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超能力者の魔法世界紀行  作者: 富悠
27/103

ー27ー 喧嘩






 殴りかかってきたのはゴラオン一人だけだった。てっきり三人まとめてかかってくると思ってたが、残りの二人は頭には来ているが手を出す程では無いようだ。


 確かにレン君に比べたら動きも早いし威力もあるけど長年魔物を狩ってきたにしてはそう大したものでもない。先程マキナちゃんとこの程度で中堅なのかと疑問を持っていたが、この街の組合員がそこまで戦闘能力が高くないのかもしれない。遺跡研究が盛んな街だし学者肌の人が多くて、強い人たちは他の街に行ってしまうのかも。



「ちっ、ちょこまかと逃げんじゃねえ」


「当てられないそっちが鈍いだけなんじゃない?」



 とはいえ何か隠し玉があるかもしれないし、下手に長引かせても時間の無駄だ。レン君やリンちゃんは不安そうにしているし、マキナちゃんはさっさと終わらせろって顔をしてる。怪我をしない程度に痛めつけるか、今後絡んでくることの無いように少し脅しつけるかどちらにしようか?



「馬鹿にしやがって…… 後悔しやがれ!!」


「おい、ゴラオン! それはまずい!!」


「ソラさん!!」


 あの程度の煽りで冷静さを失う位頭に来ていたようだ。背負っていた大剣を振りかぶって向かってくる。慌てて後ろの二人が止めるよう声をかけるが聞く耳をもっていない。


 横薙ぎををバックステップで避ける。武器を使ったところでこちらが速度で上回っている以上、状況は変わらない。ただ攻撃範囲が広がったので周囲の人に被害が行かないよう注意しないと。


 距離をとった僕に向かって上段から大剣を振り下ろしてきた。これ以上武器を振り回されても危ないので大剣を掴んで止める。力も僕のほうが上のようだし、大剣の動きをしっかり追えていたのでできると思ったが、流石に刃物を素手で掴むのは内心ひやひやした。格好つけて漫画みたいなことをしてみたが心臓に良くない。ただその分相手にも衝撃的だったようだ。



「な、馬鹿な!?」


「ゴラオンの振り下ろしを止めた!? しかも片手で!?」


「ぐ、糞っ! 離せ!」



 ゴラオンが僕の手を振り払おうとするが、僕の手は大剣を掴んだまま微動だにしない。そのまま必死になっているゴラオンを大剣ごと引き寄せる。たたらを踏んでこちらに来るゴラオンから大剣を取り上げ、勢いのまま引き倒す。



「これで終わりでいいよね? 僕たちは早く帰りたいんだ」


「ふざけんな! まだ終わっちゃいねえ!」



 まだ抵抗しようとするゴラオンの顔のすぐ横に大剣を突き立てる。



「往生際が悪いよ。僕たちはもう帰るから二度と絡んでこないでよね。次は怪我してもしらないよ」


「ゴラオン、諦めろ。お前の負けだ」



 ゴラオンのチームの二人がゴラオンを宥めている間に皆の元に戻る。レン君とリンちゃんはホッとしている様子なのに、マキナちゃんは欠伸をしていた。ちんたらやってたせいで眠くなってきたみたいだ。



「ソラさん大丈夫!? 怪我は!?」


「大丈夫。心配してくれてありがとう」


「早く行こう。私たち宿もとってないんだから急がないと」


「遅くなってごめんね。それじゃあ行こうか」



 組合の敷地を出て一息つく。死の危険がなかったとはいえ、敵意のある人間と戦ったのは初めてなので少し緊張していたようだ。



「これからは変に絡んでこないといいんだけど」


「あれだけ力の差をわからせたんだし大丈夫じゃない?」


「公衆の面前で恥をかかせたんだし逆恨みしている可能性もあるぞ」


「次は容赦しないって言ったし大丈夫じゃない?」


「何も直接絡んでこなくても闇討ちされたり、嫌がらせされる可能性もある。あまり油断しないでしばらくは一人で出歩くのは止めたほうがいいかもな」


「そうか、少し考えが足りなかったな。僕やマキナちゃんは兎も角、二人に迷惑かけちゃったね」


「そのことで二人にお願いが…」



 さっきの事の報復に来る可能性について話していたら珍しくリンちゃんから声をかけてきた。



「どうしたの?」


「私達の家に来ませんか?」



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