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生贄

一話


生贄






真っ赤な椿の花言葉はね、


「控えめな素晴らしさ」

「気取らない優美さ」

「謙虚な美徳」


……そして「罪をおかした女」というのよ__







黒栞が来た。


一昨日届いた。初めて見る物で、一瞬何の事なのか分からなかったが、母がそれを見て青ざめた顔をしていたのだ。


黒栞が届くと言う事はこの国では、


生贄に選ばれた___と言う事だ。




この国では毎年、生贄が5人選ばれる。


その5人は性別はバラバラの若い人間を選ぶ。


誰が選ぶのかは、分からない。私はなぜ選ばれたのか、分からない。


ただ、一つ言えるのは、神様に献上されると言う事だけ。


つまりは、死だ。



「加奈子さんのお宅ですね」



二日後すぐに軍服に身を包んだ兵隊さんがやってきた。


母と父と、満足にお別れの挨拶をする暇もなく、私は一瞬にして車に乗せられた。


大丈夫ですよ、神様に献上されると言う事は悪い事ではないですから。


悪いようにはされませんから。


なんて目の前の神服を身に纏った男が言っている。


私はそんな話より、家族ともっと一緒にいたかった、ちゃんと話したかったのに。






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