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超能力者の魔法世界紀行  作者: 富悠
6/103

ー6ー 許可






 一直線に飛んでくる拳。それを避けながら右フックでボディを狙う。


 最近の訓練はもっぱら組手が多くなった。


 悲しいことに僕に武器を扱う才能はなかった。そのため基本的な扱い方は教わったが組手の内容は徒手空拳だ。こちらの才能は天才とは言わずとも十分あると言われた。



「考え事している余裕があんのか!?」



 フックを避けたウルフィンさんから、返しのローキックが飛んでくる。バックステップで避けるが追撃とばかりにまっすぐ突っ込んでくる。大きく横に飛んで回避するがそのまま密着してきて追撃が止まない。防戦一方だがなんとか攻撃を捌いていく。



「おらぁっ!!」


「ぐっ!」



 攻撃を捌ききれなくなり、ハイキックをガードするもそのまま体制を崩される。そのまま足払いをかけられ地面に倒れこんだところで組手が終了する。



「まあまあってとこだな」


「ありがとうございます」


「相変わらず攻撃を避けたり捌いたりするのは上手いな。後は体幹を鍛えて崩されにくくしたり、思うように体を動かすための肉体操作の習熟が課題だな」



 そう、僕は防御に関しては結構褒められる。というのも超能力の応用によって相手の攻撃の前兆や狙いがわかるからだ。念動力は自分の認識している空間内でしかできないのだが、その範囲内であれば動きなどを全て感知できる。とはいっても出力は相変わらずだし範囲も自分を中心に半径5メートルが限界だ。


 それに感知できても対応できない動きや攻撃をされるとどうしようもないので、対応できるように体を鍛えるのが現状の課題だ。



「もうそろそろ一人で森を探索してもいい頃だろう。よっぽど強いやつに出くわさなきゃどうにでもなるはずだ。最初の数回は付き添いがいたほうがいいだろうが、それ以降は問題ねえ。ついに独り立ちってやつだな」


「これまでありがとうございました。これからもたまに訓練に付き合ってもらってもいいですか?」


「おう。いつでも来い。とはいえ後はお前は基礎を鍛え続けるのと森に慣れるってのが当面のやるべきことだ。しばらくは森に慣れることを優先するんだな」


「はい。また今度遊びに来ます」



 遂に森を探索する許可が出た。もちろん最初は付き添いの人が必要だろうが早く慣れて一人でも探索できるようになろう。これで食料を周囲に依存しなくても済むようになる。ユキナさんは気にするなと言ってくれるけど、やっぱり頼り切りはよくないもんな。

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