信を抱いてたみたいだけど、戦闘をした限りではそこまで脅威には感じなかった。そこまで言わせるくらいの異能ならどんなのかちょっと興味があるな。



「ねえ、この二人の異能ってどんなのなの?」


「誰が教えるものか」



 マキナちゃんが気になったのか唯一起きている男に聞いている。当たり前だけど教えて貰えてない。


 異能を気になるがこいつらを雇ったヤツや目的のことを聞き出したいな。とはいえ素直に口を割るわけもないしどうやって聞き出そうか。



「うう」



 口を割らせる方法を考えていると僕を襲ってきた男が目覚めそうだった。


 




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