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JUN-AI ~身がわりラヴァーズ~  作者: よつば猫
変化
22/48

 そして3月上旬。

最近はシャンプー&マッサージの後や、寝る時間帯になると、眠気を感じるようになって来たけど……

相変わらず眠剤がなければ眠れない。


 そういえば仕事始めの時以来、中途覚醒も落ち着いてたけど……

ここ最近はまた今まで通り。


 いい雰囲気になって、色々と変化はしていても……

それは一進一退で、さらに気持ちには波がある。


 響との生活で、その波も落ち着いてたのに。

日々募ってる後ろめたさに触発されたのか……

尽きる事ない後悔が、不意に激しく押し寄せる。


 今月も12月同様に忙しい響は、帰りも遅く。

部屋でひとり、思い出のビデオを涙ながらに眺めては……

低浮上ぎみだったツイッターを開いて、何度もごめんねと呟いた。




 すると、帰って来た響は……

私の異変にすぐに気付いて、そっと傍に寄り添ってくれた。


 すごく疲れてるだろうし、かなりお腹も空いてるはずなのに。

その時の私は、響を気遣うどころじゃなくて……


「なに見てたの?」


「……幸せ」

そう答えて、眺めてたビデオをまた再生した。


 それはプロポーズにイエスの返事をするために訪れた、Jホテルでの様子で……



『えっ……』

部屋に入るなり言葉を失くした私は、一真がビデオを向けてるにもかかわらず、後ずさって部屋番号を確かめる。


『ははっ!驚いたっ?』


『信じらんない……

これ、どーしたのっ?』


『今朝出張から帰って来て、今日は代休だったからさっ。

朝から頑張ってみましたっ』

私を映してたビデオが、そう室内に向けられる。


 そこには、目を見張るほどのバルーンアートが施されていて……

壁や床一面が彩られ、天井にはヘリウムガスで浮かせたものもあった。


『俺のバルーン構築はいかがでしょーかっ』


『言葉に出来ないくらい、感動してるっ……

でも、なんでこんなっ?』


『んんっ?

ここに来てくれたって事は、俺のお嫁さんになってくれんだろっ?

だから、感謝のサプライズ!』


 俺のお嫁さん……

その言葉にものすごく動揺しつつも、照れくさくてごまかす私。


『っ、ありがとうっ……

けどもし来なかったら、このバルーンどーするつもりだったのっ?』


『その時は片っ端から割って、ハートブレイクのショックを発散したかなっ。

けど……

来てくれるって信じてた』

そう言われて。


 いろんな想いが込み上げた私は、涙ぐむ。


『あぁ待てっ!まだ泣くなっ。

こっからが本番だから。

いくぞっ?』


 戸惑う私にヘリウムバルーンの紐を持たせて、それを頭上でパンと割る。


『っっ!

う、そ……すごいっ』

辺りがキラキラの紙ふぶきに包まれる。


『よしっ。

じゃあ今から2人で浮いてるヤツ全部割るぞっ?

そんで、薔薇の花びらが出たらキスしよう!』


 ビデオが固定されて、2人の姿が映り込む。

そして私達ははしゃぎながらバルーンを割って、キスして戯れ合って……


 残りも少なくなって来たところで。

盛大なキラキラと花びらを狙った私が、立て続けにバルーンを割った。


『えええっ!』

『なにっ?』


『いやっ、まさかそんな連続でくるとは思わなかった』

うなだれる一真。


『連続で割っちゃ、ダメだった?』


『やっ、そーじゃなくて……

あぁっ!俺ってなんでこうツメが甘いんだろっ』

そう何かを探し始める。


 状況を問い質すと、今連続で割ったバルーンの中にエンゲージネックレスを仕込んでた事が明かされて……

2人で大捜索が始まる。



『もうっ、なんでそんな大事な物そのまま入れるのっ?』


『やっ、その方が入れやすくてさっ。

それに一応、リボンは付けてたんだけど……

赤の小さいヤツ』


『そんなんじゃっ……

この状態から探すには、難易度高すぎなんだけどっ』


 床はたくさんのバルーンと紙吹雪、そして赤い薔薇の花びらで埋め尽くされてた。


『そーゆうなって。

こんな予想外のサプライズも楽しいだろっ?』


『まぁ確かに……

なんだか宝探しみたいで楽しいかもっ』


『だろっ?

これも計算の上だからっ』


 はいはい、と流すと。

おもむろに……


『けど……

こーやって人生の宝探しも一緒にしよーなっ?

どんなに難易度高くても』


『っ……うんっ』

一真の言葉にグッと胸を熱くして、再び涙ぐむと。


『あった!』


『えっ……

うそ、ほんとにっ?』


 そして見せられたそれに感動して、言葉も忘れて見惚れる私。


『リングは結婚指輪を買うし、憧子の仕事がらネックレスの方が邪魔にならないかなって思ったんだけど……

気に入ってもらえた?』


『うん、すごくっ。

それに、わかってくれてて嬉しい……

ありがとうっ、一生大切にする』

感極まって、とうとう涙が零れ落ちる。


 そんな私の首元に、一真からネックレスが付けられた。





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