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でたらめだな!

「瑞樹、見えたぞ! オークだけじゃなくて、森林の魔物も引き連れてやがる!」


 出発前にギルマスが話してた少なく見積もって二百体と言ってたけど……。

 集落の本隊役のロードに百五十体、挟撃したジェネラルに五十体、で今あそこにいるキングが連れてるのが五十体位で合計二百五十体か。

 まぁ誤差の範囲ギリギリだけど、想定外なのはオークだけじゃなかったってところだ。

 それは『雀の涙』や一緒に来て来れた他の冒険者も同様だったらしい。

 状況が二転三転する中で皆、よく頑張っていると思う。

 俺なんて既に、取り敢えず敵を倒すだけって言う、脳筋でも良いやってなって来とるわ。


「様子が変ですね……」


 何か状況がおかしいと感じたマルトの呟きに、単眼鏡を使って状況を確認すると、とんでもない事態が起きていた。


「ベリットさん、街の門が破られてます! あと、キングの取り巻きはファイターやアーチャーで普通のがいません!」


 間に合ったと言えばそうだが、状況は芳しくない。

 奇跡的に戦線は押さえて入るけど、横から突破した魔物が壊された門から中へ入ろうとしている。

 その穴の前で冒険者が必死に通すまいとしているけど、これも時間の問題だ。


「瑞樹ちゃん、さっきのすごい魔法は使えない?」


「無理ですね……敵味方入り乱れていますので、巻き込んでしまいます」


 流石にそれはダメだろうな。


「なら当初の予定通りだ! 俺らのパーティはギルマスと合流するから、瑞樹は他の奴らと背後から攻めてくれ!」


「わかりました、ご武運を!」


 俺らは笑顔で別れた。

 さて、やっと本命のキングか。随分と手間をかけさせてくれたな、ここまで来れば正々堂々と真正面からその首切り落としてやる!

 俺は先頭を走り先陣を切ってキングに向かう。

 自分らが散々奇襲をかけてきた相手に裏をかかれると思っていなかったのか、キング共々混乱した様子だ。


「混乱しているぞ! 一気に叩き潰せ!」


 一緒に先陣を切った冒険者が叫ぶ。

 俺もその気合いに乗って、スローイングナイフを投げると、自分でも面白くなるほど吸い込まれる様にアーチャーの頭に刺さっていった。

 アーチャーの数はそんなに多くないし、遠距離を打てるのはあいつらだけだから、先に潰しておいた方がいいだろう。

 ガンガン投げるぞ!

 




「ギルマス! 御無事で!」


「ベリットか。と言うことは、瑞樹ちゃんは間に合ったと言うことかのう?」


「そう言うことです。今頃は背後から奇襲をしている事でしょう」


 そう聞いたギルマスは、少し肩の荷が下りた様に大きく息を吐いた。

 が、まだ余談は許さない。


「門が破られていますね。中には?」


「まだ大丈夫じゃ。キングが投げてきた斧を防いだらあの様じゃ……」


「それは……運がないと言いますか……」


 取り敢えず応急処置で穴を塞いでいるが、それもひとたまりもないだろう。

 今のところギルマスの範囲魔法と、俺達の奇襲が上手くいって、この短くも長い戦闘に終止符が打たれるだろうと俺は思っていたんだが。



「アーチャーは全て倒しました。あとはキングとファイターのみです!」


 少しだけ先が見えて、周りの士気も上がる。

 いい感じだと思っていたら、キングも自身の状況を把握出来たのか、恐ろしい行動に出た。


GAAAAAAAAAAAAAA!!!


 突然叫び出したと思ったら、周りのファイター含んだ魔物が一斉に突撃を始めた。

 そして、自身の脇を通る魔物を一体掴んだと思ったら、そのまま振りかぶり……


 まさか……嘘だろ⁉︎


「ギルマス!! 逃げてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」


 俺の言葉と同時にキングが曙色の空に向かってぶん投げた。

 俺の叫びで確認したギルマスも魔法で防御するも、投げられた魔物は戦っている全ての者の頭上を超えて……門へ激突した。

 何て馬鹿力なんだよ……。

 ってそう言うことか!


 後手にばかり回っているけど、キングだけは俺が倒さないと。

 こうなりゃなり振り構っていられない。

 正面に立って刀を抜いた俺に、キングは嫌らしい笑みを浮かべてきた。


「オマエ メス ダナ? オレノ コヲ ウメ」


 ……あれ? オークって喋ったっけ?

 普通、さっきみたいに叫ぶとかそんな感じだったと思うけど……。

 って言うか今なんて言った?

 子……を産め……?

 いやいやいやいや無理だろ⁉︎

 体格差考えろよ? 入るわけねーだろ? ってそう言う事じゃなくって、種族ちげーし! じゃなくってイケメン……も違くて、俺の心はまだ男だ!! 


 クソッ! オークが一言喋っただけで、何でテンパらなきゃいけねーんだよ……。

 もうこんな戦い早く終わらせたいよ……。


 「よくも街を無茶苦茶にしてくれましたね?」


 俺はそう言いながら、正面から斬り込む。

 キングはそれを腰から取り出した斧で難なく受け止めた。

 キングも序の口っていう顔しているが、勿論俺もこんなのはまだまだだ。

 何合か打ち合っていて気づいた。

 俺の刀を難なく受け止めているところを見ると、あの斧も業物か。いつかのワイズの時の様に斧ごと斬り伏せてやろうと思ったけど、それは難しそうだ。

 ならこれはどうだと、キングと打ち合いながら速度を上げて行く。

 少しずつ攻撃の角度を横へ横へとずらし、キングに振り向かせる動作の回数を増やして行く。


「オマエ シツコイ! ハヤク オレノモノニ ナレ!」


 お断りだ!

 そして、ここだ!

 大地よ!


 ギルマスとの立ち合いと同じように、相手の足元に穴を開け体制を崩させる。

 今回は図体が大きいから、一旦崩すと立て直しが難しい事だ。


「さようなら……」


 その体勢を待っていたと言わんばかりに、俺は余裕でキングの首を跳ね飛ばした。

 これで俺のメインは終わった。


 あとは門の方か……。

楽しく読んで(?)下さり、ありがとうございます。

評価や感想など頂けたらすごく嬉しくなり、執筆ペースも上がり(?)ます。

これからもよろしくお願いします!

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[良い点] オークの子を産みましょう~
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