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超能力者の魔法世界紀行  作者: 富悠
49/103

ー49ー ロジーアの陰で






 レン達が護衛依頼を受ける少し前。


 一人の人間がロジーアの街の古代図書館から出てきた。ローブを着込みフードをフードを被っている。深く被っているため顔の判別ができない。そのような怪しい姿にも関わらず、周囲の人間は誰もその者に注意を払う様子が無い。



「ふむ、やはり古代図書館に遺物が隠されているようですが見つかりませんね」



 呟いた独り言の声から男だとわかる。



「ロジーアの街から時たま出てくる出所不明の情報を考えると、情報収集系の遺物の可能性が高い。我が国の機密を知られている可能性がある以上そのまま放置しておくわけにはいきませんからね」



 男の所属している国でも以前からどうやって情報を集めているのか疑問が上がっていたが、先日ある人間がこの街に訪れたことによって遺物の存在に気づいた。今までは疑わしいと思っていた程度だったが、可能性がかなり高まったことでこの男が探りに来ていた。



「可能であれば強奪か破壊、それが難しいとしても次に繋げる為に所在を明らかにはしておきたいですね」



 国に不利益をもたらす可能性がある以上、この男の中ではこのままロジーアの街から遺物を無くす事は決定事項だった。


 遺物を見つける方法を考えながら街を練り歩く。大通りを逸れ、人気の無い裏路地を進む。なるべく人目の無い立地の空き家を借りて拠点にした男は戻るまでの道中である男達を見つけた。



「くそっ!! 奴らに会ってからいいことがねぇっ!!」


「おい、落ち着けよ。怒ったってしょうがねえだろ」


「うるせぇ! あの一件で俺の評価は散々だ、以前はあった指名依頼も来なくなった。お前らは腹立たねぇのか!?」


「そりゃムカつくけどよ、どうしようもないだろ」


「仕返ししようにも俺ら三人がかりでも勝てないだろあれ。不意打ち狙おうにも勘がいいのか近づけないし」


「あー腹立つ!! なんだって俺達がこんな目に」



 何か気に入らないことでもあったのか、男達は不平不満を垂れながら物に当たり散らしていく。



(多少の力があり周囲に不満を抱いている。素行の悪さから不祥事を起こしても不思議に思われなさそうだ)



 ローブの男は素行の悪そうな男達を見て遺物探しに利用することを思いついた。



「失礼、少しよろしいですか?」


「ああ、なんだテメエ!?」



 声を掛けられた男が苛立ち混じりに振り返る。反応しなかった他の二人も同様に男に目を向ける。



「いえ、少し協力してもらいたいことがございまして」


「は? 何だって俺達がそんなこと」


「まあそう言わずに」


「じょうだ…ん…じゃ……」



 男達の反応がだんだん無くなり、心ここにあらずといった感じで立ち尽くしている。



「では行きましょうか。ついてきてください」



 指示された通りに全員が男について行き、裏路地の陰に消えていった。









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