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超能力者の魔法世界紀行  作者: 富悠
103/103

ー103ー 浮遊大陸






 飛空艇がゆっくりと広場に向かって降りていく。


 飛空艇が少しずつ浮遊大陸に近づいていくのを甲板で眺めていた。隣でマキナちゃんが目を輝かせながら僕と一緒に眺めていた。


 しばらく眺めているとついに飛空艇が発着場に着地した。回っていたプロペラの動きがゆっくりと遅くなりやがて停止する。


 飛空艇が完全に動きを止めたのを確認したからか、飛空艇の周囲に発着場の職員らしき人達がたくさん集まってきて乗降用のタラップを用意し始めている。



「忘れ物のないようご注意いただき、職員の指示にしたがって飛空艇から降りる準備をお願いします」



 甲板に待機していた職員が降りる準備を始めるよう声を張り上げて促し始めた。内部で船室にいる人達にも別の職員が声かけを始めたようだ。



「景色が物珍しいのはわかるがすぐに降りるぞ。私達は荷物が少ない分このまますぐに降りれるからな」


「わかった。ほら、マキナちゃん」


「うん」



 フィルに促されて職員の傍まで向かう。指示にしたがって所定の位置で待っているとすぐにタラップが用意された。



「ではどうぞ。足元にご注意を」


「ありがとう」



 今にも駆け下りそうなマキナちゃんの手を掴んで抑え、ゆっくりと下に降りていく。そうして僕達は浮遊大陸の大地を踏みしめた。



「凄いな」


「どうした?」


「かなりの上空に位置しているはずなのに、地上と殆ど感じ方が変わらない。全然寒くないし風も強くない。それに呼吸もしづらくない」



 あまりこの辺の知識がないから詳しいことは分からないけど、気圧の違いなどで標高がこれだけ違えば環境の変化もかなり大きいはずだ。



「多分それは風の精霊のおかげだと思うよ」


「え?」



 興奮して周囲を見回してたマキナちゃんが話し声が聞こえたのか教えてくれる。



「ここ、凄い風の精霊が多い。それに片手間とはいえ環境の調整みたいなこともしてる。普通はこんなことしないから多分この大陸に風の大精霊がいるんじゃないかな」


「ああ、確かにいるという話は聞いたことがあるな」



 へー、でもなんでそんなことしてるんだろ。精霊にとって寒さとか影響は無さそうなんだけど。



「さて、これからは今までと違って少し急いで移動するぞ。ここに泊まらずすぐにヴァントゥールに向けて出発する」


「了解。飛空艇で十分ゆっくりできたし、僕はいつでも大丈夫だよ」


「私もー」


「よし、では行くぞ」



 本音を言えば少しこの辺りも観光してみたかったけど、後で来ることだってできる。まずはフィルの用事を済ませて、ヴァントゥールに何が起こってるのか確認することが優先だ。






―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――






 ヴァントゥールに向かって動き出してはや数日。ここまで襲撃は無かったが、あと少しでヴァントゥールというところで襲撃があった。


 どうせならこのまま何事も無くヴァントゥールに到着できれば良かったんだけど。


 襲撃者は目の前に立ち塞がってきたのが三人、奥に見える岩の陰に二人隠れている。



「何か用か? 見ての通り急いでいるんだ。手短にしてくれ」



 念のため敵じゃない可能性も考えてフィルが確認しているけど返答はない。



「用がないなら通らせてもらう」



 警戒しながら横を通り抜けようとすると遠くから矢が飛んできた。風の魔法がかかっているのかとんでもない速度だ。


 僕達が矢に気をとられたのを隙と見たのか立ち塞がっていた三人が襲い掛かってきた。


 咄嗟に飛び退きながら、飛んできた矢を三人のうちの一人に向かわせる。



「っ!?」



 急に向きが変わって自分に飛んできた矢に驚いている様子だったが危なげなく切り払っていた。



「僕はあっちで隠れている奴らの相手をする。そいつらは二人に任せるよ」



 今の攻防の間にも、いくつもの矢が降り注いでいたけど全て操作して敵に狙いを逸らす。そのまま一直線に矢の雨の中を突き進んでいくと、無駄だと分かったのか矢の雨がぴたりと止まる。それにしても岩陰に隠れた状態で僕達に狙いをつけられるってことは、何か感知する方法をもってそうだな。


 隠れている二人は剣を抜いて、僕が岩を回り込む瞬間を見計らっている。タイミングを見て急襲する素振りを整えているのを見るにやはり感知されているようだ。


 でも関係ない。隠れている岩は人を数人隠せる程度の大きさでしかない。このくらいなら岩ごと吹っ飛ばせる。


 接近して岩を思い切り蹴りつける。岩が爆散して吹き飛んでいく。それに巻き込まれて二人も一緒に吹っ飛んだ。砕けた岩の破片が幾つも二人にぶつかる度に金属音を響かせていく。どうやらぼろ布のマントの下に鎧を着込んでいたようだ。


 地面に落ちた二人は死んではいないようだが意識を失ったみたいだ。二人を浮かせてマキナちゃんとフィルの元へ運んでいく。


 

「そっちも終わったみたいだね。ってどうしたの?」


「それが」


「生け捕りにして話を聞こうとしたら全員自害したんだ」



 三人に目を向けると、首から下を地面に埋められているやつ、下半身を凍らされているやつ、地面に倒れこんでいるやつ、全員が死んでいた。



「この埋まっているやつなんかはどうやって死んだの?」


「毒だ。歯にでも仕込んでいたのかこの状態でも自害した」


「じゃあこいつらは死なれないように注意しないとね」


「ああ、ソラが気絶させていてくれて助かった。先を急ぎたいが情報も欲しい。自害できぬよう調べてから拘束しておこう」



 調べてみると話にあった通り奥歯に毒薬が仕込んであった。魔力を集中させることで服毒できるみたいだ。使われないように取り上げて、身動きができないよう拘束する。


 後はこいつらが目を覚ますのを待つだけだけどどうしようか。


 ん? フィルがなにやら一人に近づいてる。何するんだ?


 フィルの動きを眺めていると、フィルが気絶している一人を思い切り引っ叩いた。









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