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超能力者の魔法世界紀行  作者: 富悠
36/103

ー36ー 力試し






 僕たちは今、魔物の討伐依頼を受けに組合に向かっている。レン君とリンちゃんに今の自分の強さを把握してもらう為だ。



「どの魔物にする? やっぱり最初はハイドッグにして置く?」


「それでいいと思うけどハイドッグだけ? 他のも幾つか見繕ってもいいんじゃない?」


「元からハイドッグはなんとかなってたんだっけ。後は何がいいかな?」


「ラッシュカウとかでいいんじゃない? お肉食べたいし」



 レン君達に相手をしてもらう魔物についてマキナちゃんと相談する。今のレン君達だとハイドッグだけだとすぐに終わってしまうということで他にも何種類か選んでいく。



「俺達まだラッシュカウと戦ったことないし不安なんだけど。ハイドッグより全然強いんだろ?」


「今の二人なら余裕だと思うけど… そうだね、最初だしあんまり詰め込んでも良くないか。マキナちゃん、とりあえず一日に相手するのは二種類にしておこう」


「わかった。慣れてきて問題無さそうなら増やしてみようか」


「じゃあ手続きしてくるからちょっと待ってて」



 依頼を受注するため窓口まで向かう。



「すみません。これ二つお願いします」


「はい、ハイドッグの討伐とラッシュカウの肉の確保の二件ですね。最近街道付近でハイドッグの群れが多数確認されているので注意してください」


「はい、ありがとうございます」



 手続きが終わったので皆の元に戻る。それにしてもレン君達の時もそうだったけど街道付近に魔物が増えるなんて、何か起きてるんだろうか?



「手続き終わったよ」


「ありがとう、それじゃあ行こうか」


「そういえば街道付近でハイドッグの群れが確認されてるって。もしかしたら前回のリベンジになるかもね」


「うえ!? いきなり群れと戦うのは勘弁して欲しいな」


「何言ってんの、魔物と戦うのはいつだっていきなりでしょ。心配しなくても二人なら大丈夫だよ。危なくなったら私達が助けてあげるから」



 不安気な二人にマキナちゃんが発破をかけながら先を歩いていく。いきなり群れと出くわすかはわからないけど、レン君達だけの時よりは安全だろう。むしろ僕たちがいる時で良かったかもしれない。






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 レン君とリンちゃんがハイドッグの群れを相手に立ちまわってる。囲まれないように動き回りながら、まとめて複数に襲い掛かられないように距離を調整して相手をしている。リンちゃんが氷の魔法を使って一体だけが突出するように牽制しており、レン君が突出した一体を丁寧に仕留めている。



「危な気無く戦えてるね。始まるまでは不安そうだったけど、戦いだしたらちゃんと集中できてるみたい。この分だと心配無さそうだね」


「元々大丈夫なのはわかってたしね。まさか本当にいきなり群れと戦うとは思ってなかったけど。でもこれで多少は強くなった実感が湧くんじゃないかな」


「それにしてもマキナちゃん凄いね。ウルフィンさんの真似しただけって言ってたけど、それでもちゃんと教えられてるし」


「あの二人が真剣だったからだよ」



 話している間に最後の一体をレン君が仕留めた。終始危な気無く立ち回れており、二人共無傷で終わった。これならこの辺で戦う分には二人だけでも問題ないだろう。ゴラオン達に関しては少し不安だが逃げることはできるはずだし、動向に気を付けていれば大丈夫だろう。



「お疲れ、二人共。上手く戦えてたじゃないか」


「自分達がどれくらい戦えるかこれで少しは分かったんじゃない?」


「ああ、こんなに余裕を持って戦えるとは思ってなかった。思ってた以上に強くなってたんだな」


「後はラッシュカウを討伐すれば今日はおしまいだね。初めての相手って言ってたけど、この分なら慎重に戦えば問題ないよ。油断せずに頑張って」


「よし、張り切って探すか」






ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー






 あの後二人はラッシュカウも無傷で仕留めた。ラッシュカウは成人男性位の体高で鋭い角が二本生えている牛型の魔物だ。気性が荒く、同族以外の生物を見ると突き殺そうと向かってくる。肉は食すことができ、味は家畜の牛より良いので組合の依頼によく出されている。



「今回の動きを見る感じもう二人だけでも大丈夫そうだね」


「私が思ってるよりも二人共強くなってたよ。少し心配しすぎだったかも」


「いつまでも二人に世話になるわけにもいかないしな。少しは強くなれて良かったよ」


「ソラさんもマキナもありがとう。私達だけであんなに戦えるようになるなんて思ってもみませんでした」


「僕は何もしてないよ。マキナちゃんのおかげさ」


「二人が頑張ったからだよ。これで訓練もおしまいだね」


「色々ありがとう。調査に関して困った事があったら言ってくれよ。役に立つかはわからないけど力になるからさ」


「もう十分役に立ってもらってるよ。家に泊めてくれているだけでかなり助かってるんだ」



 レン君とリンちゃんの訓練も一段落したし、僕の調査が済めばこの街を出ることになるだろう。まだ先の話だろうがその時のこと想像して少し寂しさを覚えた。



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