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超能力者の魔法世界紀行  作者: 富悠
94/103

ー94ー パンネア ー3ー






 眩い朝日に目を細める、空は雲一つ無く快晴だ。ヴァントゥールに向かう日もこんな天気だといいんだけど。


 あれから朝食を済ませた僕達は家を出て、飛空艇乗り場に向かっていた。


 まだ朝早い時間にも関わらず、パンネアの住人は元気に活動していた。


 忙しなく動き回っている人々にぶつからないよう歩きながら、前を進むフィルについていく。



「ここだ」



 フィルが立ち止まり見つめている先には巨大な飛空艇があった。見た目は普通の船にプロペラが付いているだけに見える。あれで飛べるとは思えないんだけど魔法でなんとかしているんだろうか。


 飛空艇が停泊しているその手前に飛空艇の作業員らしき人間が出入りしている建物があった。フィルがその建物に入っていくので慌ててついて行く。


 内部は酒場のようになっていて、酒盛りしている作業員をちらほら見かける。フィルが奥に進んで女性に話しかけている。あそこで予約するようだ。



「次のヴァントゥール行に乗りたい。三人分予約してくれ」


「なにか身分を証明するものはありますか?」



 身分証の提出を求められたので組合員証を手渡す。マキナちゃんも懐から取り出していた。


 

「はい、確認致しました。次の出港は五日後になります。昼前には集合するようお願い致します」


「ああ、わかった」



 フィルがお金を支払いながら何かを受け取っている。あれが予約券かなにかなのかな?


 そのまま建物を出てしばらく歩くとそれまで無言だったフィルが口を開いた。



「さて、飛空艇が出るまで五日猶予があるがそれまで何をする?」


「僕はトレーニングかな、次はアイツにも負けないようにしっかり強くならなきゃ」


「私もかなぁ、今回みたいに見えない敵と戦うとき用に専用の魔法を開発しようかな。ソラにばっかり負担かけてられないし」


「それならちょうどいい。私も少し鍛え直そうと思っているんだ。ここ最近は足を引っ張ってばかりだったからな」


「わかった。街からある程度離れたところで皆でやろうか」



 フィルはどうやら思うところがあったらしい。ドラゴンや暗殺者の時に活躍できなかったことを気にしているみたいだ。


 マキナちゃんは魔法の開発をするみたい。言い方から察するに索敵用の魔法かな?






―――――――――――――――――――――――――――――――――――――






 街から出てしばらく。遠くに街が少し見える程度に離れた場所までやって来た。


 皆で思い思いに行動を始める。マキナちゃんは魔法の開発だけならわざわざここまで来る必要はなかったみたいだけど、仲間はずれは嫌だからってことで一緒にこの場所で行動している。


 フィルも何やら風の魔法を使いながら体を動かし始めている。僕も二人を見てばかりいないで自分のトレーニングを始めよう。


 まずはウィンドドラゴンの時にやった自己修復。あれを瞬間的にできるようになれば継戦能力がかなり向上するし、他の人にも使えるようになれば回復魔法の代わりにもなる。


 あの時はかなり集中が必要だった。速度もそうだがあまり意識せずとも使えるようにしていきたい。その為にもまずは使うことに慣れていかなければ。


 自分の腕に軽く傷をつける。じわりと傷口から流れ出す血を眺めながら修復を始める。


 前は自分の体組織を利用して再構成した。しかしこの方法では体組織が失われるような大怪我をした際は修復することができない。なので今回は体組織ではなく周囲にある物質を利用して修復を行う。


 周囲に存在している物質、大地や空気、それから魔素。それらを分解、変換、再構成して体組織と同じものを作り出す。それらを利用して修復を行う。


 魔素を利用したことによって僕に何か影響がでるかと少し心配だったが、特に不調になったりなどは無かった。変換した事で魔素では無くなったからかもしれない。


 おかげで一瞬で殺されたり気絶させられたりしなければどうにかできるようになった。後は何度も修復をして無意識にでも修復できるようになることを目指そう。


 僕の異能は汎用性に富んでいる。次に襲われるまでに手札をもっと増やしておこう。日が暮れるまで異能の練習に取り組みこの日は終わった。


 



















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