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超能力者の魔法世界紀行  作者: 富悠
21/103

ー21ー ゲメの街






 レントの街とは別の道を進むと辿り着けるゲメの街。そこの門周辺でこっそり家を抜け出してきたマキナちゃんと出会った。ここまで来たらと旅に同行してもらうことにして二人で街に入った。僕もこの世界の社会に慣れているわけではないが、森から殆ど出ていなかったマキナちゃんよりはマシだろう。何かトラブルを起こさないよう、なるべくマキナちゃんから離れないようにしないと。


「日も暮れてきちゃったし早いところ宿を探さないとね」


「ほんとだよ、ずっと待ちぼうけだったんだから。なんでこんなに遅かったの?」


「景色を見ながらのんびり歩いてきたからね、特別魔物なんかに出くわしたとかは無いんだけど思ったより時間かかっちゃった」


「もー、私なんて先回りする為に走ってきたのに」


「まさか居るとは思ってなかったからね。それにしたってちょっとのんびりしすぎたかもしれないけど」


「もうちょっと遅かったら締め出されてたよ」


「ごめんって。ほら、とりあえず門番の人に聞いた宿の場所に行ってみようよ」



 ぶーぶー文句を言うマキナちゃんを宥めて先程教えてもらった宿に向かう。高くなく、かといって質が悪いわけでもないということでそこそこ繁盛しているらしく、今の時間だと部屋が空いていない可能性もあるとのことだった。


マキナちゃんを宥めている間に宿が見えてきたのでそのまま中に入る。



「いらっしゃいませー」


「すみません、まだ部屋って借りられますか?」


「はい、お客さん運がいいですね。ちょうど一部屋だけ残ってますよ」


「マキナちゃん僕と一緒の部屋でもいい?」


「いいよー。別に今更遠慮するようなことじゃないでしょ」


「まぁそうかもしれないけど確認は必要でしょ。女の子と同じ部屋にするんだから」



 確かにしょっちゅうユキナさんの家にお世話になっていたし、気にするようなことではないかもしれない。



「それじゃあ一泊お願いします」


「かしこまりました。夕飯はどうされますか? 必要であればこちらで用意いたしますが」


「どうする?」


「ここで用意してもらおう。待ちくたびれて疲れちゃったよ」


「わかった。すみません、夕飯も用意していただけますか?」


「かしこまりました。こちらが部屋の鍵になります。後ほど部屋にお持ちしますので、それまで部屋でおくつろぎください」



 鍵を受け取って部屋に向かう。室内は二人で宿泊する分には十分な広さだった。荷物を降ろして一息ついた後、マキナちゃんに気になっていたことを聞いてみる。



「さっきからずっと気になっていたんだけどさ、あのリュックにくっついているのが前に行っていた人形?」


「うん、そうだよ。可愛いでしょ?」



 デフォルメされた女の子みたいな人形が、マキナちゃんが背負っていたリュックの側面に二つ付いている。以前お説教の最中に話題に上がった人形。なんでもユキナさん達は人形を武器にして戦うって言ってたけど。



「可愛いけどさ、それでどうやって戦うの?」


「魔法使いの杖みたいに触媒のようにして使ってるの。私たち森人種は自然の中に存在している精霊にお願いして力を借りることに長けているんだけど、この人形は精霊達が気に入りやすいように作ってるんだ」


「それマキナちゃんが作ったの!?」


「そうだよ。それでね、人形の中に精霊が入ってくれることで感応しやすくなったり、借りられる力が大きくなったりするんだ」


「へぇ、じゃあ森人種の人たちは皆そういう人形を自分で作れるんだ」


「そうでもないみたい。私はよく知らないんだけど他の森人種は精霊を人形に入れるなんて不敬だって怒るみたい。お父さんとお母さんがこの人形の作り方を見つけたみたいだけど、それが原因で他の森人種に殺されちゃったんだって。その時にお姉ちゃんは赤ん坊だった私を連れてあの森まで逃げてきたみたい」


「ごめん、悪いこと聞いちゃったね」


「いいよ、私なんにも覚えてないから実感ないし」


「でもなんだってそんなことになったんだろうね? 精霊は人形を気に入ってるんでしょ?」


「うん、お姉ちゃんが言うには他の森人種はそれが分からなかったんだって。精霊に一方的にお願いすることができるだけで、精霊がどんな気持ちなのかまでは感じることができないんだって」


「じゃあ一方的にいちゃもんつけてきたってこと?」


「そういうことみたい。他の皆は感じれないからお前達は嘘を言っているって。私の両親やお姉ちゃん、もちろん私も精霊が言いたいこととかなんとなく感じれるんだけど、特別感応能力が高いからできるだけで普通はそこまでじゃないってフィリアさんが言ってた」


「ならマキナちゃんやユキナさんはただでさえ精霊に力を借りやすいのに、人形のおかげでさらにお願いしやすいってことでしょう? すごいね」



 マキナちゃんに色々教えて貰っていると、部屋に夕食が届いた。食事をしながら今後の予定の話に花を咲かせる。日が完全に落ちて外が真っ暗になったころにはお互いに床に就いていた。
















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