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超能力者の魔法世界紀行  作者: 富悠
50/103

ー50ー 治療院にて






 ロジーアの街 治療院



「先生!! 急患だ!!」



 治療院に入るなり男が叫ぶ。増援の一人に選ばれていた医療の心得のある男だ。



「おや? 君は確か増援に向かうはずじゃ」


「そんなことはいいから診てやってくれ、皆かなりギリギリなんだ!!」


「どれ診せなさい」



 先生と呼ばれた男が運び込まれた一人を見るなり表情を変える。



「これは酷いな」


「皆同じような状態なんだ」


「わかった。君達が戻ってきた時の準備は始めていたんだ。手の空いている者を呼んでくる。全員中に運んで寝かせておいてくれ」



 建物の奥に向かいつつ部屋のベッドを示す。戦闘を行う組合員の急患用の待合室のためかベッドが多数備え付けられている。動ける者達が怪我人を運び入れベッドに寝かせ、ソラを怪我人達の中心に配置する。


 運び込んでいる間に奥から医者が集まってきて怪我人の状態を確認していく。その際、医者の一人が特に怪我をした様子が無いソラに気づいた。



「彼は? 見たところ怪我も無いようだし緊急性が高くないのなら待っていて欲しいのだが」


「彼が異能で皆の生命維持をしているんです。近くにいないと力が届かないそうなのでそのままにしておいてください」



 リンがソラを動かさずそのままにしておくように伝える。



「成程、普通なら死んでいてもおかしくない傷でも耐えられているのは彼のおかげか」



 ソラがこの場にいる理由に納得し、触れずにそのまま他の怪我人の治療を行う。各々が回復魔法を行使したり、薬を使用したりしている。


 邪魔をしないよう連れてきた者達が外で待ち始めてしばらく経ち、治療院の扉が開いた。



「終わったよ。皆一命をとりとめた」


「本当か!?」



 怪我人達のチームメンバーであろう者達が喜びの声を上げる。



「彼にお礼を言うことだ。彼が生命維持をしていなければ、皆命はなかったろう」


「わかった、先生方もありがとう!!」



 中から治療されていた者達が出てくる。皆一様疲れた顔をしているが自力で歩いている。レンもマキナとリンの元まで歩いて来た。



「悪い、心配かけたな」


「ううん、生きてて良かった。ごめんね、私を庇ったばっかりに」



 リンが涙ぐみながらレンを抱きしめる。



「何言ってんだ、大切な家族なんだ。庇って当然だろ? リンが無事で良かったよ」


「ねえ、ソラは?」



 ソラがいつまでも出てこないことに疑問に思ったマキナがレンに確認する。リンもソラがいないことに不思議そうにする。



「ああ、そうだ。中まで来てくれ」



 そう言ってレンが二人を促す。二人はレンについて行きソラの元まで歩いていくとベッドに寝たままのソラから声がかかる。



「ごめんね、レン君連れてきてくれてありがとう」


「どうしたの!? ソラ!?」



 寝たままでベッドから降りてこないソラにマキナが慌てて駆け寄る。リンも遅れてソラの元に向かう。



「今回の異能の制御は流石に無理があったみたいでさ、体が言うこと効かないんだ」



 そういうソラの声はとろんとしていて、顔も眠る寸前のような表情をしている。



「今すぐにでも寝ちゃいそうなんだけどさ、何も言わずに眠りこけたら心配かけると思ってレン君に連れてきてもらったんだ」


「じゃあ、ただ疲れてるだけで大丈夫なんだね?」



 マキナが不安そうにソラに問いかける。



「うん、眠ったらしばらく起きないと思うけど心配しないで。皆には迷惑かけるけど後はよろ…し…く」



 喋り切るかどうかというところで眠りについたソラ。



「じゃあ、私はソラを連れて家まで戻ってるよ」


「ああ、本当に助けてくれてありがとう。後処理が終わったらすぐ帰るよ」



 そう言ってレンとリンは組合に向かい、二人と別れたマキナはソラを背負って家まで向かった。










 








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