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超能力者の魔法世界紀行  作者: 富悠
102/103

ー102ー 飛空艇 ー8ー






 マキナちゃんと二人で部屋に戻る。


 部屋の中ではフィルが椅子に腰かけ本を読んでいた。僕達が部屋を離れている間に普段通りの様子に戻ったみたいだ。



「おかえり、二人共。さっきはすまなかったな」


「別にいいよ。もう落ち着いたみたいだね」


「ああ、情けないことだ。元々予想していたことだったのにまさかこうもショックを受けるとはな。内心では家族の事を信じていたかったということか」


「なに言ってるのさ、ショックを受けるのは当然だしそれを恥ずかしく感じる必要なんてないよ」



 フィルは先程動揺を抑えられなかったことに不甲斐なさを感じているみたいだけど、家族に命を狙われて動揺するのは仕方ないことだろう。向こうはどう思ってるかは分からないがフィルはまだ第一王子の事を家族だと思っているみたいだし。



「そんなことよりさ、フィルが一人で部屋にいる間に何も起きなかった?」



 空気を変えようと思ったのかマキナちゃんが僕達が部屋を離れていた間の事を確認している。急に話題を変えた為、フィルは少し驚いたようだがすぐにマキナちゃんの気遣いを察して少し沈んだ空気を振り払った。



「特に何もなかったがそちらでは何かあったのか?」


「なにかあったというか、怪しい奴を見つけるのに失敗した?」


「どういうことだ?」



 要領を得ない返答にいまいち理解ができない様子のフィルに先程捕まえた蝿を見せる。あの後また操作されないかと念のため生かしたままにしている。


 僕の手のひらの上に転がっている、念動力で拘束された蝿をまじまじと見るフィル。



「これは?」


「この部屋に向かって飛んでいるのを捕まえたんだ。なんか操られているみたいだったから怪しいと思って」


「操ってたヤツを探ろうとしたんだけど途中で逃げられちゃったんだって」


「何か心当たりはある?」


「一つある。いや、しかし」



 どうやら心当たりがあるみたいだけど妙に歯切れが悪い。



「どうかしたの?」


「我が国に虫を操る異能を持つ人間がいるのだが、もしやその者がとな」


「第一王子の側についちゃったんだ。諜報活動に便利そうだしちょっと厄介だね」


「そうじゃない。いやそうでもあるんだがそういうことじゃないんだ」


「どういうこと? 諜報能力だけじゃなくてすごく強いとか?」


「能力も確かに厄介だが違うんだ。立場が問題なんだ」


「立場?」



 なんだろう? 政治的な話だろうか、あまりそういうのは得意じゃないからついて行けるかわからないんだけど。



「この者は国王直下の諜報員の一人のはずだ。国王にのみ忠誠を誓い、王族の我々でも命令する権利はない」


「じゃあ王様が探ってたってこと? フィルに伝えたいことがあって接触しようとしてたとか?」


「わからん。そもそも接触をしたいのならこんな方法にする必要はない。それに少し遅れているとはいえ連絡もしている。諜報員を動かす必要はないはずなんだが、なにか嫌な予感がするな」



 フィルが険しい顔をして考え込んでいる。第一王子が何かしら諜報員の弱みを握って動かしたのかとも思ったけど、王様に直接仕える諜報員が自身の情報を掴まれるなんて間抜けなことをするだろうか? 


 それともやっぱり事情があって王様が諜報員を動かしている? それだとこの蝿を捕まえたのってまずかったかな。余計な事をしちゃったかも。



「どうするフィル。なんなら操られてる虫は防がないようにするけど」


「いや、防いでいてくれ。なにが起きているか分からない以上、用心するにこしたことはない」


「わかった。とりあえず怪しいのは全部はじいとくよ」


「頼む」


 

 この後もしばらく悩んでいたが結局答えは出ず、やがて皆で眠りについた。そして次の日、ついに飛空艇がヴァントゥールのある浮遊大陸に到着した。






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