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超能力者の魔法世界紀行  作者: 富悠
78/103

ー78ー 迷宮探索に耽る日々 ー12ー






 さて、どうしようか。


 殆ど再生といってもいいウィズコングの治癒能力。多少の攻撃ではダメージを蓄積させることができず埒が明かない。再生する間もなく一撃で仕留めきれればいいんだけど、僕はマキナちゃんに比べて火力が無い。


 とりあえず ”流れ星” で急所を狙ってみよう。圧縮した力の塊を用意し指先で照準を合わせる。

こちらに向かって突進してくるウィズコングの目を狙って発射しようとするとウィズコングがその場を大きく跳ねた。


 野生の勘か僕が狙いを定められないよう変則的に動き出した。周囲の樹の幹を掴み体を振り回して別の樹まで飛んでいく。飛びついた樹の枝を掴んで体を振り上げ、枝に乗っかったかと思うと枝をしならせさらに飛び移る。幹を蹴りつけ留まらずに別の樹に向かうなど、僕を中心に周囲を高速で移動し続けている。


 先程の攻防で僕に集中しているのか後ろの二人を狙う様子は無い。 ”流れ星” は一旦止めてエビルエイプの時のように滞空中に引き摺り落とす。



「グオオッ!?」



 頭から地面に落下して困惑の声を上げるウィズコングだが、やはりまともなダメージが入っていない。そのまま押さえつけようとするも念動力が弾かれる。ウィズコングクラスの力だと一瞬ならともかく押さえ続けることができない。


 また周囲を飛び回られても厄介なのでこのまま接近戦を仕掛ける。駆ける僕に向かって左右から挟み潰すかのように平手が迫りくる。



「グアアッ!!」



 姿勢を低くして両の手を掻い潜り懐に飛び込む。飛び込んだ際に地に手を突き屈めた体を勢いよく伸ばしながら倒立しウィズコングの顎を蹴り上げる。



「グゴッ!?」



 ワイルドベアの時のように攻撃を重ねて頭を吹き飛ばしたかったが、先程と同じくウィズコングは怯まず掴みかかってきたので中断、倒立状態のまま腕の力だけで跳躍しウィズコングの懐から脱出した。



「グオオオン!!」



 僕を捕まえられなかったのが気に食わなかったのか地面を叩いて暴れている。地面を叩く度に軽く地面が揺れている。


 揺れる地面に足を取られぬよう注意しながら再度ウィズコングに接近する。やはり先程の顎へのダメージも回復してしまっている。かなり厄介だがいくら何でも無尽蔵に治せるわけではないだろう。体を治している以上何かを消費しているはず、いずれは回復できなくなるだろう。


 とはいえいつそのいずれが来るかわからない以上長期戦はこちらの分が悪い。何か別の戦い方を試してみようと考えているとどうやらフィルの準備ができたようだ。



「ソラ!! 準備ができた。もう少しそいつをその場に押さえつけておいてくれ!!」



 フィルが剣を構えながら凄い勢いで突っ込んでくる。ウィズコングの意識がフィルに向かないよう攻撃を仕掛ける。 ”流れ星” のように圧縮せず即席の念力弾を連射する。大して威力も無いがウィズコングの気を引くには十分だったようで、苛立ちの籠った視線が僕に向けられる。



「ガアアアッ!!」



 思い切り地面を叩いた反動でこちらにすっ飛んでくるウィズコング。再生するとはいえ攻撃を加えられたことに怒りが募っていたようで動きが直線的で読みやすい。突進を跳躍して躱し思い切り踏みつける。踏み付けの衝撃でウィズコングが地面に叩きつけられたところでフィルが剣を振り上げていた。



「切りつけたら私を抱えてマキナの元まで急いで下がってくれ!!」



 叫びながらフィルが起き上がろうとしているウィズコングに剣を振り下ろす。マキナちゃんの風の魔法をあっさり弾いた毛皮をいともたやすく切り裂き、その下の肉にまで深々と傷をつけた。その光景を見ながら言われた通りにフィルの腰に手を回し、マキナちゃんのところまで一気に飛び退く。



「グギャアアアアッ!!」



 ウィズコングの傷口からとてつもない暴風が巻き起こりその体を吹き飛ばした。暴風の影響で空高く舞い上がり、少し間を置いて落下してきたウィズコングは体を斜めに裂かれて頭と右腕、後は少しの胴体しか残っていなかった。



「この技は威力は高いが自力で避難できないのが欠点だな」


「え~、折角魔法準備してたのに終わっちゃった?」


「まだだっ!!」



 泣き別れした胴体まで体を引き摺るウィズコングを感知する。信じられない、胴体を斜めに切り落とされているのにまだ生きている。このまま胴体まで到達されたらまた再生されるかもしれない。早くとどめをっ!!



「マキナちゃん!!」


「う、うん!!」



 マキナちゃんが魔法を発動する。ウィズコングを中心に小規模な爆発が連続して起こる。規模そのものは小さいが威力は別のようでウィズコングの体が爆散し粉々になっていく。



「そんな!! まだ死んでない!!」


「馬鹿なっ!?」



 頭も吹き飛びもはや生物の体をなしていないにも関わらずまだ生命反応が残っている。それどころかその状態から再生し始めている。



「こんな奴どうやって倒せば!?」


「これ程バラバラにしても駄目なら一つ残らず消し去るしか……!!」


「そうだ!!」



 この状態からでも再生できるのは驚異的だが今なら僕の念動力でどうとでもできる。残した肉片から復活でもされたらたまらないので、ひとつ残らず捉える。



「圧し潰れろ!!」



 ”流れ星” の応用で肉片全てに力を加え圧縮する。全方位から加えられる力に潰されていき、やがて全ての肉片が消滅した。







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