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JUN-AI ~身がわりラヴァーズ~  作者: よつば猫
純愛
32/48

 そして響を想うほど、中途覚醒は酷くなる。

それは回数だったり時間だったり……

どうしよう、このままじゃ身体が持たない。


 今はGWの連休で、仕事が休みだからよかったものの……

もっと強い眠剤に変えてもらおうか?

それとも量を戻そうか?

でも断薬まであと少しだから、ここで逆戻りしたくない。

響のサポートを無駄にしたくない。



 なのにその人の、思わぬ提案。


「……憧子さん。

いったん減薬、休憩しない?」


「えっ……」

どうしてそう思ったのだろう。

まさか、中途覚醒に気付いてるのだろうか?


 そういえば響も、いつからか眠そうにしてるし。

もしかして、頻繁なそれで起こしてしまってるんじゃ?

心配になって戸惑うと。


「目の下にクマが出来てるから、あんまり眠れてないんじゃない?」

最もな理由が告げられた。


 でもクマは、異動準備で大変な響だって出来てるし……


「……大丈夫。

私も今仕事がハードで、疲れてるだけ」


 響の事だから中途覚醒を知ったら、毎回は無理でもそれに付き合ってくれるだろう。

でもその時間は一真との時間だし、響に無理もさせたくない。

そう思って、クマを疲れのせいにした。


「だったらなおさら、減薬は休憩しよう?

疲れてる時は無理しない方がいいし、気長にやってこう?

あと、お弁当もしばらく休もっか」


「響……

ありがとう。

もう少し様子を見て、キツかったらそうする」


 無理はしない、必要以上に頑張らない。

そう決めてたけど……

今はもう少しだけ、頑張りたい。


 だけどそう言われて、気持ちが楽になったのだろう。

お弁当も強制休暇を取らされて。

それ以来、中途覚醒が若干治まった。


 やっぱり治そうとしてるのが、プレッシャーになっていて……

それも原因の一つだったんだろう。





 そうして、GWも明け。

仕事から帰って来ると……


「今日さ、ひでとさんに会ったよ」


「えっ、どこで?」


「新店舗」


 なんでも、今日休みだった響はオーナーさんと視察を兼ねて、そこを工事している大工さん達に差し入れに行ったのだとか。

その大工さん達の中に、まさかの秀人がいたようで。

どうやらオーナーさんと、秀人の会社の社長さんが知り合いだったらしい。


「大丈夫?

なにか失礼な事、言われなかった?」

その発言はむしろ秀人に対して失礼だけど。

感謝や申し訳ない気持ちはあっても、それとこれとは別問題で……


「特に。

むしろ、あの人の事見直したっていうか……

ごめん、偉そうな言い方して悪いけど」


「ううん、見直したって何を?」


「ん……

なんかムードメーカーで、腕もすごくいいみたいで。

みんなに慕われてた」


「うん……

秀人は本当に優しくて、面倒見もいいから」

友人を理解してもらえて、嬉しい気持ちで目を細めた。


「……なのに、お互いの気持ちは自覚してないんだ?」


「はっ?……なんの事?」

気持ちの自覚という言葉に、過剰反応してしまう。


 まさか私の気持ちがバレてる?

でもお互いって誰と誰?


「……なんでもない」


 結局それ以上、聞き出せなかった。




 そんなある日、何かの感覚で目を覚ますと……

私の指先にキスしてる、響が映り込む。


 瞬間、バチッと目が合って。


「あ……

ごめんっ、起こしたっ?」


「ううんっ、いま何時っ?」

2人して動揺する。


 でもなんでそんな事を、そんな愛しそうに……

時間を耳にしながら、そう思ってハッとした。


 眠ってれば、私のパーソナリティはほとんど封じられ。

このビジュアルだけが残って、ちひろさんに1番近い状態になる。

そう気付いた途端。

膨らんでた胸が潰されて、眉をひそめて唇を噛みしめた。


「……ごめん、引いたよね」

その謝罪はコピー扱いしたのを認めたようなもので……


「謝らないでっ。

私は別に、気にしてないから……」

嘘、ほんとはすごく切ない。


ー「たぶんこの先も、千景以外愛せないんじゃないかなって」ー

響の言葉を思い出して、いっそう切なくなる。



 少しでいい、私も響の愛が欲しい……





 それから幾日が過ぎて。

朝、携帯を充電器から外そうとしていたら……

その横で充電している響の携帯画面に、ツイッターからの通知が表示される。


 え、響もツイッターしてたんだ?

そう思ってすぐ。


ー「憧子さんツイッターとかしてるんだ?

おもしろい?俺もやってみようかな~」ー

そんなやり取りを思い出す。


 本当にやってみたんだ……

どんな事を呟いてるのか、無性に気になる。




 さっそくその日、仕事を終えると。

車に乗りなり、ツイッターを開いて友だち検索をかけてみた。


 仕事中、響のツイートが気になってしょうがなかったし。

家に帰ると、今日休みの本人がいるだろうから。


 その検索は、アドレス帳に同期して知り合いを探す機能で。

今までオフにしていたそれを使うと……

響は初期設定で誘導されるままオンにしていたのか、すぐにそれらしいアカウントが表示された。


 アカウント名をKと名乗るその人の、アイコン画像は美容師の道具で。

ユーザー名には、ローマ字でちひろさんの名前が含まれていて。

響だと確信したと同時、ズキリと胸が突き刺される。


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