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超能力者の魔法世界紀行  作者: 富悠
29/103

ー29ー お泊り






 レン君に促されて中に入る。取り立てて変わったところのない内装だ。



「あ~、疲れたな。今日一日で色々なことがありすぎた」


「お疲れ。治療してもらったとはいえ、完全に治っているわけじゃないもんね。その後余計なトラブルに巻き込んじゃったしね。リンちゃんも大丈夫?」


「少し疲れちゃいました」


「余計なトラブルって言ったって原因は俺達みたいなもんじゃないか。むしろ庇ってくれて助かったよ」


「とはいえ僕もちょっと腹が立って煽っちゃったしね。もっと上手いことできたんじゃないかって」


「そうかもしれないけど元はといえば悪いのはあいつらなんだ。気にしたって仕方がない、この話はこれで終わりにしよう。謝りあったってきりないし」


「わかった。それで確認したかったんだけど組合での反応はどうだった? 一応あいつらの事は報告したんでしょ?」


「予想していた通りあまり良くなかった。街の外の事だし、目撃者が多数いるわけじゃないからって。それとなくあいつらにも問い質してみるけど白を切られたらどうしようもないって言ってた」


「まあそうだよね、しっかりした証拠があるわけでもないから。とりあえずでも確認してくれるだけまだマシなのかな」



 僕の予想だと勘違いってことで一蹴されてまともに取り合って貰えないと思ってたから、問い質してもらえるのは意外だった。あいつらの信用度がそれだけ低いってことなのかもしれないけど。



「結局どうしてあいつら魔物を押し付けてきたんだろうねー?」


「組合で言ってた強さ的に対処しきれた筈だって話か?」


「うん、あいつ一人でも時間はかかっても多分どうにかなっただろうし、仲間の二人も居たんでしょ? 余計にどうとでもなった筈だよ」


「ハイドッグの群れじゃなくてもっと強い奴から逃げたのかと思ったんだけど、周囲にそんな強い奴いなかったと思うんだよね。 マキナちゃんは何か感じた?」


「私も何もいなかったと思うなぁ」


「だよね。それにいくらあいつらでもそんなに危険な奴がいたら組合に報告してると思うんだよね。窓口で報告した時にそれっぽいこと言われた?」


「いや、何も。もしかして本当に面倒になったから押し付けてきたとかじゃないだろうな」


「まぁ、これ以上考えてもしょうがないか。さっきリンちゃんが言ってたように、しばらくは僕かマキナちゃんのどっちかと行動したほうが安全かもね」


「ごめんなさい。お願いします」


「任せて。またあいつらが来ても私がちょちょいと追っ払ってあげる」


「さ、話はこれくらいにして夕食の準備をしようか。使っていい食材はあるかな? なければ買い出しに行ってくるけど」


「あ、いや俺達が作るよ。二人はゆっくりしててくれ」


「何言ってんのさ。泊めてもらうんだからこれくらいはするよ。それに二人ともまだちゃんと治ってないんだからそっちこそゆっくりしてなさい」



 そう言って立ち上がろうとする二人を座らせると、台所まで向かって食材を確認する。とりあえず今日明日の分はありそうだ。



「ソラー、何を作るのー?」


「今からだとそんなに時間かけられないし、ユキナさんがよく作ってたスープかな。後はここに来るときに仕留めた野鳥の肉がまだ残ってるから、それを香草焼きにするのとここにあるパンかな」



 位階が上がったことによって、以前よりも細かく観測できるようになったおかげで料理を再現しやすくなった。もちろん調理技術の関係で完全に真似をするのは難しいが、何が入っているか、どのような力が加えられたかなどが分かるようになったので似たようなものを作れるようになった。後は空気に触れないようにするなど微生物の付着を防ぐことによって、仕留めた獲物の腐敗をかなり抑えられるようになった為、食材を長持ちさせることもできる。



「わかった。私は机やお皿の準備をしてるね」


「お願い」



 調理にも異能を用いることで時間の短縮する。調理器具を複数まとめて使うことや、熱の通り方をコントロールすることで温度の調節なんかもできるので、普通に調理するよりかなり早く終わる。その事をマキナちゃんは知っているので、既に食卓で待っていた。



「早っ! もうできたのか?」


「ちょっとズルをしてるからね。さ、召し上がれ」


「旨っ!? 肉もあの短い時間でしっかり火が通ってるし、買い置きのパンのはずなのに焼きたてみたいになってる」


「本当だ。どうやったんですか?」


「異能のちょっとした応用かな」


「んー美味し。相変わらず便利だよねそれ。戦闘よりもこういうのに活用してることのほうが多いんじゃない?」


「確かにそうかも」



 こうして親睦を深めながら、ロジーアの街での一日は過ぎていった。











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