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超能力者の魔法世界紀行  作者: 富悠
26/103

ー26ー 接触






 レン君達に魔物を擦り付けたっていう三人組がこっちに向かって歩いてくる。見た感じレン君の事には気づいてないみたいだし、揉め事を起こしたくないこちらとしては好都合だ。気づかれる前に移動しようとレン君に促すが、その前に向こうに気づかれてしまった。無視して通り過ぎればいいものをどうやらそのつもりは無いようだ。



「よう、無事だったんだな」


「なんとかな」


「まあ、いくら新米とはいえあの程度の奴らにやられるようじゃこの先やっていけないもんな」



 平静を装って応対しているレン君を明らかに馬鹿にした様子である。後ろの二人もニヤニヤと薄ら笑いを浮かべていて気分が悪い。



「新米でもどうにかできる奴らから逃げ出していたお前達はどうなんだ? ゴラオン」


「相手をするのが面倒だったから無視していただけだ。別に逃げ出したわけじゃねえ」


「わざわざ街道近くまで来て俺らを囮にしたんだ。その言い分は通らないと思うが」


「お前がどう思おうが関係ねぇよ。俺がそうだって言ってんだからそうなんだよ。雑魚が偉そうな口叩くんじゃねぇ」



 レン君が自分に歯向かってくるのが気に入らないようだ。明らかに苛立っているのがわかる。レン君もやはり腹に据えかねているようで、相手の言葉を聞き流せずにいる。このゴラオンとやらは気が短そうだしこのままだとトラブルに発展しそうだ。レン君に早く窓口に行くよう促そう。



「レン君、早く手続き終わらせちゃおう。このままだと日が暮れちゃうよ」


「ソラさん? でも」


「ほら、リンちゃん。レン君連れて行って手続き済ませちゃってよ」



 話に割って入ってリンちゃんにレン君を連れて行ってもらうようお願いする。その際にマキナちゃんに目配せして二人について行ってもらう。


「なんだテメエ? 人が話してるところに入ってくるんじゃねえよ」


「まあまあ、あなただって一仕事終えて疲れてるでしょ。早く帰って一杯やりに行ったらどうです?」


「うるせぇな、雑魚に舐めた口きかれて黙ってられるか。雑魚には雑魚なりの態度があるって躾けてやるんだよ」


「あなたはそれなりにベテランでしょう? 駆け出しの子にあんな面倒押し付けてどうするんですか。僕達が通りがからなかったら危険だったんですよ」


「弱い奴が死ぬのは当たり前だろうが。弱いくせに粋がって街の外まで出てくるのが悪い」


「弱いってわかってるのに危険を押し付けたくせして何を偉そうにしてるんですかみっともない」



 あ、不味。思わず本音が漏れた。これじゃあ僕もレン君の事言えないや。僕も思っていたよりこいつらに腹が立っていたのかもしれない。



「さっきからなんなんだテメエはよ? 俺らに喧嘩売ってんのか?」


「絡んできてるのはそっちでしょ。いいから構わないでどっか行ってよ」


「おい、ゴラオン。もうさっさとコイツやっちまえよ」



 後ろにいた二人のうちの片割れが口を出してくる。組合内で揉め事を起こしたら怒られそうだから嫌なんだけど。なんとか穏便に済まないだろうか。



「ソラさん、ごめん遅くなった」


「ソラまだやってたの? さっさとのしちゃえばいいのに」


「組合の中で喧嘩なんてしたら怒られちゃうでしょ。それより終わったんならさっさと帰ろう」


「え? でも」



 三人が戻ってきたので喧嘩になる前にさっさと外に出よう。レン君がゴラオン達をほっといていいのかと戸惑っているが、こんな奴らにいつまでも構っている時間は無い。レン君にちょっかいを出さないよう足止めもできたし話を切り上げて外に出る。まだ宿も決めていないので急がないと道端で夜を明かすことになってしまう。



「待ちやがれ!」



 ゴラオンが僕らの前で立ちふさがり邪魔をしてきた。大声を出したからか組合に向かう人や出てくる人から奇異の目で見られる。無視して通り抜けようとするが、そうはさせまいと距離を詰めてくる。



「ここまで虚仮にされてだまってられるか! まずはテメエに自分の立場ってものを思い知らせてやる。その後はクソガキの番だ!」



 今すぐにでも殴りかかってきそうだが、それよりも気になることがある。



「レン君、ここって外とはいえ組合の敷地内だけど揉め事起こして罰則食らったりとかないかな?」


「建物内でなければ組合は基本口出ししてこないよ。当事者が組合に仲介を依頼したりすれば別だけど。とはいえ酷い怪我を負わせたりしたら組合じゃなくて警備隊に捕まるからね」


「なら問題なさそうかな」


「それより随分余裕そうだけど大丈夫なの?」


「ソラならこんな奴ら3対1でも大丈夫だよ」



 不安そうにしてるレン君に何故かマキナちゃんが答える。



「ふざけやがって! 舐めてんじゃねーぞ!」



 とうとう堪忍袋の緒が切れたのか僕に向かって殴りかかってきた。


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