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超能力者の魔法世界紀行  作者: 富悠
48/103

ー48ー ー帰還ー 到着






 チェイサーウルフを中心に辺り一面銀世界。


 その光景を目にしたガイカン達は興奮を隠せない者や呆然としている者、皆一様に平静ではいられなかった。



「まさかこれほどとはな」



 内心の驚愕を努めて表に出さないようにしてガイカンは呟く。


 討伐の瞬間を目の当たりにしているし、一人でもう一体の変異個体を倒した話を聞いていたガイカンはマキナが自分よりも強者であると理解していたが、想定を大きく超えていた。



(この規模の魔法を行使した後で、我々の元まで急行。さらには到着してすぐにチェイサーウルフを瞬殺。これだけの事をしているのにまるで堪えた様子が無い)



 ガイカンはマキナが特に疲れた様子を見せないことが、強がっていたり、皆を不安にさせないようにしているわけではなく、これまでの事がマキナにとっては本当に大したことではなかったからだということに気づいた。



「いやはや、まさかあれ位の年齢でこれほどの強さとは」



 持ち場を離れ近くまで来ていたカーターが呟く言葉が聞こえる。



「ガイカン君、私は詳しくないがあの若さでこれだけの強さを持つ者は珍しくないのか?」


「いえ、普通ではありませんな。森人種ですが話した感じだと見た目通りの年齢のようですし」


「ふむ。想定外のトラブルに見舞われたが、代わりに彼女と縁ができたと考えたら悪くないのかもしれんな」



 話し込みつつも進んで行き、次第に景色も元の草原に戻っていった。






ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー






「あ、マキナどこに行ってたの? ってそれって」


「これ? チェイサーウルフの魔核。凍らせてただけでほったらかしにしてたからさ。ちゃちゃっと処理してきたんだ」



 マキナが手に持つ赤い結晶を軽く持ち上げてリンに見せる。チェイサーウルフの氷像が見えてきたので後回しにしていた処理をしに行っていたのだ。



「やっぱりその辺の魔物の魔核に比べてかなり大きいね」


「変異個体のだしね。通常の魔物のとは結構違うよ」


「それにしても凄いねマキナ!! こんな大規模の魔法も使えたんだね」


「まあね。でも今回は周りに人がいなかったから使えたけど普段は危なくて使えないよ。魔力も勿体ないし」


「その割にはあまり消耗している様子じゃないけど?」


「別にこの程度で疲れたりはしないよ。魔力量には自信があるんだ」


「これだけの魔法をこの程度なんて言えるなんてよっぽど魔力があるんだね。というか勿体ないってどういうこと?」


「だって実際にチェイサーウルフに影響があるのはあれだけなんだよ。殆ど無駄じゃん。本来ならもっとゆっくり戦ってたんだけど今回は急いでたから、ちょっと雑にやっちゃった」


「ええ?」



 面倒臭かったと言わんばかりのマキナに理解できないといった反応をするリン。


 マキナとの強さに差があり過ぎて、所々話が嚙み合わないといった状態を何度か続けているうちに門が見えてきた。


 門の前には多数の組合員が今まさに増援に出ようとしているところだった。門番らと話をするためにカーターとガイカンも前にやってくる。



「ガイカン!! 無事だったのか!!」



 ガイカンを見て《民衆の盾》のメンバーが喜びの声を上げる。



「ああ、とても強力な味方が駆けつけてくれたからな。それよりもすぐに治療が必要な奴らがいる、通してくれ」


「それなら私が診よう。負傷しているであろう君達の治療要因として今回の増援に加わっていたんだ」



 そういってレン達重傷者を診て前言を翻す。



「なんだこれは!? この場じゃ無理だ!! 一刻も早く治療院に運ばなくては!!」



 想定以上の怪我の酷さに急いで運ぶよう促す。他の者が手続きをしている間に緊急性の高い者達が治療院に運び込まれた。









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