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稲荷編その4

はやは車から降りると、境内の渡り廊下横の花が咲き乱れた花のトンネルを抜けて宿舎の前に立った。ライダースーツは体にピタッとしてセクシーなボディーラインを写し出していた。頭上のキラの髪の毛は真っ白ではやの足下まで垂れていた。それにしてもキラの眼光は鋭く青く光っていた。そのキラの口のした辺りからはやの顔が見えたがこれもまた、はっとするような美人だった。




はやはゆきの部屋の隣のとびらを開けた。


部屋はゆきによってよく管理されているようだった。はやはライダースーツを脱ぐとシャワーを浴びた、もちろんキラと一緒だが。


そして白の小袖と緋袴を身に付けるとゆきたちが待つ能楽堂に急いだ。後ろ姿は髪の毛の異様に長いみこさんにしかみえない、


手には数十冊のノートが抱えられていた。恐らくは一年分、365冊あるうちの一つであることは想像できた。




はやは神殿の奥の庭園に出ると池に架かった太鼓橋をわたり池に浮かぶ能楽堂のような建物に入っていった。池はかなり大きかった。風もなく水面は澄みわたっていた。時々笛の音と共に柏手を打つ音が遠くに響いていた。







能楽堂の板の間の奥にある8畳ほどの畳の間にはすでに一の眷属、多胡が端然と座っていた。


頭上の精霊は黒色の犬のようであり毛は短かった、ただ特に目立つのはちょうど左目の上辺りから刀傷のようなものがあって、それをまた縫っているかのような傷でもあった、やはり瞳は青かった。


その口の辺りから多胡の顔も始まっていたが、年の頃は70過ぎの、顔に刻まれた皺が老獪な雰囲気を醸し出していた。


青っぽい着物の上に、まるで山伏が着るようなボンボリがついた物を羽織っているようだった。




部屋の隅にはゆきも控えているようであった。


ゆきははやを見ると、お姉ちゃん、と小さく呟いた。



ただいま戻りました。

はやは多胡の前に正座した。



多胡は顔を崩してにこやかに、よく戻った、と労った。



今日はゆっくり休めばよいが、

どうしても話したいことがあるとか…と言って


ゆきを手まねくと、ゆき、はやにあれを。といって、まあお茶でも飲みなさい。と自身も茶碗に口をつけた。



はやも茶碗に口をつけたがそれはミルクティーだった。懐かしい味だ。



そして足を崩すと10月2日と書かれたノートを開いて読み上げた。



10月2日、宏一郎殿の一人娘が病にかかり手術をした。肺に穴のあく病気であったが命に別状はなかった。特に心配はなかったが宏一郎殿は赤間神宮まで出向いてご祈祷までした。


ここでキラが口を開いた、病状は問題なかったが手術にいささか問題があったようだ、さよう…医者の手際に。



はやはさらに続けた。





次回に続きます。(©️2022 keizokawahara眷属物語)


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