戦闘テスト後編
「ふっ。我が力を開放しざる負えないようだな。
作戦2だ。我の力で、この戦いにピリオドを打とうじゃないか」
田中…?
「凝固!!」
そう叫ぶと、田中は手で空をかすめる。
「ふっ。お前たちには見えないだろう。この、我の想像し、漆黒剣を!!⚔」
なんか…どことなくダサいというか…
「まあ、剣は作戦に何の関係もないがな。」
いやないんかい!!
「もう一度…凝固!!」
うぐっ。なんか背中に違和感が…
な!!背中にかけての空気だけが凝固している!?
「ふっ。どうだ。この…ミラクルスーパー神神神―――」
「いや、すぐに取れんじゃん」
山田がそう言って、前に飛びのの、伸びたりしている。
「え??」
え??マジで??ガチ??
田中…まさか…ザコい??
「ちっ。やはり範囲が広すぎたか。」
ああ、田中…。(哀れみの瞳)
「でも、目的はそれじゃない」
神崎 が言う。
目的が違うって…田中、さっきのは……(再びの哀れみの瞳)
「竹杉!!」
山田が叫ぶ。見ると、竹杉 が岩山のスキル「風使い」で周りを風で覆われている。
これで、俺達の声は竹杉が聞こえないし、竹杉の声も、俺たちは聞こえない。
ヤバい…こっちでまともに作戦とかそういうの考えられそうなの、竹杉しかいねぇ…
竹杉との、コミュニケーションが封じられれば、負ける……!!そしてアイスを食えなくなる…!!
「問題はない。今からそっちに戻るよ」
竹杉がつぶやく。もっとも、風の音で、誰にも聞こえていなかったが。
(境木!!聞こえるか!!)
風に吹かれながらも、遠くの境木の顔を覗き込む。
境木の顔が輝いた。
「聞こえるわ!!」
竹杉は風に閉じ込められていて、返答は聞こえない。
だが、竹杉は、境木の表情だけで作戦を進めるのに事足りた。
(スキルというものは、強ければ強いほど、体力を使う。ならば、そろそろ、体力が尽きるんじゃないか?)
「はあ、はあ、神崎くん!!ごめんなのだ!!」
岩山が叫ぶ。よく見れば岩山は肩で息をしている。
途端に風は止み、岩竹杉は風の真ん中を堂々と、割って進んできた。
「じゃあ、チェックメイトだ」
竹杉、かっけええええ
「うおおおお!!」
満身創痍な一班の輩たちに、どんどんインクを付けていく、俺と山田。
これぐらいはできるぜ。
ちな、神崎と三森は抵抗したが、結局折れてアイスを諦めたようだった。
ああ゛〜!!戦いの後のアイスはうめえええ
一班をドヤ顔で見つめてるけど、いや〜勝っちゃいましたね。
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ついに中学校、初日、終わり!!
楽しかったな〜。
明日は、魔族の授業と、特殊スキルの特訓か〜
そう思いながら、手を洗いに、洗面台まで行くと、ふと鏡に映る自分に目を奪われた。
「俺って…両親と似てないよな」
そう呟いた。 それもそうだ。
母、佐藤喜佐子は、黄色がかった髪に、紺色の瞳。薄っすらと欧米人の血が入っているらしい。
父、佐藤大輔は、赤みがかった髪に、茶色の瞳。
姉、佐藤海奈は、赤みがかった髪に青い瞳。いや〜鬼姉。
対して僕、佐藤拍真は、真っ黒の髪に、真っ黒な目。
これは…
いや、流石に考えすぎだよな。
そんな甘い考えは、昼食が終わった後に打ち砕かれた。
「今日で拍真はもう中学生、海奈は中学三年生になったでしょ」
お母さんが言う。前置きとは珍しいな。
「俺から伝えるよ。」
お父さんが言う。なんか嫌な雰囲気、やめてくれよ。
「あのな。拍真は…」
お父さんとお母さんが向き合って一緒に言った。
「私達(俺達)が産んだ子じゃないの」
「え??」
何…言ってるんだ?
いや、え??
「冗談でしょ…?」
何よりも深刻そうな、姉貴の顔を見て分かった。
そういうことか、と。
納得は悔しいがする。たまに見るあの夢だって――きっと、いつかの記憶だ。
「あなたを拾ったのは、あなたが一歳にもなっていなかった時」
「近くの魔雑林で、拍真を拾ったんだ」
「魔雑林って…その中で?」
姉貴、そんな深刻な顔するなって。
「記憶は――無いこともないんだ。魔雑林の中だろ?俺が捨てられたのは」
「え?いや、そんなことなかったぞ」
「え??」
家族全員の目が点になったような気がした。
「というより、危険な魔雑林に入るわけ無いじゃん」
「そ、それもそうだけど…」
だったらあの記憶は何だったんだ??
「でもさ!!拍真が私達の家族ってことには変わりないじゃん。今まで通りで行こ!!」
姉貴…たまには、いいこと言ってくれるじゃねぇか。
「うん!!俺達は永遠に家族だ!!」
真夜中に明るい声が響いたとさ。
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「それで?王座奪還にためには、たくさん仲間が必要なのよね!!ゼエン!!」
ここは魔族の王都。魔雑林の奥にある、黒艶城だ。
リーシャ――ピンクの髪に誘惑のこもった瞳。特殊スキル「サキュバス」。
ゼエン―――魔王国の王子。特殊スキル「黒艶」を持ち、上王率いる、血の繋がりのない、第一王子と、王座争いをしていた。
「ああ、リーシャ。そろそろだぜ これから仲間に引き入れる第一号が、ちゃんのこっち側に来てくれれば、俺が王座につき、この平和のない地獄を終わらせることができる」
「ついに、といったところですね。黒崎様。 なっ――― 前方に!!」
「上王!!」
「フッフッフッ口の聞き方がなっとらんなぁ それで?出来損ないの貴族もどきと、抜け殻の男、それに無知な王子。貴様らに何ができるんじゃ? フォッフォッフォッ」
「貴様――!!ゼエンをけなすのは許さないんだから!!」
「薄汚れた平民の娘が!!この私を侮辱したな。私の一言で、貴様の命など、容易に片付けられるのだぞ そこのもの!!この小娘を牢獄にぶち込め!!」
「はっ上王さま!!」
二人の衛兵がこっちにやってくる。しかし、リーシャと目があった途端――
「うっお美しい…この娘を牢獄に入れることなどできません…」
特殊スキル「サキュバス」の力だ。
このスキルは常時発動型であり、いつでもリーシャと目が合えば、強い意志でもない限り、恋に落ちる。
この三人は、ただの三人ではなかった。
次回予告
謎の会話に始まりの予感。
魔族の王子ゼエンたちの動向とは?
次回《魔族の王で》