表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
超能力者の魔法世界紀行  作者: 富悠
88/103

ー88ー 休息






 組合を出てからすぐに宿を見つけた三人は同じ部屋に集まっていた。



「それで? どうしてあんなに困ってたの?」


「前にウィンドドラゴンの魔核を求めて迷宮に潜っていたと話しただろう、あれが手に入るかに関わらずある程度したら一度戻って依頼人と連絡をとる手筈だったんだ」


「だからあんなに焦ってたんだ。でもあそこまで焦るなんてその依頼人はそんなに恐い人なの?」


「そうじゃない、最近その人のきな臭いからだ。こまめに戻って安全を確認する予定だったんだ」


「でもそれなら迷宮に潜ってないで近くで護ってたほうがいいんじゃないの?」


「できればそうしていたかったがこの魔核を手に入れることも我々にとってはかなり重要だったんだ。一緒にこの街に連れて来れればよかったのだが、気軽に移動させられない事情があってな」



 話続けて渇いた喉を潤す為に水を口に運ぶフィル。話に入らずその様子をベッドで寝ころびながら眺めていたマキナは疑問を呈する。



「なら急いで向かったほうが良かったんじゃない? ここでゆっくりしていていいの?」


「迷宮から出たばかりでフィルだって疲れてるだろうし休んでからのほうが結果的に早いでしょ」


「ああ、それもそうなんだが私が戻ろうとしているのはヴァントゥールなんだ」


「え?」


「ヴァントゥール!?」



 寝ころんでいたマキナが俊敏な動きで起き上がる。その反応に驚いたフィルが椅子を少し傾け引き気味になる。



「な、なんだ? どうした二人共?」


「次の目的地がそこだったからさ、まさかフィルがヴァントゥールから来てたとは思ってなくて」


「でもそっか、だから急いで向かってなかったんだね」


「周期的に今から向かったところでまだ飛空艇は到着しないだろうからな。今日はゆっくり休んで明日港街に向かうことにする。ウィンドドラゴンの討伐を助けてもらった報酬は必ずする。金でよければ今払えるだけ払おう」


「報酬なんて別にいいよ。こっちだって迷惑かけたんだし。それより明日出発するんだ、でも明日出るのも早いんじゃない?」


「確かに明日出ても結果的に待つ事になるだろうが道中何が起きるか分からないからな、余裕を持って出発して港街で待つ事にするさ」



 何かを考え込んでいたマキナが考えをまとめたのか口を開いた。



「ねえソラ」


「ん?」


「私達も一緒に行かない?」


「あー、そうね、一緒に行っちゃうか」


「は?」



 まるで夕飯の献立を決めるかのようにあっさりと自分について来ると言い出した二人にフィルが呆けた声を上げる。



「な、何を言っているんだ二人共?」


「何ってフィルと一緒にヴァントゥールに行くって事」


「し、しかし、迷宮はどうするんだ? 私に付き合わせてしまったし目的を達成してないんじゃないか?」


「あれ? 言わなかったっけ? 私達が迷宮に潜ってたのは物見遊山だって」


「確かに言っていた。あれは誤魔化していたのではなかったのか」


「本当だって。それとも私達がついて行ったら迷惑?」



 マキナが声の調子を落として少し落ち込み気味に問いかける。その様子をソラはフィルにわからないように笑い堪えながら見ていた。



「迷惑なんかではない、二人が一緒に来てくれるなら心強い。それより変な小芝居を止めろ、そんなことをしなくても別に断ったりなんてしない」


「えへへ、バレちった」


「よし、話は決まったね。明日出発するならそろそろ休もうか」


「そうだな、私も部屋に戻るとするよ」


「置いてったら嫌だからね」


「わかっている」



 片手を振りながら部屋を出ていったフィルを見送った後、片づけをした二人がベッドに入って間もなく二人の寝息が部屋に静かに響いていた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ