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超能力者の魔法世界紀行  作者: 富悠
95/103

ー95ー パンネアー4ー






 パンネアに到着してから数日経った。


 明日になったらついに飛空艇に乗ってヴァントゥールに向けて出発だ。


 この数日は殆ど異能の調整にかかり切りだった。もちろん鈍らないように体は動かしていたし、全身に負荷をかけ続けて、身体能力の向上に努めてはいた。


 ただ肉体面に関してはその程度で、体術はほぼ手つかずの状態だ。その代わり異能関係は以前とは比べ物にならないほど強化されたと思う。


 位階が上がったわけではないのにやれることの幅が大きく広がった。飛空艇を待つ間のたった数日なのにだ。異能に関しては以前から色々試していたが、以前の一か月間での強化具合と今回の数日の強化具合では明らかに今回の方が大きい。


 きっかけはウィンドドラゴンとの戦闘だと思ってたがそれだけじゃなかった。迷宮という不可思議な空間が僕に与えた影響も大きかったようだ。


 位階に変化は無いから出力の向上は無いが、自分で言うのもなんだが僕の強さは数日前から飛躍的に上昇した。今の僕ならアイツと一人で戦うことになってもそう簡単に負けはしない。



「明日に備えてこの辺で切り上げるとするか」



 僕と一緒に街の外で鍛えていたフィルが街に戻ろうと言ってきた。明日の便に乗り遅れてしまうとまたしばらく待つ羽目になるし、確かにもういい時間かも。



「ごめん、ちょっと待って」



 どうやらマキナちゃんは都合が悪いみたいだ。魔法を開発すると言って何やら色々やっていたが結局一回も魔法を使っているのを見ていない。開発が難航しているのだろうか?



「よし、できた」



 キリのいいところまで終わったらしい。特に魔法を使ったようには見えないが、マキナちゃんの周囲に不自然に魔力が滞留している。あれが開発していた魔法だろうか?



「ごめんね。もう終わったから帰ろう?」


「もういいのか? なにかしていたようには見えないが」


「うん、これはもしまた襲撃があったらそのときにお披露目するよ」


「そうか、楽しみにしておこう。では帰るぞ」






―――――――――――――――――――――――――――――――――――――






「準備はできたな?」


「大丈夫」


「オッケー」



 ヴァントゥールに向かう準備の最終確認をして家を出る。この後は飛空艇に乗ってしばらく空の旅をすることになる。食事は飛空艇の中にある食堂ですることもできるようだが、かなり値段が高いらしい。自分で食料を持ち込めるのであればそちらの方がかなり安上がりになるとか。


 飛空艇乗り場に到着すると既に大量の作業員が飛空艇に荷物の積み込み作業を行っていた。飛空艇の作業員だからか、全員が空を飛ぶことができるようだ。普通の船の積み込み作業とは違い、荷物を抱えた作業員がどんどん空に飛び立つのが見える。一人では運べないような物は複数人がロープを使いながら協力して運んでいる。


 そんな忙しそうにしている作業員の他に荷物を抱えた旅行者のような人が並んでいる列がある。僕達と同じヴァントゥールに向かう人達だろう。


 列の最後尾に並んで自分達の順番が回ってくるのを待つ。待っている間暇なので、並んでいる人達を眺めていると皆一様にかなりの大荷物なのに気づく。ヴァントゥールに着くまでそれなりに日数がかかるって話だから、それだけ荷物が必要なんだろう。僕は圧縮すればそこまでかさばらないし、フィルは拡張袋がある。他の人達に比べてかなりの軽装だ。


 作業員と違って旅行者は荷物を抱えながら一人ずつタラップを上がっていくからか、列の進みはかなりゆっくりだった。自分達の番が来るのをのんびり待っているとやっと僕達の番がやってきた。



「お名前は?」


「フィルだ」


「書類の提出をお願いいたします」



 フィルがこの前受け取っていた書類を渡している。



「確認致します。はい、確かに。あなた方の船室はこの書類に書かれた部屋となります。また飛空艇の中で起きた盗難などトラブルには一切責任を負えません。貴重品の管理などあらかじめご注意していただくようお願い申し上げます。それでは空の旅をどうぞお楽しみください」



 タラップを一歩一歩踏みしめて飛空艇の甲板まで上っていく。慣れているであろうフィルは特別変わった様子はないが、飛空艇に乗るのが初めてな僕とマキナちゃんは興奮しっぱなしだ。僕もマキナちゃんも自分で飛行することはできるがそれとはまた違った趣がある。



「うわー、なんかドキドキするよ」


「飛空艇が動き出すところがみたいな。船室の場所を確認したら甲板で待ってようか」


「うん、早く行こうよ」


「二人共あまり慌てるな。まだ出発しないからそんなに急がなくても大丈夫だ」



 フィルに笑われながら落ち着くよう促される。少しはしゃぎ過ぎたようだ。割り当てられた船室に荷物を置く。フィルはそのまま部屋にいるようなので、マキナちゃんと二人で甲板に出る。


 そのまましばらく周囲を眺めながら飛空艇が動くのを待っているとタラップが片付けられた。ついに出発するようだ。プロペラが回り始め飛空艇の周囲に魔力が循環する。


 僕達の乗った飛空艇がヴァントゥールに向けて動き出した。









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