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超能力者の魔法世界紀行  作者: 富悠
60/103

ー60ー 報告







「さて、それじゃ話を聞かせて貰おうか」



 細々とした疑問を質問して納得していると組合長から報告するよう促された。確かに世間話をしに来たわけじゃないし、分かったことは全て伝えて後の事はお任せしちゃおう。



「わかりました。ではまず今回の火災の首謀者は、古代図書館が目的だったみたいです」



 組合長はピクリと少し反応したが無言で先を促してくる。他の皆も黙って見守ってくれている。



「僕の力では古代図書館が目的というところまでしかわかりませんでした。古代図書館を破壊するのが目的なのか、それとも何かを盗み出したかったのか、そこまでは分かりません。ただ古代図書館をどうにかするために火災を起こしたのは間違いないと思います」



 話を一旦区切り、組合長の反応を窺うがじっとこちらを見てくるだけだ。まずは全て話せということだろう。



「また、今回の火災を起こすためにおそらく組合員のゴラオンを使ったようです。こちらに関しては僕の力で確認できたわけではないですが、火災を計画していた者がいるタイミングで放火を実行した以上何らかの関わりがあるものと思っています。放火の方法は火の魔晶石かと。火元の家に複数転がしていたのを近くにいた子供が目撃しています。僕達が調べられたのはこれ位ですね」



 一通り話し終えて一息つく。組合長は今聞いた話を整理しているようで、目を瞑って考え込んでいる。そのまま組合長が口を開くのを待っていると、考えがまとまったのか目を開いてこちらを見つめてくる。



「たかだか半日でよくそこまで調べたね。情報収集を専門にしているわけではないんだろう?」


「まあそうですね」


「なんにせよよくやった。一部とはいえ黒幕の目的が分かったのはお手柄だよ」



 組合長からお褒めの言葉を頂いた。この反応を見るに上出来だったみたいだ。



「それにしてもどうやって調べたんだい? その感じだと黒幕を捕まえたってわけじゃないんだろう?」


「その場に残ってた感情を読み取りました。できるようになったのは最近なのであまり深くは読み取れませんでしたが」


「感情を読み取る? よくわからないが、まあいい。ガイカンからも異能の汎用性が高そうと聞いているからね。あまり深くは読み取れないとは言うが黒幕の潜伏先や向かった場所なんかはわからないのかい?」


「すみません。今の僕が読み取れるのはその場であった強い感情の発露だけなんです。足取りも追っていましたが途中でぱったり途切れていました。転移かなにかで移動したのかと」


「そうか、仕方ないね。後は実行犯だがゴラオンか…… こっちは他からも報告が上がってきている。他のチームメンバーも不審な行動をしていたらしい。三人とも連れてきて今尋問している最中なんだが、どうも知らぬ存ぜぬの一点張りでね」



 ゴラオンについては組合でも調べがついていたらしく、既に連れてこられているらしい。だが尋問が上手くいってないらしく、組合長もため息をついている。


「尋問ってどうやっているんですか?」


「嘘をついたか判別できる魔道具を使って火災の事を詰めているんだが、あいつらが知らないというのに反応しないのさ」


「洗脳されてるんじゃないですか? だから自分たちがやったことを認識していないとか」


「洗脳? 確かにそうかもしれないが洗脳魔法なんてそう簡単に使えるもんじゃない。それは無いと思うが」


「でも今回の黒幕は自分が認識されないと思っていたみたいですよ。洗脳ではなくても認識に手を加える位はできるかもしれません」


「わかった。その可能性も考慮に入れて再度尋問してみるとしよう」


「僕達が話せるのはこの位ですがまだ何かありますか?」


「いや、助かったよ。謝礼は用意しておくからまた後日受け取りに来てくれ」


「わかりました」



 その後は組合長に挨拶して部屋を後にする。僕に続いて皆部屋から出てくる。そのまま組合も出ると緊張が解けたのか大きく息をつく。



「はぁ~、緊張した」


「俺も」


「ごめんね、付き合わせちゃって」


「俺達が勝手に付いてっただけだから、気にしないでくれ」


「私はそれよりお腹減ったよ。早く家に帰ろう」



 二人が緊張で疲労している中、マキナちゃんはいつも通りだった。普段から思うんだけどこの子メンタル強すぎない?



「私も緊張から解放されたらお腹空いてきたかも」


「俺も。今日は大して動いてないのに凄い腹減ってる」



 皆でお腹が減ったと口に出してる。聞いていると僕もお腹が空いてきた気がする。我慢ができなくなる前に家に帰るとしよう。







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