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超能力者の魔法世界紀行  作者: 富悠
63/103

ー63ー 精霊






 ロジーアの街を出発してから数日。


 バンバッハの街を目指して進んでいた僕達は、途中にある街の一つを過ぎて二つ目の街までの道を半ばまで進んでいた。


 バンバッハの街に向かう道中ずっと、僕は位階が上がった異能を使いこなせるよう常に使い続けていた。出力が上がったお陰で体にかけられる負荷も上がったので、最近は殆ど効果の無かった肉体トレーニングもまた効果が出始めている。


 マキナちゃんもこの前の火災で思うところがあるのか、大魔法の展開速度を向上させるべく色々と試行錯誤している。


 そういえば魔法で思い出したが精霊のような魔力の事について今まで聞いてなかった。思い出したら気になって来たしちょっと聞いてみよう。



「ねえマキナちゃん、ちょっと聞きたいことがあるんだけど」


「んー?」



 手元で魔法を高速展開したり同時展開したりと忙しそうだが、ちゃんと聞いてはくれているみたいだ。



「この前の火災の時に周囲から集まってきたのって精霊なの?」


「え? そうだけどソラ精霊の事わかるの?」


「普通とは違う魔素みたいな魔力が集まってきたからそれが精霊なのかなって」


「そうだよ、それが精霊。でも声が聞こえたり姿が見えたりするわけじゃないんだね」



 マキナちゃんはちょっと待っててと言って人形を一つ取り出す。この前の火災の時にも使ってた人形だ。



「人形を見てて」


「わかった」



 言われた通り人形を見たまま待っていると、どこからともなく精霊がやってきて人形の中に入った。それにしても急に何もないところから魔力が発生したな。どういうことなんだろう?



「わかる?」


「今人形の中に入ったのはわかる」


「本当にわかるんだ」



 マキナちゃんが僕が精霊を認識できていることに嬉しそうにしている。



「異能で感知しているだけだけどね。もっと使いこなせるようになったら変わってくるかもしれないけど」


「それでも凄いよ。他の森人種だって精霊にお願いできるだけで殆ど認識できないってお姉ちゃんが言ってたし」


「マキナちゃんはどうやって精霊と意思疎通しているの? この前も殆ど喋って無かったよね?」


「意思を魔力に乗せて伝えるんだ。上位の精霊は兎も角普通の精霊は言葉を話せないから。でも感情はあるからちゃんとお喋りできるんだよ」


「それだと僕は難しそうだな、魔力使えないし」


「うーん、ソラは違う方法で意思を伝えるしかないよね。異能でどうにかならないの? 普段からなんでもありみたいなところあるんだし」



 マキナちゃんはこう言ってるができるだろうか? 意識も感知できるんだしやってやれないことはないかな?



「ほら、この子もソラとお喋りできるかもって期待してるよ」



 マキナちゃんと一緒に人形がこっちを見ている。マキナちゃんが言った通りなのかソワソワと落ち着きの無い様子だ。

 

 こうも期待されると応えたくなってしまう。やれるだけやってみよう。


 意識を感知しているってことは僕が受信しているってことだから、効果を逆転させて僕の意識を送信するようにすればなんとかなるか?



『こんにちは、聞こえるかな』


「わっ!?」



 人形が凄い反応している。大きく頷きながら僕の周りを飛び回っている。というかなんかマキナちゃんも驚いてたな。



「びっくりした。頭の中に急にソラの声が響いて来たよ。でもちゃんとできたみたいだね。この子も凄く喜んでる」



 あー、周りの人全員に聞こえるようにしちゃったのか。伝える対象を選んで使わないと騒ぎになっちゃうな。今思ったけどこれってテレパシーだな。感情の残滓も似たようなものだし位階が上がったことでこっち方面の能力が大きく伸びたのかも。


「これでソラもこの子達とお喋りできるね」


「達?」



 複数形に疑問に思っているともう一体の人形も姿を現した。



「ほら、この子も混ざりたいって出て来ちゃった」


「本当だ。でも問題が一つある」


「え、何?」


「精霊たちの意識を感じ取れない」


「え、なんで?」


「わからない。僕の力がまだ足りないのかも、感情の残滓も最近わかるようになったんだし」


「そっか」



 マキナちゃんも精霊達も落ち込んでしまった。ぬか喜びさせてしまって申し訳ない。



「ちゃんと感じ取れるよう頑張るよ、僕も精霊達と話をしてみたいしね。練習にもなるしたくさん話しかけてきて欲しいな。マキナちゃんも手伝ってくれる?」


「もちろん!! そうだよね、森人種ができないことをすぐにやれっていうのもおかしいもんね」


「そういえば人形に入ってる精霊は毎回同じ精霊なの? まだ精霊の区別もできないんだ」


「うん、この子達は村からずっと一緒に着いてきてくれてた子だよ」


『そうなんだ、僕が気づいていなかっただけで一緒に旅をしてきたんだね』



 精霊達にも伝わるようにテレパシーで話しかけると同意するように精霊たちが飛び回る。



「自分達の声が聞こえないのは残念だけどこうして気づいてくれただけでも嬉しいって」



 マキナちゃんが精霊達の声を通訳してくれる。この不思議な旅の仲間とも早く話せるよう、もっと力を使いこなせるよう頑張ろう。













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